シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ゴーンガール

2014-12-16 | シネマ か行

激しくネタバレしています。

予告編を見て面白そうだったし、ベンアフレックデヴィッドフィンチャー監督も気になるので見に行くことにしました。

結婚5周年の記念日に忽然と自宅から姿を消した妻エイミーロザムンドパイク。自宅のリビングに争ったような跡を見つけた夫ニック(アフレック)は警察に通報する。到着したボニー刑事キムディケンズはリビングの跡が明らかに偽装されたようであることに気付いてはいたものの、ニックに対して公平に捜査を進めていた。

始めは悲劇の夫として周辺住民やメディアから扱われていたニックだが、徐々にその目は嫌疑の目へと変化していく。

妻が失踪や殺害された場合"It's always the husband."と刑事ものでよく言われるように、夫が第一容疑者として見られるのが常である。果たしてニックはエイミーを殺害したのか?

現在の状況と並行して、エイミーとニックの関係が出会いからかいつまんで語られていく。誰もがうらやむような素敵な関係に見えた2人。ロマンティックな出会い、夫婦になってからも決して世間のマンネリ夫婦のような関係にならないでいようとする2人。こんな2人に一体何があったのか。誘拐や殺害をしないまでも現在のニックが双子の妹マーゴキャリークーンに話す口調から、どうもエイミーとニックはうまくいっていなかったように聞こえる。付き合って2年。結婚して5年。その7年の間に2人の関係にどう変化があったのか。

エイミー失踪の謎と世間のニックに対する目が変化していき、ニックにも何か隠し事がありそうだと思わせこいつもなかなかどうして怪しいのではと思っている前半部分のほうが面白かった。エイミー失踪の謎が分かり、それからまたどうなるの?という後半はつまらなくはないけど、前半ほどサスペンスフルではなかったかな。

エイミー失踪の謎そのものは予想の範囲内だったわけだけど、その失踪準備もそうだし、それが破たんしてからのエイミーの行動もあまりにも作り込まれ過ぎているなという感じがしました。エイミーがあそこまでのサイコパスだったってビックリだよねー。7年間も普通にしていたわけだし。ニックとの夫婦関係が自分が理想として思い描いていたものではなくなった途端にその本性が出たと考えればいいのかなと自分を納得させているのですが、それで合っているのかな。将来的にもそうだけど、ニックが自分の理想の夫であり続ける限り、エイミーは「普通の女性」を演じ続けていられるということでしょうか。

エイミーの計画が破たんしてからプランBに変更したわけだけど、そもそもプランAがうまくいっていたらエイミーは自殺して死体をあげ、ニックを死刑に追い込むつもりだったんだよね?となると、自殺してまでニックを陥れたかったエイミーはめちゃくちゃ怖いけど、エイミーをキレさせたのはニックの浮気現場を目撃したからであって、つまりニックへの愛は嘘ではない、というか愛ゆえにだったのか。。。いやーゆがみ過ぎた愛でそれも怖くはあるのだけど、自分でニックを殺すのではなく、自分を殺してニックを死刑に追い込むというところが女性のサイコらしい考え方だったのかもしれない。

最後まさしく囚われの身となってしまったニックはこれからどうなるんだろう。こえーなー。あの家庭に生まれてくる子供もどうなっちゃうんだろう。。。今度は本当にニックがエイミーを殺しちゃうんじゃないかと思うけどな。それも自分の子供の母親だからという理由で無理になってしまったということかな。

失踪した妻、悲劇の夫、その愛人なんかがテレビに出てべらべらと自分のことを話し、いっときスポットライトを浴びるっていうのはいかにもアメリカのワイドショーって感じだね。そして、視聴者もやたらと誰かに肩入れしたりしてね。

この映画のレビューを見ていると「女ってコワイ」っていう感想がよく上がっているのが不思議です。男の連続レイプ殺人犯とかの映画の感想で「男ってコワイ」なんてのは全然目にしないけど、女性のこういうキャラクターが登場する映画の感想には必ず「女ってコワイ」っていう感想が上がる。なんで?エイミーって超特殊なサイコパスだと思うけどなー。なんで女性だといっしょくたになるんだろ。女性と付き合うのがトラウマになるとまで書いている人がいるんだから。不思議だね。

ロザムンドパイクはこの作品で一気に脚光を浴びたでしょうね。ワタクシはニックの双子の妹を演じていたキャリークーンが気になりました。



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