旧ソ連の諜報機関だったKGB(国家保安委員会)の後身であるFSB(連邦保安庁)の実態を詳述した単行本『新しい貴族』がこのほど出版された。ロシアのジャーナリスト2人が書いたノンフィクションもので、「FSBはKGBよりも怖く、悪くなった」と告発している。
15日のモスコー・タイムズ紙(電子版)によると、著者はアンドレイ・ソルダトフ氏とイリーナ・ボロガンさん。西側向けに出版されたもので、ロシアでは出版されていないという。この本のタイトルは、FSBの中佐だったプーチン氏の大統領就任を祝うKGB出身者祝賀会でスピーチしたパトルシェフFSB長官の言葉から取ったという。
200年に大統領に就任したプーチンは、クレムリンと国営会社の主要ポストに旧KGB出身者を登用し、プーチン大統領に忠誠を誓う新しい権力集団(シロビキと呼ばれる)を築いた。そうした組織改革の中でFSBは「いかなる組織にもチェックされず、説明責任もない、危険な組織に変貌した」と著者は指摘している。
さらに、KGBはソ連共産党の監督下にあったが、FSBは国家公務員以上の存在となり、帝政時代の貴族に似てきたと指摘している。その具体例として、モスクワで最も高価な土地99エーカーが03-04年、FSBの高官(複数)に支給され、その後、数千万ドルでいくつかの区画が販売された経緯が詳述されている。
ロシアの高名な人権活動家アレクセーエワ女史は「KGB時代には刑務所や精神病院があったが、彼らは殺すことまではしなかった」と語り、以前のほうが高圧的だったが、今より危険ではなかったと回想している。英国での放射能物質による元KGB中佐殺害事件やモスクワでの女性ジャーナリスト射殺事件が記憶に新しい。
FSBの任務も変わりつつあり、ロシアの億万長者の利益を守る仕事が増えている。プーチン自身、07年にフラトコフ元首相を連邦防諜庁長官に任命した際、同庁の新しい任務は「外国でのロシア企業の利益を守ることだ」と公式に認めている。
著者は、治安機関が権力を拡大させつつあるが、実権を握っているのは今も新興財閥だと見ている。一方、メドベージェフ大統領はロシアの現代化を強調しながら、「大統領はプーチンがつくったシステムに満足していて、諜報機関を改革しようとは思っていない」と不満をぶつけている。リベラル派を任じている大統領がこの本を読んだら、どう感じるだろうか。
15日のモスコー・タイムズ紙(電子版)によると、著者はアンドレイ・ソルダトフ氏とイリーナ・ボロガンさん。西側向けに出版されたもので、ロシアでは出版されていないという。この本のタイトルは、FSBの中佐だったプーチン氏の大統領就任を祝うKGB出身者祝賀会でスピーチしたパトルシェフFSB長官の言葉から取ったという。
200年に大統領に就任したプーチンは、クレムリンと国営会社の主要ポストに旧KGB出身者を登用し、プーチン大統領に忠誠を誓う新しい権力集団(シロビキと呼ばれる)を築いた。そうした組織改革の中でFSBは「いかなる組織にもチェックされず、説明責任もない、危険な組織に変貌した」と著者は指摘している。
さらに、KGBはソ連共産党の監督下にあったが、FSBは国家公務員以上の存在となり、帝政時代の貴族に似てきたと指摘している。その具体例として、モスクワで最も高価な土地99エーカーが03-04年、FSBの高官(複数)に支給され、その後、数千万ドルでいくつかの区画が販売された経緯が詳述されている。
ロシアの高名な人権活動家アレクセーエワ女史は「KGB時代には刑務所や精神病院があったが、彼らは殺すことまではしなかった」と語り、以前のほうが高圧的だったが、今より危険ではなかったと回想している。英国での放射能物質による元KGB中佐殺害事件やモスクワでの女性ジャーナリスト射殺事件が記憶に新しい。
FSBの任務も変わりつつあり、ロシアの億万長者の利益を守る仕事が増えている。プーチン自身、07年にフラトコフ元首相を連邦防諜庁長官に任命した際、同庁の新しい任務は「外国でのロシア企業の利益を守ることだ」と公式に認めている。
著者は、治安機関が権力を拡大させつつあるが、実権を握っているのは今も新興財閥だと見ている。一方、メドベージェフ大統領はロシアの現代化を強調しながら、「大統領はプーチンがつくったシステムに満足していて、諜報機関を改革しようとは思っていない」と不満をぶつけている。リベラル派を任じている大統領がこの本を読んだら、どう感じるだろうか。
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