飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

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ロシア連邦自主労組、コロナ禍への連帯デモ行進を計画!

2020年04月08日 09時28分05秒 | Weblog
新型肺炎コロナウイルスの感染が拡大しているのは、ロシアも例外ではない。4月7日現在、感染者数は7,497人に増え、首都モスクワでは外出を原則禁止する措置が取られている。こうした状況の中、労働者約2千万人が加盟するロシア最大の労働組合組織「連邦自主労組」は7日、5月1日のメーデーにあわせて、「強力な伝染病に対する連帯デモ行進」を実施する方針を決めた。

ソ連時代、ロシアは社会主義の盟主を自認し、5月1日のメーデーでは、世界中に存在をアピールするとともに、ロシアの春を告げる全国的な祭典と位置付けていた。1991年のソ連崩壊後は一時の勢いを失ったものの、「連邦自主労組」は毎年、組織をあげてメーデーのデモ行進を続けている。今年は世界的に猛威を振るっているコロナウイルスと闘う労働者との連帯を掲げ、全国各地でデモ行進を行うことを打ち出した。ソ連当時から組織を引っ張っているシュマコフ議長は「今回は強力な伝染病と闘う全世界の労働者との連帯を統一スローガンにする」と表明した。

だが、7日付けの独立新聞電子版によると、ロシアのコロナウイルスは、4月に入ってからも勢いが衰えるどころか、感染者数は拡大を続けている。4月6日の1日だけで新たに1,154人が感染、11人が死亡している。特に人口が集中しているモスクワ州とモスクワ市では、6日だけで計7人の死者が出ている。ロシアの感染者総数7,497人は、わが国の4,257人(8日現在)を3,000人以上上回っている。こうした状況を受けて全土で大衆行動が禁止され、プーチン大統領も4月22日に予定した憲法改正の是非を問う全国投票を延期したほどだ。

このため、民主派政党の「ヤブロコ」(りんごの意味)からも、5月1日のデモ行進の延期を促す意見が出ており、デモ行進が実現するかどうかは定かではない。最終的にはプーチン大統領ら政権首脳の判断に委ねられることになろう。だが、シュマコフ議長もそう簡単にデモ行進を引っ込めるとは思えない。今後、ロシアのコロナウイルス感染拡大の行方とともに、労組側と政権側のメーデーをめぐる攻防に目が離せそうもない。(この項終わり)


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