日刊魔胃蹴

暑すぎてつらい。

ジャパンカップ30年目の悲劇…。ブエナビスタ降着でローズキングダムが繰り上げ優勝。

2010年11月29日 | 競馬

1981年に創設された日本初の国際招待レース「ジャパンカップ」が今年で30年目を迎えました。日本競馬が世界との差を痛感させられた事から始まり、カツラギエースの日本勢初優勝、ホーリックスとオグリキャップの死闘、不滅のレコードタイム・2分21秒1などの名場面が生まれ、シンボリルドルフ・トウカイテイオー・エルコンドルパサー・ディープインパクト・ウオッカなどの日本の名馬たちが勝利すれば、ファルブラヴ・シングスピール・トニービン・モンジュー・ファンタスティックライトといった世界的トップホースも参戦しました。「世界最弱」といわれた日本の競馬も、JCの回数を重ねるにつれ、海外GIで勝利するくらいまでに成長。(逆に世界のトップホースが来日しなくなっているというのもあるが…)過去29回で日本勢15勝、海外勢14勝、ここ数年は日本勢が5連覇を果たしております。

記念すべき30回目のジャパンカップが28日、東京競馬場で行われました。2010年の東京開催のフィナーレを飾る今年のJCは、日本勢からは秋の天皇賞を圧勝した「日本のエース」⑯ブエナビスタ、凱旋門賞で2着と健闘した⑪ナカヤマフェスタ、ダービー馬⑩エイシンフラッシュ、皐月賞馬②ヴィクトワールピサ、昨年の2歳王者でクラシックの雪辱に燃える⑥ローズキングダム、他にも春の天皇賞馬⑧ジャガーメイル、⑭オウケンブルースリ、⑦ペルーサなどといった最強メンバーが集結。
海外からは「欧州最強軍団」エイダン・オブライエン厩舎からの刺客⑫ジョシュアツリー(アイルランド)、英国GI・セントレジャーにも出走した③ダンディーノ(イギリス)、⑤モアズウェルズ・⑱シリュスデゼーグル・⑰マリヌス・⑨ティモスの「フランスカルテット」、イタリア代表①ヴォワライシ、カナダから⑮フィフティープルーフが参戦しました。


レース直前の単勝上位人気は、ブエナビスタが圧倒的1番人気に支持され(1.9倍)、2番人気にはナカヤマフェスタ(7.7倍)、ペルーサが3番人気(8.4倍)、4番人気のローズキングダム(8.8倍)までが一桁台、5番人気以降はエイシンフラッシュ、オウケンブルースリ、ジャガーメイル、ヴィクトワールピサと日本馬が続きました。
スタート前、ペルーサが安藤勝己騎手に尻を引っ張られると、係員に押されてゲート入り。ジョシュアツリーは何度も拒み続け、最後は目隠しされながらゲートイン。他の16頭は順調に入りました。そして運命のスタート、ややばらつきが見えたか?ペルーサはやっぱり出遅れてしまった。スタンド前での先行争いでは、ヴィクトワール、ローキン、エイシンフラッシュの3歳勢が伺う中、④シンゲンが先頭を奪ってレースを引っ張ります。ナカヤマフェスタは4,5番手、ブエナビスタは中団より後方の位置でゴール板を通過しました。
1,2コーナー中間地点~向正面に入り、シンゲンが単独先頭、フィフティープルーフが2番手、ヴィクトワールピサは内側の3番手。4番手にエイシンフラッシュ、ナカヤマフェスタは5番手。6番手の位置にローズキングダム、ヴォワライシが並び、中団の9番手集団には、ジョシュアツリー、マリヌス、モアズウェルズの外国馬の中に⑬メイショウベルーガが含まれている。注目のブエナビスタは12番手~15番手といったあたり。後方ではジャガーメイルとオウケンブルースリが16番手で並び、ペルーサはまだ最後方。
先頭を行くシンゲンは、前半1000mを60秒台で通過し、3コーナーの大ケヤキを過ぎてから2番手以降を引き離しに行く。2番手争いはナカヤマフェスタが外に持ち出して接近する。ブエナとベルーガの牝馬組も外から末脚勝負、ブエナに至っては良いポジションだ。最後の直線に入り、シンゲンがまだ逃げ粘るが、ヴィクトワールが徐々に迫ってくる。そしてブエナビスタがスミヨン騎手のムチに応えるように上がってきた!フラッシュやローキンをかわすと、残り200mを切ってヴィクトワールピサを抜いて先頭に立った!後続ではローズキングダムが伸びてピサに並びかける、最後方にいたペルーサは鋭い末脚を見せたが4番手までか?それらを尻目にブエナビスタは先頭でゴールイン!日本のエースはやはり強い!スミヨンとのコンビで秋GI2連勝、そして6冠達成。しかし、電光掲示板には審議の文字が灯っている…。
ブエナがスタンド前でウィニングランをしている際、スミヨン騎手がムチを投げ、ヘルメットを脱いでガッツポーズしたりと勝利の喜びに浸っている中、①発走直後にブエナビスタが躓いたこと、②最後の直線でフィフティープルーフ・マリヌス・シリュスデゼーグルの3頭が接触、③ローズキングダムの進路が狭くなった事についての審議を行う事を知らせる場内放送が流れた。レース後の検量室前はざわめいた雰囲気となり、審議の結果が出るまで相当な時間がかかった。そしてブエナの1着から25分後、信じられない結末が待っていた…。

