第91回夏の全国高校野球選手権大会の地方大会は終盤を迎え、各地で代表校が続々と決まっております。29日は全国10か所、関東地方では埼玉・茨城・神奈川・東東京の4大会で決勝戦が行われました。
埼玉大会決勝 聖望学園VS埼玉栄
春の関東大会を制した浦和学院が5回戦敗退、昨年の北埼玉大会で優勝した本庄第一が準々決勝敗退。決勝戦は浦学・本庄一の昨年度代表校2校を破った聖望とベスト8で春日部共栄を降した埼玉栄が対戦しました。試合は2回裏に聖望が無死2,3塁の場面で埼玉栄先発・島野投手のボークで1点を先制すると、小島選手のタイムリー、併殺崩れで3点を奪います。
埼玉栄は何度もランナーを出すものの、味方が凡退&相手の堅守の前に1点を奪い返すことができず。5回には満塁のチャンスがあったんですが、結局無得点。7回にようやく1点を返すと、8回にもタイムリーが飛び出して1点差と追い上げるもあと一歩及ばず。聖望先発・佐藤勇吾投手が9回完投、3回の3点を守り切った聖望学園が3-2で埼玉栄を降し、6年ぶり3度目の甲子園出場となりました。
茨城大会決勝 常総学院VS水戸桜ノ牧
2003年の優勝校で3年連続甲子園出場の常総学院、茨城大会4連覇をかけた決勝は甲子園初出場を目指す水戸桜ノ牧と対戦。前半は常総・小熊陽太郎と桜ノ牧・吉久保諭志の両先発の投手戦。5回まで両チーム無得点で迎えた6回、常総は2死2,3塁のチャンスに黒田選手のレフト前タイムリーで2点を先制。8回には犠牲フライで1点を追加し3点リードで9回を迎えます。しかし、ここまで無失点の好投を続けていた小熊投手が9回に桜ノ牧打線の反撃に遭い、3連打で2点を失い1点差まで追い上げられましたが、その後のピンチを凌いでゲームセット。常総学院が3-2で辛くも勝利して4連覇達成。13度目の甲子園出場決定です。
東東京大会決勝 帝京VS都立雪谷
春夏通じて3度の全国制覇を誇る帝京と2003年以来の決勝進出を果たした都立の雄・雪谷との東東京決勝は、帝京打線が初回から大爆発!初回に6点を奪うと、2回に2点、4回には有賀ナビル選手の2ランなどで3点追加。5回にはエース・平原庸多投手の一発、6回には5得点とこの日2度目のビッグイニング。その後も着々と得点を重ね続け、終わってみれば4回以降は毎回得点、無得点で終わったのは3回のみ。雪谷は8回に1点を返すのがやっとでした。試合は24-1で帝京が文句無しの圧勝、2年ぶり11度目の甲子園の切符を手にしました。
神奈川大会決勝 桐蔭学園VS横浜隼人
最大激戦区・神奈川は、この秋のドラフト候補で高校通算69本塁打の筒香嘉智を擁する横浜が準々決勝敗退、昨年夏のベスト8・慶応高校が3回戦で姿を消しました。決勝には横浜を破った横浜隼人と慶応高校を破った桐蔭学園が勝ち進み、決勝戦は延長戦にもつれ込む死闘を繰り広げました。
1-1の同点で迎えた2回、桐蔭は2死1,3塁で田畑選手と影山選手の連続タイムリーで3点を奪って勝ち越しに成功。しかし隼人は3回に2死1,2塁で船木選手&大野選手の連続2塁打で3点奪い返して4-4の同点に。5回に桐蔭が満塁から内野安打で再び突き放し、5-4とリードを奪います。このまま終わるかに思われた8回、隼人は山口諒治選手がレフトへのソロ本塁打で5-5と再び同点となり、9回では決着がつかず延長戦に突入します。
延長10回に桐蔭は1死1,3塁と勝ち越しのチャンスを作るもスクイズ失敗で無得点。隼人はその裏に1死1,2塁の場面で茂木選手がライト前ヒット、しかし桐蔭右翼手・影山選手の好返球でサヨナラを阻止。そして11回、隼人は2死から森選手がヒットと盗塁を決めて2死2塁、與那覇選手がライト前に弾き返し、森選手が2塁から一気にホーム生還してサヨナラ!6-5で横浜隼人高校がサヨナラ勝ちで神奈川大会を制し、甲子園初出場を決めました!
29日は埼玉・聖望学園、東東京・帝京、茨城・常総学院、神奈川・横浜隼人が甲子園の切符を手にしました。常総学院の4連覇は茨城大会史上初の快挙達成、帝京が決勝で挙げた24得点は過去最多得点なんだそうです。エースの平原投手は、9回1失点の好投&ホームランを放って投打で活躍しました。横浜隼人高校は創部33年目で悲願の初出場。名門校で神奈川大会の本命・横浜高校を破った勢いを存分に発揮しました。2003年以来の出場となる聖望学園は、佐藤投手が4試合連続完投。昨年春のセンバツは惜しくも準優勝、今度こそは頂点に立ってほしいものです。
その他の地方大会の決勝は、智弁和歌山が和歌山大会5連覇で17度目の出場、岐阜大会では県立岐阜商業が27度目の出場。滋賀大会では、滋賀学園が近江のV3を阻んで創部10年目で初の甲子園。香川は寒川が高松商業を破って春夏通じての甲子園初出場となりました。他にも三重高校(三重)、倉敷商業(岡山)が優勝しています。
30日は西東京大会で日大三高VS日大二高の「日大ダービー」など9か所で決勝が行われます。順調に行けば関東の代表校がすべて出揃う事になりますね。