雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

凶笑面 蓮丈那智フィールドファイルⅠ

2011-10-31 20:38:46 | 

北森鴻著"凶笑面 蓮丈那智フィールドファイルⅠ"を
読みました。
北森さんは旗師・冬狐堂や香菜里屋の作者です。
蓮丈那智は男の名前だと思っていました。女性でした。
民俗学を研究する助教授です。
内藤三國は助手です。
那智はフィールドワークを大切にしています。
あちらこちらに出かけて行っては事件に遭遇します。
民族学は歴史と結びついています。
民俗学についていろいろ書かれています。
冬狐堂では骨董や美術品について詳しく、この本では
民俗学や歴史に詳しいです。
作者の幅広い知識に驚きます。
那智はとても美人で、頭が切れる人です。
連作短編集です。

"鬼封会"
故郷のある家で行われる行事を撮ったビデオを送ってきた
学生が殺されます。

"凶笑面"
骨董店主阿久津から長野の素封家の倉開きに来てくれる
よう依頼があります。
阿久津は嫌われている人物です。
その阿久津が倉の中で殺されていました。

"不帰屋"
テレビに出演しているフェミニズム提唱者の宮崎菊枝
から離屋を調査して欲しいと依頼がありました。
何に使われていた建物か明らかにして欲しいという
依頼です。
窓は小さなものが一ヶ所です。
床板や壁板は一列二枚しか使われていません。
ぜいたくに作られた建物です。
ここで菊枝は死んでいました。原因は窒息死です。
建物の作りが死と関係があります。

"双死神"
岡山へ内藤が一人で出かけていきます。
狐と名乗る女性から警告を受けます。
遺跡に案内するといっていた男がその遺跡の落盤事故で
亡くなりました。
狐と聞いて思い出さなければいけないのに誰なのか
わかりませんでした。
冬狐堂の陶子でした。
香菜里屋らしい店も出てきます。
作家の別の作品に登場する人物が出て来るのは楽しいです。

"邪宗仏"
腕がない仏像がお寺の床下から出てきました。
景教仏ではないかとの地元の人二人から別々のレポートが
届けられ来てくれるよう依頼されます。
キリスト教と仏教との融合があったのではないかという
のです。
片方の人が殺されます。

民俗学と事件の組合わせが新鮮です。
でも民俗学の説明部分は難しくて頭が痛くなりそうです。
ほとんど理解していません。10/21