12月8日に開幕した「TOYOTA プレゼンツ FIFAクラブワールドカップ UAE 2010」もいよいよ最終日。現地時間18日は3位決定戦と決勝戦の2試合が行われ、3位決定戦のインテルナシオナル(ブラジル)VS城南一和天馬(韓国)は、4-2でインテルナシオナルが城南を破り3位になりました。
今年のクラブW杯もいよいよ残り1試合。決勝へ勝ち上がったのは、欧州王者・インテル(イタリア)とアフリカ王者・マゼンベの2チーム。マゼンベは2試合で無失点、準決勝でナシオナルを破る大金星を挙げました。対するインテルは、城南戦で司令塔のスナイデルが開始1分で負傷退場したものの、3得点を奪って快勝。インテルのエース・エトーとアフリカ最強GK・キディアバのマッチアップは見逃せません。今回の決勝戦は、西村雄一さんが主審を担当。FIFAの国際大会で日本人審判が主審を務めるのはこれが初めてです。西村氏の奮闘ぶりにも要チェック。「欧州VS南米」の構図が崩れた今大会、インテルが大会初優勝&欧州勢4連覇か、マゼンベが2度目の「下克上」でアフリカ勢初のクラブ世界一なるか?
両チームのスタメン
マゼンベ インテル
GK 1 キディアバ GK 1 ジュリオ・セザル
DF 2 キムワキ DF 2 コルドバ
DF 3 カススラ DF 26 キブ
DF 4 ヌクルクタ DF 6 ルシオ
MF 13 ベディ DF 4 サネッティ
MF 20 ミハヨ DF 13 マイコン
MF 24 エカンガ MF 8 モッタ
FW 15 カルイトゥカ MF 19 カンビアッソ
FW 10 シングルマ FW 27 パンデフ
FW 11 カバング FW 22 ミリート
FW 27 カソンゴ FW 9 エトー
インテルはスナイデルがスタメンから外れてベンチ入り、マイコンとモッタが先発出場。
インテルのボールで前半開始。開始1分エトーがドリブルからスルーパスを出したが、ボールはラインを割った。すると3分、観客がピッチに乱入し、サポーターたちは大ブーイング。5分、マゼンベ速攻を見せたが、インテルDFルシオがカット。9分、マゼンベは左サイドのスローインからカルイトゥカがドリブル、敵陣でボールを回し、最後はヌクルクタがミドルシュートを放つも、バーの上を越えました。12分、インテルはFKからミリート→エトーと繋ぎ、パンデフがマゼンベDFラインの裏を抜け出し、最後は左足で流しこんでインテル先制点!マゼンベ3試合目で初失点。
1点を追うマゼンベは16分、エリア付近で攻撃を仕掛けるもインテル守備陣に阻まれる。17分、インテルはカンビアッソ→サネッティが右サイドでクロス→パンデフがスルー→エリア手前にいたエトーのシュートが決まって2点目!エトーはゴールを決めた後、両手にスーパーマーケットの袋を持つパフォーマンスを見せました。あらかじめ言っておくが、イトーヨーカドーではありません。さらに19分、サネッティのスルーパスにマイコンが抜け出すもオフサイド。25分、マイコンのロングボールに反応したミリートが抜け出し、3点目の決定的チャンスでしたが、シュートはキディアバがブロックし、キムワキがクリア。
何とか取り返したいマゼンベは、31分にカルイトゥカがミドルを放つもGKにキャッチされ、33分にエカンガがエリア内で倒されたが、わざと倒れ込むというシミュレーションを取られ警告を取られました。37分、カバングのクロスにカルイトゥカが飛び込むも届かない。38分にはカルイトゥカのシュートも決まらず。42分、インテルはパンデフのパスにミリートが抜け出してシュート!しかし、キディアバが右足を伸ばしてセーブ。前半ロスタイムにインテルは立て続けにセットプレーのチャンスを迎えたが、マゼンベDF陣が許さず。マゼンベは終了間際にカバングが競り合いからボールを奪い、カルイトゥカがシュートを放ったが、インテルDFコルドバがブロック。前半はインテルが2点リードで折り返し。このままインテル逃げ切れるか?マゼンベは後半一矢を報いたいところだが…。
後半、マゼンベはカソンゴを下げてカンダが入ります。後半4分、エリア手前の位置でFKを得たマゼンベは、カバングが直接狙うも壁に直撃。5分、CKのこぼれ球を拾うと、クロスボールにベディが飛び込むもオフサイド。なおもマゼンベの時間帯が続く中、インテルはキブOUT→スタンコビッチIN。9分にインテルは敵陣に攻め上がってきたが、サネッティの左サイドのクロスは右に流れる。マゼンベは13分、左サイドのクロス→シングルマにボールが渡るもダメ。さらにカバングが右サイドでクロス上げるも失敗。インテルは14分、マイコンがドリブルでエリアに入り、右足シュートはポスト直撃。続くCKでは、ミリートが頭で合わせるも枠外。
