日本のプロ野球もアメリカのメジャーリーグもポストシーズンで盛り上がっています。アメリカでは、ナショナルリーグはフィラデルフィア・フィリーズがロサンゼルス・ドジャースを降してワールドシリーズ進出。アメリカンリーグは松坂大輔と岡島秀樹が所属するボストン・レッドソックスと岩村明憲が所属するタンパベイ・レイズが優勝決定戦を行っていました。一方、日本のクライマックスシリーズは、パリーグは西武VS日本ハムの第2ステージに突入し、現在2勝2敗の五分。セリーグは第1ステージ「阪神VS中日」の最終戦を迎えました。
大リーグのア・リーグ優勝決定シリーズ「レイズVSレッドソックス」は、6試合を終えて3勝3敗の五分。初戦はレッドソックスが先勝しましたが、2戦目以降はレイズが3連勝して王手をかけましたが、レッドソックスが5,6戦目を連勝して逆王手。第7戦に勝ったほうがワールドシリーズ進出となります。
試合は初回にレッドソックスのペドロイアがレフトスタンドへのソロ本塁打を放って先制します。その裏、レイズの岩村が先頭打者で登場しますが、結果は2塁ゴロに凡退しました。レイズは序盤、レッドソックス先発・レスターの前に出塁できず。
岩村の2打席目からスタートする4回、岩村はこの試合チーム初安打となるレフト前ヒットで出塁しますが、ペーニャの2塁併殺崩れの際に2塁でアウトとなりました。しかし、レイズの4番・ロンゴリアの2塁打で同点に追いつきました。5回、レイズはアイバー、ナバロの連打の後、バルデリのレフト前タイムリーで逆転に成功しました。1死1,2塁の場面で岩村の3打席目がありましたが、投手ゴロに倒れました。
レイズ先発・ガルザは初回のペドロイアに一発を浴びて以降は立ち直り、2回から5回までパーフェクトピッチング。6回に久々に四球による走者を出しましたが、レッドソックス打線を0点に抑えます。6回を投げ終えて1安打3四死球の内容。7回、レッドソックスは1死からドリュー四球、ベイのレフト前ヒットで同点のチャンスを迎えますが、後続が凡退し同点ならず。その裏、レイズはこの回先頭のアイバーがレフトへのソロ本塁打で1点追加。レイズがリーグ優勝に大きく前進します。
それでもレッドソックスは諦めません。8回、相手のエラーとクリスプのヒットで無死1,2塁、ペドロイアとオルティスが凡退して2死となりますが、4番・ユーキリスが四球を選んで満塁とヒットが出れば同点あるいは逆転のチャンスを迎えます。しかし、ドリューが三振に倒れてしまい3アウト。レイズの継投策の前に3者残塁で無得点に終わりました。8回裏、岡島秀樹がレッドソックスの2番手として登板。この回先頭の岩村といきなり日本人対決を迎えます。結果は岩村が2塁ゴロに倒れて岡島に軍配が上がりました。岡島はアプトンを打ち取ると、ペーニャを見逃し三振に仕留めて3者凡退に抑えました。
9回、レッドソックスはベイが四球で出塁し、反撃のチャンスを迎えます。本塁打が出れば同点の場面ですが、コッツェイとバリテックが連続三振に倒れて2アウト。そして代打・ローリーが2塁ゴロ、レイズ2塁手・岩村がベースを踏んでゲームセット!3-1でレイズがレッドソックスを降し、ア・リーグ初優勝を果たしました!
タンパベイ・レイズが球団創設10年目で悲願の初優勝!万年最下位の弱小チームがワールドシリーズに進出することが出来たのは本当に奇跡というしかありません。メジャー開幕前はレッドソックスとヤンキースの一騎打ちかなと思いましたが、レイズが予想外の快進撃を見せたのです。東地区で優勝すると、プレーオフでもレギュラーシーズンの勢いは変わらず。地区シリーズでホワイトソックスに勝利、優勝決定シリーズでレッドソックスを降しました。レイズが優勝できたのは、岩村が1番打者としての仕事を大いに果たしたこともあるけど、「デビルレイズ」のデビルを外したということじゃないかな?
