今年が半分終わったとか何の冗談だよ……。
・あさつき堂東方総集編2 暁月~アカツキ~(あさつき堂)
シリアスかつダークで容赦無い作風が魅力のあさつき堂の2冊めの総集編です……って総集編1はいつの間に出たのっ!? エクストリーム寝耳に水なんですけど!?
き、気を取り直してレビューしていきましょう。
収録作品は描き下ろし含めて9本。
前半部分が明るいギャグ作品なので、なんか読んでてこう、ジェットコースターでゆっくり上がっていってる気分でした。
そして後半部分はあさつき堂節全開のシリアス&ダークな話が充実しててなんというか奈落への直滑降って感じでした……。
それでは作品ごとにレビューしていきましょう。
・リグル成長期!(物理)
リグルの体の一部が立派になるお話。触覚のことですよ?
その長く黒く立派なアレ(触覚)で文を血みどろの惨劇に陥れるリグルマジ凶蟲。
あと唐突なGロボネタに吹いた。
・ぬえちゃんクッキング
ぬえちゃんがセクハラされる話。つまりいつもどおり。
命蓮寺の面々はアレなの? 溜まってるの?
・命蓮寺の千年梅酒
白蓮さんが酔っ払う話。こえーよこの人。
しかしこの話のキモは野生児ルックの寅丸だということは言うまでもないでしょう。
・まんが幻想郷スタジオノーレッジの野望
パッチェさんって一時期二次創作で必ずマンガ描いてたよね。
覚悟のススメやらるろ剣やらジョジョやら小ネタが豊富な1篇でした。
で、結局この話は回りくどいこあぱちぇってことでいいんですかね。
・「~自在之人、不自在之仙~」
神子と青娥のカップリングに関しては自分の中には明確なイメージがない感じなんですが、こういうどっちが上なのかとか腹に一物抱えているのかいないのか、はっきりしない感じなのがいい。多分この話の青娥は神子の事をけっこうストレートに好きなんじゃないかな。
・リバースデイ
これよこれ。この「読み終わってからタイトルの意味に気づく」構成が素晴らしい。
誰もが一度は考えたことのあるルーミアのリボンについての伏線も、構成がかっちりはまっていて伏線の置き方が見事。
そしてもうひとつ見事なのが表情。
「目は口程に」なんて言いますが、慧音の苦悩に込められた百万言は想像するにあまりある。
残酷な結末ではあるものの、ある側面では救済のお話だと思います。
・フライングバニラガール前編・後編 親友を射ち落とし(かけ)た日
誰もが一度は考えたことのあるレイマリの出会いのお話。
魔理沙の過去、博麗の巫女の戒律にも深く踏み込んだ3篇。
霊夢を博麗の掟からすくい上げようとする魔理沙、でも届かない、そして――。
あさつき堂さんの作風が好きなのは、ただ単純にキャラを殺したりグロ描写したりといった見せかけだけの残酷さを見せるだけじゃなく、そこに表裏一体となった希望や幸福がかいま見えるところです。
しかしその幸福や希望の足元には、どうしようもない残酷が横たわっているという。
二人が完全に幸福になるには、おそらくこうなるしかなかったんだろうなあ、と。
しかしこの総集編を読んでて思うんですが、優れた作品というのは読者の体力を奪うものですよね。疲れたー……。
今日はここまで。
例大祭新刊、残り2!