池永陽著"ちっぽけな恋 珈琲屋の人々"を読みました。
"珈琲屋の人々"の続編です。
殺人という罪を犯し服役したことがある行介が珈琲屋という
喫茶店のマスターをしています。
いろんな人がやってきます。
殺人を犯したとしょっちゅう言われています。
罪は消えないといえど、そっとしておく心遣いをしてもいい
ではないかと思ってうんざりします。
"特等席"
文江ばあさんがやっていたおでん屋の伊呂波を、遠縁の女性の
木綿子が引き継ぎました。
店を潰し妻子に去られた山下が毎夜木綿子が見られる特等席に
座って過ごしています。
山下の様子に危険なものを感じます。
"左手の夢"
鍵を開けるのを得意としている茂蔵が出獄してきました。
妻の君代は待っていました。
泥棒仲間が近づいてきて仕事に引き戻されそうです。
行介は箱根細工の箱を開けてくれるよう茂蔵に頼みます。
"大人の言い分"
理世子は夫の暴力が原因で息子の勇樹を連れて離婚しました。
夫は約束の養育費を払おうとしません。
しだいに理世子は勇樹に暴力を振るうようになります。
"ちっぽけな恋"
中学生の千明は同学年の芳樹とつきあっています。
千明と芳樹の両親は離婚しており、千明は母親と暮らし、芳樹は
父親と暮らしています。
千明の母が、芳樹とのつきあいに反対しています。
二人はちょっとした家出を計画し実行します。
"崩れた豆腐"
邦子は夫の雄三と三十数年豆腐屋をやってきました。
夫や豆腐屋の仕事につかれてきました。
やってくる男性客に魅かれ会話するようになりました。
"はみだし純情"
圭次は高校生ですが、恐喝をするような子です。
女子高生の佳子がチンピラに襲われているのを助けました。
圭次の両親は成績優秀な兄のことばかり注目して圭次の
ことは出来の悪い息子と扱っています。
佳子を助けたことによってトラブルに巻き込まれます。
"指定席"
最初の話の木綿子の話です。
彼女の夫の佐川は妻に暴力を振るっていました。
木綿子は佐川を刺し殺そうとしました。
佐川は死にませんでした。
木綿子は殺人未遂犯として追われています。
佐川が姿を見せるようになりました。
暴力的な話が多いです。
行介は腕力がありそれを期待しての相談も多いです。
なんだかなぁ、力が強くなければ生きてはいけないみたいで
あまり納得できません。
行介のことが好きな冬子がどうなるか、続きそうです。