岩村選手は今季、打率が.274、6本塁打、48打点、プレーオフでは現在まで47打数13安打1本塁打とリードオフマンとしての活躍を見せています。ワールドシリーズでも活躍してレイズの世界一に大きく貢献してもらいたいですね。「ミラクル・レイズ」の物語はまだまだ続きますが、選手達が初めてのワールドシリーズで緊張しすぎて4連敗してしまわないか心配だ…。
日本のクライマックスシリーズは、セリーグ第1ステージ・阪神VS中日(@京セラドーム)の最終戦が行われました。初戦は中日が2-0で先勝、2戦目は鳥谷敬の2本塁打で阪神がリベンジし、対戦成績を1勝1敗の五分としました。20日は運命の最終戦。第2ステージ進出の条件は、阪神は引き分け以上、中日は勝つしかありません。
第3戦は阪神:岩田稔、中日:吉見一起が先発。1回、中日は先頭の李炳圭が右手首への四球で負傷退場というアクシデントが発生。波乱の幕開けとなりますが、森野将彦とタイロン・ウッズが連続三振に倒れて3アウト。その裏、阪神は先頭の赤星憲広がレフト前ヒットの後、1死三塁と先制のチャンスを迎えます。しかし、新井貴浩と金本知憲が倒れてこちらも無得点。
2回以降から、岩田と吉見の投手戦がスタート。岩田は4回まで毎回走者を出しながらもしっかりと無失点に抑えます。特に2回と3回に中日打線を2イニング連続で併殺打に打ち取ります。対する吉見は3回と4回に阪神打線を2イニング連続で3者凡退の好投。5回には自らのエラーもありましたが、後続をしっかり抑えました。
中日は6回以降も岩田を打ち崩せず。5回から8回まで4イニング連続で3者凡退、岩田の前に2回の井端弘和のヒットによる1安打のみと打線が沈黙しています。一方の阪神は、6回まで吉見の前に2安打でしたが、7回に2死から葛城育郎がレフト前ヒットで久々のヒットがでたものの、チャンスをモノにすることが出来ません。8回、阪神は2死から赤星がライト線を破る2塁打を放つと、中日守備陣の送球ミスで赤星は3塁まで進み、得点のチャンスを迎えますが、続く関本賢太郎が遊撃フライに倒れて無得点。勝負は0-0のまま9回の攻防へ。
9回、阪神はここまで好投を続けていた岩田に代えて藤川球児がマウンドへ上がります。中日は先頭に代打・立浪和義が登場。立浪は藤川の2球目のフォークをセンター前に弾き返します。続く荒木雅博が犠打で走者を進めて1死2塁。森野の場面で阪神捕手・矢野輝弘がボールを見失ってしまい、立浪の代走・英智は3塁まで進みます。ピンチを迎えた藤川ですが、森野を2塁フライに打ち取って2アウトとします。2死となり迎えるバッターは4番・ウッズ。藤川はウッズに対し直球で挑み、3球連続ボールの後、空振りとファールでカウント2-3。そして6球目、藤川の150キロのストレートをウッズが捉えると、打球は高々と舞い上がってレフトスタンドへ。ウッズが藤川から値千金の一発で中日に大きな2点が入りました。この後、和田一浩がライト前ヒットを放つも、中村紀洋がライトフライに倒れました。
9回裏、中日は満を持して岩瀬仁紀を投入。阪神は岩瀬を打ち崩して同点に持ち込みたいところですが、先頭の新井が1塁ファウルフライ、続く金本がセンターフライに打ち取られて2アウト。そして鳥谷が空振り三振に倒れて試合終了。2-0で中日が勝利し、第2ステージ進出を決めました。
東京ドーム行きをかけた第3戦は、8回まで岩田と吉見の息が詰まるような投手戦を繰り広げると、9回に中日の主砲・ウッズがレフトへの豪快な一発で勝負を決め、通算成績2勝1敗で中日が巨人への挑戦権を獲得しました。決勝2ランを放ったウッズは、前日の試合も一発を放っているので、2試合連続本塁打となります。勝利投手の吉見は、8回まで阪神打線を4安打無失点に抑える好投を見せました。
敗れた阪神は、岩田の好投もむなしく2008年のシーズンを終了することになりました。レギュラーシーズンで大きく独走しながらも、終盤に入って大失速。巨人とのゲーム差もみるみると縮まって、10月9日に巨人との直接対決に敗れて首位陥落。岡田監督はV逸の責任で辞意を表明、CSで巨人にリベンジ→日本一と監督に有終の美を飾ろうとしたんですが、その思いは消えてしまいました。来季は真弓明信氏が次期監督に就任する阪神、2008年の雪辱はなるのでしょうか?
これでセリーグのクライマックスシリーズ第2ステージは、セリーグ優勝・巨人VS3位・中日という組み合わせとなりました。巨人は1勝のアドバンテージを持っているので、3勝すれば日本シリーズ進出となります。一方の中日は4勝しなければなりません。昨年は中日が巨人に3連勝して日本シリーズ進出を決め、その勢いで日本一になりました。今年のレギュラーシーズンでは、14勝10敗で中日が勝ち越しているということは、やや中日に分がありそうな予感。巨人にとってはやりづらい相手が来てしまいましたね。東京ドームでの第2ステージは22日から始まり、最終戦が予定されている27日まで6連戦となります。