雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

その日まで 紅雲町珈琲屋こよみ

2011-10-04 22:25:02 | 

吉永南央著"その日まで 紅雲町珈琲屋こよみ"を読みました。
前に読んだ"紅雲町ものがたり"の続編です。
前の本は連作短編集ですが、この本は長編といっていい
でしょう。
コーヒー豆と和食器を売る小蔵屋のお草さんが主人公の
お話です。
楽しいことは楽しいのですが、読み終わった時に
何かすっきりしません。
話がどんどん拡散していっているのに最後に収束
させていないのです。
本の中にはめでたしめでたしの話もあるでしょうし、
悲劇で終わるものもあるでしょけど、この本は
まとめがなく途中でぷつんとした感じです。
なんなんだ、という気持ちが残ります。
コーヒー屋さんの日々を綴った話と思って読めば
それなりに楽しめる本です。

小蔵屋の近所に和雑貨のつづら屋が出来てなにかと
営業妨害をしてきます。
近所には土地や建物を詐欺まがいに安く買い叩かれる
ことが何件も起きています。
つづら屋もそのようにして手に入れたものです。
お母さんが再婚相手と離婚を考えているためお母さんの
弟の田村に預けられたタケルは不満で反抗的です。
お父さんの連れ子と仲良くなって別れるのがつらい
タケルです。
田村はのちに不動産トラブルに絡んでいることが
わかります。
彼が詐欺に加担しているわけではありませんが仕事に
便宜をはかってもらっています。

高校を卒業して母や妹をおいてアメリカ人の父親の
元へ行ったナオミはアメリカで彫刻家となっています。
病気で長くありません。
日本を離れる前に画の道具を焼いた人を探してくれる
ようお草さんにたのみます。
ナオミと対立していた高校時代の同級生の話を
聞いてまわります。
いきついた犯人は以外な人物でした。9/21