ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『マリー・アントワネットに別れをつげて』

2012-11-06 23:31:28 | 新作映画

(原題:Les adieux a la reine)



----この映画、いま人気のレア・セドゥが出ているんだよね。
彼女がマリー・アントワネットを演じるの?
「いや、
レア・セドゥはマリー・アントワネットの朗読係シドニーの役。
この、王妃に“朗読係”がいたというのは、どうやらは史実らしい」

----マリー・アントワネットって
ソフィア・コッポラ監督の映画『マリー・アントワネット』も話題になったよね。
「そうだね。
ただ、この映画はシドニーが主役。
フランス革命が勃発した
バスティーユ陥落の1789年7月14日から3日間のヴェルサイユ。
286名のギロチンリストに震え上がるヴェルサイユを内部から見つめていくんだ」

----そのとき、ヴェルサイユで何が起こっていたか?
ニャるほど。
これは新しい視点だニャ。
興味津々。
「ヴェルサイユでは、召使いが逃げ、物乞いが侵入し、衛兵までも逃亡。
そんな混乱の極みの中、
侯爵や神父までが夜蔭にまぎれて逃亡。
アントワネット(ダイアン・クルーガ―)は
蝶愛するポリニャック夫人(ヴィルジニー・ルドワイヤン)にも家族と共に逃げるよう告げる。
だが、あり余る富と特権を享受し、
人々のやっかみの対象となっているポリニャック夫人は、道すがら捕まる可能性が高い。
そこでアントワネットは、
あろうことか自分に心酔する朗読係のシドニーに、
ポリニャック夫人の身代わりになるよう命じる…」

----へぇ~っ。スゴイ話。
「もちろん、
この部分は創作。
でも、もしかしたら、
実際にそんなこともあったかもね。
さて、この映画、
史実を基にしたそのストーリーのオモシロさもさることながら
映画としても見どころ十分。
観ながら、ぼくの頭をよぎったのは
キューブリック『バリー・リンドン』とドイツ映画『ヒトラー~最期の12日間~』

----『バリー・リンドン』の舞台は18世紀。
こちらは分かる気がするけど…?
「キューブリックは『バリー・リンドン』の時代の雰囲気を忠実に再現するべく、
ロウソクの光だけで撮影することを目指し、
NASA用に開発されたレンズを使用したというのは有名な話。
この映画でも暗闇の中で揺らめくロウソクが
迫りくる死の恐怖に眠れぬ夜を過ごす彼らのおののく姿を照らしだす。
そしてそれが、
やはり死を目前にしたヒトラーたちナチスの総統地下壕での混乱、悲劇を思い起こさせたわけだ」

----ニャるほど。
「さてこの映画、
撮影だけでなく
王妃アントワネット、シドニー、ポリニャック夫人の三角関係もその見どころの一つ。
アントワネットを慕うシドニー。
その気持ちを知ってか知らずか、
ポリニャックへの情熱的な恋心をシドニーに打ち明けるアントワネット。
実は“王妃”アントワネットを利用しているだけで
内心はそれほどでもないポリニャック。
一方、アントワネットを喜ばせようと、
王妃の呼び出しを無視しているポリニャック夫人の説得に向かうシドニー。
だが、夫人は睡眠薬で熟睡。
その美しい裸体を嫉妬と羨望の眼差しで眺めるシドニー。
翌日、ようやく現れたポリニャックに王妃が告げた一言。
ところがポリニャックは……。
ここは言わない方がいいだろうね」

----ふむ。それは気になる。
観てみたいニャあ。
「あと、
これは本筋とは関係ないけど、
シドニーがゴンドラ漕ぎのプレイボーイに一目ぼれというエピソードもオモシロい。
会ってすぐ…という男女の関係は、
昔から変わらないんだなと…」

----それは、この映画の中だけのことでしょ。
なんだかニャあ。


フォーンの一言「シドニー。最後どうなるのかニャ」複雑だニャ
※そのときのレア・セドゥの表情も見モノだ度

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