最終成績&払戻金
1⑥ローズキングダム  2:25.2
2⑯ブエナビスタ    1位降着
3②ヴィクトワールピサ ハナ
4⑧ジャガーメイル    3/4
5⑦ペルーサ      クビ
6⑬メイショウベルーガ  1/2
7⑭オウケンブルースリ  ハナ
8⑩エイシンフラッシュ  1.1/4
9⑱シリュスデゼーグル  ハナ
10⑫ジョシュアツリー   1/2
11③ダンディーノ     3/4
12④シンゲン      アタマ
13⑤モアズウェルズ    1.1/2
14⑪ナカヤマフェスタ  クビ
15⑨ティモス       1.1/2
16①ヴォワライシ     1
17⑰マリヌス       7
18⑮フィフティープルーフ 大差
単勝 6 880円
複勝 6 200円 16 110円 2 530円
枠連 3-8 690円
馬連 6-16 710円
馬単 6-16 1,880円
ワイド 6-16 300円 2-6 2,320円 2-16 900円
3連複 2-6-16 4,940円
3連単 6-16-2 25,110円


1位入線のブエナビスタが斜行し、ローズキングダムの進路を妨害したため2着に降着。これにより秋天に続くGI2連勝&通算6度目のGI制覇が幻に消え、2位入線のローズキングダムが繰り上がって優勝。ローキンのライバル・ヴィクトワールピサが3着。8着のエイシンフラッシュまで日本馬が独占し、外国馬はシュリスデゼーグルの9着が最高で、ジョシュアツリーは10着に敗れました。そして2番人気だったナカヤマフェスタは日本勢最低順位の14着という結果に。久々の国内レースで勘が鈍ったのか?
ローズキングダムに騎乗した武豊騎手は、今年のJRAGI初勝利。ケガで離脱、GIレースで勝てない時期が続いていたのでようやくといった感じか。この勝利により23年連続のGI勝利を達成。ジャパンカップでは2006年のディープインパクト以来3度目の勝利を挙げました。直線でブエナビスタやエイシンフラッシュに挟まれ、ヴィクトワールピサに塞がれそうになりましたが、伸び返してヴィクトワールを捕らえました。不利を受けても決して諦めなかったのは印象的だったと思います。もしブエナの降着が無かったら、GI3度目の2着で「シルバーコレクター」と言われてたでしょう。JCを勝ったことは確かだけど、橋口調教師やユタカさんの本音からすれば複雑な気がします。次走予定の有馬記念では、「真のブエナ越え」を果たせるか?
ブエナビスタは昨年の秋華賞に次いで2度目の降着。GIでの1着降着は、1991年の天皇賞(秋)のメジロマックイーン、2006年のエリザベス女王杯のカワカミプリンセス以来3度目です。2回も降着する馬なんてたぶん初めてですよ。騎乗したスミヨン騎手は12月4日から12日までの4日間の騎乗停止処分を受けました。JCダートと阪神ジュベナイルフィリーズは乗れない、有馬記念には間に合うけど、ブエナに乗れるのだろうか?レースでは「やっぱりエースは強い!」と思ったけど、降着とわかったら「やっちまったな!」という気分でした。スミヨン騎手や松田博資調教師も有頂天から一転ショックになってしまいましたね。あの喜びっぷりは何だったのか…。この日ブエナでぬか喜びした人は全国でどれぐらいいたんだろう…。それにしてもこの秋のGIシリーズは降着が多い気がしませんか。

東京開催が終わり、今年の中央競馬も残り4週となりました。12月最初の日曜日である5日は阪神競馬場でジャパンカップダートが行われます。ブリーダーズクラシックに挑んだエスポワールシチーが連覇を目指して参戦し、南部杯でエスポワールを破ったオーロマイスター、元ダート絶対王者・ヴァーミリアン、JBCクラシックを制した「交流重賞ハンター」スマートファルコン、マコトスパルビエロ、グロリアスノア、シルクメビウス、トランセンドといったダート重賞の常連組が出走予定。外国馬不在のJCダート、王者が貫録を見せるのか、それとも新王者が生まれるのか?


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