かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

ガンの成長に関わる新たなターゲットが発見され、臨床研究も始まっているそうですが、その恩恵を受けるまで後何年かかるかが気になります。

2021-09-06 20:13:18 | Weblog
 今朝の奈良市の最低気温は20.8℃、最高気温は30.8℃、五條市の最低気温は19.9℃、最高気温は30℃でした。今日は昨日よりは雲が少なめで晴れ間も多かったように感じました。その割には気温が上がらないのは、秋雨前線が南に大きく下り、北の高気圧から冷えた秋の空気が送り込まれてくるからでしょう。日向にいても蒸し暑さを感じないところからしても、秋の気配が濃厚になっている感じがします。この上天気も明日までのようで、明後日には西から移動性の低気圧がやってきて、天気は下り坂になる模様です。これからは一雨ごとに秋らしさが増しそうなものですが、雨が去った後はまた少し気温が上がってくるようですので、やっぱりお彼岸までは天気の安定は望めないのかも知れません。

 さて、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学医学部生化学・分子生物学科のショウカット・デダー教授ら研究チームは、致死性の高いがんに対する新たな治療法の候補として、ガン細胞が成長する際に細胞を活性化させる因子「CAIX」という酵素を発見、この働きを阻害する化合物「SLC-0111」を特定し、現在フェーズ1臨床試験を実施しているとのことです。ガンは成長のための栄養源や酸素を血液から得ていますが、ガンの成長に血管の増設が間に合わない事などを原因として、貧栄養低酸素状態に陥り、その状態が長く続くと癌細胞の悪性化が進行し、転移するなど病状が深刻化していくとのことです。その際に活性化してガン細胞の餓死や窒息死を抑制しているのが酵素「CAIX」で、更にこの酵素は他の臓器へのガンの転移を促進する働きをするのだそうです。
 CAIXを阻害できればガン細胞の増殖を効果的に抑えることが可能となり、乳ガン、膵臓ガン、肺ガン、大腸ガン、前立腺ガンなどの致死率の高いガンの新たな治療法が見いだせるかもしれないと期待されています。
研究チームが見出したCAIX活性阻害化合物「SLC-0111」は、乳ガン、膵臓ガン、脳腫瘍のマウスを使った実験で効果を実証しており、現在臨床段階に入りつつあるとのことですが、残念ながらこの化合物は健康な細胞も攻撃するため、副作用の懸念もあります。
 今回、研究チームはCAIXが、フェロトーシス(鉄依存性細胞死)によるガン細胞の死滅を阻害していることも発見しており、CAIX阻害薬とフェロトーシス促進化合物を組み合わせることで、ガン細胞の壊滅的な死滅を引き起こし、腫瘍の成長が抑制できる可能性を示唆しました。ガンの克服へ向け大きな一歩を刻んだ研究と思われ、ようやくガンに対して期待が持てそうな話が出てくるようになりましたが、これが実用化に至るのはいつになるのか、更にそれが我が国に導入されるまでどれだけ待たねばならないか、あるいは他の抗癌研究の進展やいかに? というわけで、ガン克服までにはまだまだ実際には時間がかかりそうです。

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