雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

しずかな日々

2011-10-15 21:31:26 | 
椰月 美智子
講談社
発売日:2006-10-03


椰月美智子著"しずかな日々"を読みました。
小学5年生の日々を思い返しているという体裁を取って
います。
枝田は母親と二人暮らしです。友達はおらず目立たない
存在でした。
5年になって押野と同じクラスになりました。
押野は枝田と反対のリーダシップが取れる明るい子です。
押野が枝田に話しかけ三丁目の空き地で野球をするように
なります。そこに集まるのは学校や学年が違う子たちです。
野球が下手な枝田ですがだれも怒ったりしません。
下手だなぁというだけです。
目立たないようにしていた枝田が三丁目の空き地で遊ぶ
ようになり楽しそうになり、積極性も身につけていきます。

お母さんの都合で引越すことになります。
枝田は行きたくありません。
それまで近くにいながら祖父の存在を知りませんでしたが
祖父の家に枝田は住むことになりました。
昔ながらの雨戸を毎日閉めたり開けたりする家です。
庭もあります。
おじいさんとの生活に馴染んでいきます。
夏休みには押野が数日泊まりにきて生涯忘れられない
日々になりました。

お母さんはたぶん新興宗教にのめり込んでいる
ようです。その後も別れたままとなりました。

5年生のこの1年が忘れられない思い出になって
それ以後の人生に影響を与えています。
わかる気がします。
そんな日々があれば人は何かあってもしなやかに
立ち向かっていけます。
そんな1年があってよかったねぇと言いたくなる
本でした。10/03