15分、ミハヨが右足ミドルを狙うもセザルがセーブ。直後にインテルが速攻を見せ、ルシオのクロスは逆サイドに流れた。17分、エトーが左サイドで相手DFをドリブルでかわすが、シュートはマゼンベDFがスライディングでブロック。19分、マゼンベは右サイドのクロスをジュリオセザルがパンチング→こぼれ球をシングルマとカンダが上手く押し込めない。21分にはカンダがクロスを入れるもセザルがキャッチ。なおもマゼンベの反撃は続くが、インテルDF陣が体を張ってブロックし続ける。23分にはカバングの浮き球パスにカルイトゥカが受けるもオフサイド。24分、インテルはミリート→ビアビアニーを投入。27分、右サイドのマイコンのクロスにパンデフが合わせられず。続くCKはマゼンベDFがクリア。
マゼンベは29分、カルイトゥカがボールを奪うも、ジュリオセザルが飛び出してシュート打たせず。31分には中央からのFKをカルイトゥカが狙うも大きくはずれた。33分、インテルはスタンコビッチからエトーがシュートを放つも、キディアバの正面。34分、カバングのクロスにカルイトゥカが合わせるもセザルの正面、さらにこぼれ球をエカンガが押し込もうとするもインテルDFが必死に守る。36分、カルイトゥカのヘディングシュートもGKにキャッチされる。
後半40分、スタンコビッチのパスからビアビアニーが抜け出し、ワントラップから左足で流し込んでゴール。インテルにダメ押しの3点目が入る。もう勝利はほぼ確実だろう。マゼンベは43分、カバングのクロス→シングルマが叩きつけるもゴール右。ロスタイム前、カルイトゥカを下げてヌドンガが入る。ロスタイムにカンダがミドルを放ったが、大きく外れてノーゴール。インテルはボールを奪った後、パス回しで時間を稼ぐ。47分、カバングが狙うもセザルキャッチ。そして試合終了。3-0でインテルがクラブ世界一!
歴史に残るだろう今年のクラブW杯の決勝戦は、インテルがマゼンベを破り大会初優勝。クラブ世界一に輝いたのは、前身の「インターコンチネンタルカップ」時代の1965年以来45年ぶり3度目です。そしてこの大会でヨーロッパ勢は4連覇を達成。やっぱりヨーロッパのクラブチームは強いですね。今後は「打倒欧州」を合言葉に参戦するチームが現れると思います。
試合を簡単に振り返ると、前半13分にパンデフが先制点、17分にエトーのゴールで2点をリード。後半はマゼンベが反撃を見せたんですが、ジュリオ・セザル、コルドバ、ルシオといったインテルDF陣の前に1点を奪う事が出来ず。終了5分前にビアビアニーのダメ押しの3点目で勝負あり。この試合はエトーが攻撃面で存在感を発揮し、1ゴール1アシストの大活躍。2点目のゴールを決めた後、ペットボトルの水が入っているスーパーの袋を両手で持つというパフォーマンスを見せてくれました。日本でもマネするヤツがいるかもな~。おそらく今大会のMVPに選ばれるでしょう。
インテルは2試合で6得点、無失点という完璧な内容。大会前はスナイデルのプレーを楽しみにしていたんですが、城南戦でわずか1分で負傷退場→決勝戦欠場でクラブW杯を終えてしまったというのが残念としかいえません。しかし、エトーを中心にミリート、サネッティ、パンデフなどがゴールを挙げました。セリエAでの不振(現在7位)がウソのような強さでした。大会の結果次第ではクビになるかもしれなかったベニテス監督も、優勝してひとまず続投決定。安心して年を越せますね。
今大会旋風を巻き起こしたマゼンベでしたが、健闘もむなしく準優勝に終わりました。2試合で無失点に抑え続けたキディアバもインテルの攻撃を封じることができず3失点。後半には決定的なシーンが何度もあったけど、1点を返せませんでした。世界の壁は厚かったけど、準優勝でも十分素晴らしい成績です。選手たちも胸を張ってコンゴに帰れるんじゃないかと思います。キックオフ前にゴール前で祈りをささげるシーン、キディアバのファインセーブと平和へのダンス、そして準決勝でインテルナシオナルを破る奇跡を起こした事は語り草になるでしょう。
クラブワールドカップは今年も無事に閉幕。来年の第7回大会から再び日本で開催されます。日本勢は過去2度出場し、2007年に浦和レッズが3位、2008年はガンバ大阪が3位入賞を果たしています。ACLに出場する名古屋グランパス、ガンバ大阪、セレッソ大阪、「天皇杯優勝チーム」が優勝すれば、「アジア王者」として出場できるけど、日本勢が全滅すればJリーグ王者が出場となります。来年の大会では日本のチームがマゼンベのように欧州or南米王者を破るサプライズを起こせるか期待したいですね。
今年のクラブW杯もいよいよ残り1試合。決勝へ勝ち上がったのは、欧州王者・インテル(イタリア)とアフリカ王者・マゼンベの2チーム。マゼンベは2試合で無失点、準決勝でナシオナルを破る大金星を挙げました。対するインテルは、城南戦で司令塔のスナイデルが開始1分で負傷退場したものの、3得点を奪って快勝。インテルのエース・エトーとアフリカ最強GK・キディアバのマッチアップは見逃せません。今回の決勝戦は、西村雄一さんが主審を担当。FIFAの国際大会で日本人審判が主審を務めるのはこれが初めてです。西村氏の奮闘ぶりにも要チェック。「欧州VS南米」の構図が崩れた今大会、インテルが大会初優勝&欧州勢4連覇か、マゼンベが2度目の「下克上」でアフリカ勢初のクラブ世界一なるか?
