かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

「大丈夫」は大丈夫なのかそうでないのか?

2016-02-19 22:09:24 | Weblog
 今日もまた異様に暖かい一日でした。これで3日連続で春日和の2月ですが、明日の雨以降、また季節は冬に逆戻りするのだそうです。三寒四温とはいいますが、こうも変動幅が大きいのは、身体にも響いてきそうで大変です。

 さて、ネットニュースで、若者が使う「大丈夫」という用法がおかしい? という記事があったので読んでみました。内容は、我々のような年寄りが仕事の後、若手の部下を飲みに誘ったら断られたのだけれど、その返事が「大丈夫です」だったのが訳が判らない、というものでした。どうも、若者達は、何かにつけ断りを入れるのに、ダイレクトに言うのを嫌い、遠回しにぼやかして断るのだそうで、そういう意味での「大丈夫」なのだそうです。
 他に用例として、「領収書はいりますか?」と聞かれて断るのに、20代の7割が「大丈夫です」を使うそうです。ちなみに、60代以上だと約9割が「使わない」といいます。何かにつけ、ヒトとの対立を嫌い、婉曲に表現することで関係性を曖昧にするのが今の若者基質ということなのでしょう。
 もっとも、私自身は車通勤ですし、そもそも私の職場には帰りに同僚や上司、部下と飲みに行く、という文化はあまり無いので、そういう断られ方をする例はまずありませんが、さすがにこの「大丈夫です」には違和感を覚えました。きっと私のことですから、そのように答えられたら「何が大丈夫なのか? どう大丈夫なのか?」と根掘り葉掘り尋ね返して、若者から距離を取られる事になるのでしょう。
 このようなジェネレーションギャップは別に今に始まったことでなし、年寄りの言葉遣いが必ずしも日本語として正しい訳でもないでしょうから、この大丈夫もいずれ市民権を得るのかもしれませんが、私はこの話を聞いて、まるで平安時代の古典でも読んでいるような気分になりました。表立っての対立を嫌い、はっきりした言葉遣いを卑しいとして避けていた貴族社会の有り様は、裏側では血みどろの権謀術数と妬みや恨みが渦巻くおどろおどろしい世界でした。今の若者達がそうでないことを祈りたいものですが、さて、本音はいかばかりなものでしょうか?

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