雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

タワーリング

2011-10-24 19:39:05 | 
福田 和代
新潮社
発売日:2011-04


福田和代著"タワーリング"を読みました。
高校生の章吾、宗一郎、新二が自転車をこぐ場面で
始まります。
章吾が建築家になりビルを建てる夢を語ります。

数十年の後章吾は建築会社マーズコーポレーションの
社長になっています。
夢のとおり六本木に50階立てのウインドシア六本木を
建てました。社長は50階に住んでいます。
マーズはここの17階に事務所として使っています。
セキュリティは厳しいビルでテナント部分以外は関係者
でないと入れません。
数人の侵入者が社長を人質にします。
ビルの管理をする防災センターを占拠されます。
ビルがジャックされした。
出入口の開閉、エレベータ、電気などすべてが犯人の
手に握られます。
数千人の人々が閉じ込められしまいます。
犯人の要求は5億円、屋上にヘリコプターを用意しろと
いう要求です。

犯人とマーズや警察との攻防が描かれています。
映画になったらきっとおもしろいと思います。
犯人の方が上手です。
あまり書いてしまうとこの話は読むおもしろさが
減ってしまいますのでこのへんで。

犯人側の思惑がよくわからないなあという部分が
あります。
仲間うちにはお金が目当ての人、そうでない人が
います。
お金目当ての人の動機はわかりますが他の人の
目的はなんだったのかよくわかりません。
とくにボスは何が目的だったのでしょう。
単純にお金目当てにしてしまった方がすっきり
した話になったのに、なんだか納得できない
なあという部分が残ります。
作者はこの部分が重要なんだといいたいの
でしょうが、私には伝わってきませんでした。

駆け引きはおもしろいです。
先を読んで思わぬ手を使ってくるのでゲーム好き
の人には受けるのではないでしょうか。10/14