両チームのスタメン
マゼンベ インテル
GK 1 キディアバ GK 1 ジュリオ・セザル
DF 2 キムワキ DF 2 コルドバ
DF 3 カススラ DF 26 キブ
DF 4 ヌクルクタ DF 6 ルシオ
MF 13 ベディ DF 4 サネッティ
MF 20 ミハヨ DF 13 マイコン
MF 24 エカンガ MF 8 モッタ
FW 15 カルイトゥカ MF 19 カンビアッソ
FW 10 シングルマ FW 27 パンデフ
FW 11 カバング FW 22 ミリート
FW 27 カソンゴ FW 9 エトー
インテルはスナイデルがスタメンから外れてベンチ入り、マイコンとモッタが先発出場。
インテルのボールで前半開始。開始1分エトーがドリブルからスルーパスを出したが、ボールはラインを割った。すると3分、観客がピッチに乱入し、サポーターたちは大ブーイング。5分、マゼンベ速攻を見せたが、インテルDFルシオがカット。9分、マゼンベは左サイドのスローインからカルイトゥカがドリブル、敵陣でボールを回し、最後はヌクルクタがミドルシュートを放つも、バーの上を越えました。12分、インテルはFKからミリート→エトーと繋ぎ、パンデフがマゼンベDFラインの裏を抜け出し、最後は左足で流しこんでインテル先制点!マゼンベ3試合目で初失点。
1点を追うマゼンベは16分、エリア付近で攻撃を仕掛けるもインテル守備陣に阻まれる。17分、インテルはカンビアッソ→サネッティが右サイドでクロス→パンデフがスルー→エリア手前にいたエトーのシュートが決まって2点目!エトーはゴールを決めた後、両手にスーパーマーケットの袋を持つパフォーマンスを見せました。あらかじめ言っておくが、イトーヨーカドーではありません。さらに19分、サネッティのスルーパスにマイコンが抜け出すもオフサイド。25分、マイコンのロングボールに反応したミリートが抜け出し、3点目の決定的チャンスでしたが、シュートはキディアバがブロックし、キムワキがクリア。
何とか取り返したいマゼンベは、31分にカルイトゥカがミドルを放つもGKにキャッチされ、33分にエカンガがエリア内で倒されたが、わざと倒れ込むというシミュレーションを取られ警告を取られました。37分、カバングのクロスにカルイトゥカが飛び込むも届かない。38分にはカルイトゥカのシュートも決まらず。42分、インテルはパンデフのパスにミリートが抜け出してシュート!しかし、キディアバが右足を伸ばしてセーブ。前半ロスタイムにインテルは立て続けにセットプレーのチャンスを迎えたが、マゼンベDF陣が許さず。マゼンベは終了間際にカバングが競り合いからボールを奪い、カルイトゥカがシュートを放ったが、インテルDFコルドバがブロック。前半はインテルが2点リードで折り返し。このままインテル逃げ切れるか?マゼンベは後半一矢を報いたいところだが…。
後半、マゼンベはカソンゴを下げてカンダが入ります。後半4分、エリア手前の位置でFKを得たマゼンベは、カバングが直接狙うも壁に直撃。5分、CKのこぼれ球を拾うと、クロスボールにベディが飛び込むもオフサイド。なおもマゼンベの時間帯が続く中、インテルはキブOUT→スタンコビッチIN。9分にインテルは敵陣に攻め上がってきたが、サネッティの左サイドのクロスは右に流れる。マゼンベは13分、左サイドのクロス→シングルマにボールが渡るもダメ。さらにカバングが右サイドでクロス上げるも失敗。インテルは14分、マイコンがドリブルでエリアに入り、右足シュートはポスト直撃。続くCKでは、ミリートが頭で合わせるも枠外。
15分、ミハヨが右足ミドルを狙うもセザルがセーブ。直後にインテルが速攻を見せ、ルシオのクロスは逆サイドに流れた。17分、エトーが左サイドで相手DFをドリブルでかわすが、シュートはマゼンベDFがスライディングでブロック。19分、マゼンベは右サイドのクロスをジュリオセザルがパンチング→こぼれ球をシングルマとカンダが上手く押し込めない。21分にはカンダがクロスを入れるもセザルがキャッチ。なおもマゼンベの反撃は続くが、インテルDF陣が体を張ってブロックし続ける。23分にはカバングの浮き球パスにカルイトゥカが受けるもオフサイド。24分、インテルはミリート→ビアビアニーを投入。27分、右サイドのマイコンのクロスにパンデフが合わせられず。続くCKはマゼンベDFがクリア。
マゼンベは29分、カルイトゥカがボールを奪うも、ジュリオセザルが飛び出してシュート打たせず。31分には中央からのFKをカルイトゥカが狙うも大きくはずれた。33分、インテルはスタンコビッチからエトーがシュートを放つも、キディアバの正面。34分、カバングのクロスにカルイトゥカが合わせるもセザルの正面、さらにこぼれ球をエカンガが押し込もうとするもインテルDFが必死に守る。36分、カルイトゥカのヘディングシュートもGKにキャッチされる。
後半40分、スタンコビッチのパスからビアビアニーが抜け出し、ワントラップから左足で流し込んでゴール。インテルにダメ押しの3点目が入る。もう勝利はほぼ確実だろう。マゼンベは43分、カバングのクロス→シングルマが叩きつけるもゴール右。ロスタイム前、カルイトゥカを下げてヌドンガが入る。ロスタイムにカンダがミドルを放ったが、大きく外れてノーゴール。インテルはボールを奪った後、パス回しで時間を稼ぐ。47分、カバングが狙うもセザルキャッチ。そして試合終了。3-0でインテルがクラブ世界一!
歴史に残るだろう今年のクラブW杯の決勝戦は、インテルがマゼンベを破り大会初優勝。クラブ世界一に輝いたのは、前身の「インターコンチネンタルカップ」時代の1965年以来45年ぶり3度目です。そしてこの大会でヨーロッパ勢は4連覇を達成。やっぱりヨーロッパのクラブチームは強いですね。今後は「打倒欧州」を合言葉に参戦するチームが現れると思います。
試合を簡単に振り返ると、前半13分にパンデフが先制点、17分にエトーのゴールで2点をリード。後半はマゼンベが反撃を見せたんですが、ジュリオ・セザル、コルドバ、ルシオといったインテルDF陣の前に1点を奪う事が出来ず。終了5分前にビアビアニーのダメ押しの3点目で勝負あり。この試合はエトーが攻撃面で存在感を発揮し、1ゴール1アシストの大活躍。2点目のゴールを決めた後、ペットボトルの水が入っているスーパーの袋を両手で持つというパフォーマンスを見せてくれました。日本でもマネするヤツがいるかもな~。おそらく今大会のMVPに選ばれるでしょう。
インテルは2試合で6得点、無失点という完璧な内容。大会前はスナイデルのプレーを楽しみにしていたんですが、城南戦でわずか1分で負傷退場→決勝戦欠場でクラブW杯を終えてしまったというのが残念としかいえません。しかし、エトーを中心にミリート、サネッティ、パンデフなどがゴールを挙げました。セリエAでの不振(現在7位)がウソのような強さでした。大会の結果次第ではクビになるかもしれなかったベニテス監督も、優勝してひとまず続投決定。安心して年を越せますね。
今大会旋風を巻き起こしたマゼンベでしたが、健闘もむなしく準優勝に終わりました。2試合で無失点に抑え続けたキディアバもインテルの攻撃を封じることができず3失点。後半には決定的なシーンが何度もあったけど、1点を返せませんでした。世界の壁は厚かったけど、準優勝でも十分素晴らしい成績です。選手たちも胸を張ってコンゴに帰れるんじゃないかと思います。キックオフ前にゴール前で祈りをささげるシーン、キディアバのファインセーブと平和へのダンス、そして準決勝でインテルナシオナルを破る奇跡を起こした事は語り草になるでしょう。
クラブワールドカップは今年も無事に閉幕。来年の第7回大会から再び日本で開催されます。日本勢は過去2度出場し、2007年に浦和レッズが3位、2008年はガンバ大阪が3位入賞を果たしています。ACLに出場する名古屋グランパス、ガンバ大阪、セレッソ大阪、「天皇杯優勝チーム」が優勝すれば、「アジア王者」として出場できるけど、日本勢が全滅すればJリーグ王者が出場となります。来年の大会では日本のチームがマゼンベのように欧州or南米王者を破るサプライズを起こせるか期待したいですね。