シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

プルーフオブマイライフ

2015-02-09 | シネマ は行

公開時見たかったのに見ずにきていました。今回ケーブルテレビで見ました。

グウィネスパルトロージェイクギレンホールが顔を寄せ合っているポスターの先入観でべたべたの恋愛物語かと思っていたのですが、まったく違いました。

天才数学者の父ロバートアンソニーホプキンスが亡くなった。晩年精神を病んでいた彼を大学を中退して面倒を見ていた次女キャサリン(グウィネス)は、父が遺したノートを読ませてくれと家に来ていた父の教え子ハル(ギレンホール)が父のノートを勝手に持ち出したと疑いをかけもめてしまう。

葬儀のために姉クレアホープデイビスがニューヨークから里帰りしてくるが、自分を過剰に心配し押しつけがましい態度を取ってくる姉が疎ましくて仕方がない。キャサリンは父と同じ数学者で、自分も父と同じように精神を病んでしまうのではないかと常に不安に思っていて、姉もそれを心配しているようだ。

ハルとはもめたものの、実はキャサリンは以前からハルのことが気になっており、ハルもキャサリンにずっと好意を持っていて父の葬儀のあと2人は結ばれる。自分の精神に不安を持っていたキャサリンは、他人と親密になるのはほとんど初めてのようで、それは初々しい恋の始まりのようだった。

2人が結ばれた朝、キャサリンはずっと隠していた1冊のノートをハルに見せる。それは数学の歴史的な証明が書かれてあるノートで、天才であるロバートが遺したものだとハルは考えたが、キャサリンは自分が書いたものだと言う。それを信じないハルと姉のクレアとの間にまた亀裂が生じ、、、

お話としては単純で他に枝葉末節があるわけでもなく、終盤はこの証明を書いたのは一体誰なのかという話に終始するのだが、その真実が明かされていく過程で過去の父とキャサリンとの関係が時間をさかのぼってうまく描かれており、自分を父のように偉大な数学者だと認めてほしい一方でそれを認めてしまうと自分も父のように精神を病んでしまうのではないかという不安にさいなまれる複雑な心境をグウィネスパルトローが非常にうまく演じている。この人最近アメリカではまともに本業やってない人リストのナンバー1とかに選ばれたりしてるし、確かに作品の選択がちょっとふざけた方向に行ってるけど、こういう演技させたらうまいはずなんだよね。もうちょっとこういうシリアス路線も選んでほしいな。

そして、相手役のジェイクギレンホールも非常にうまかったと思う。彼も演技力は評価されているけど、この作品での彼はすごく自然でいままで見た中で一番うまいと思ったかも。

実年齢ではグウィネスがジェイクの8歳上なんだけど、27歳と26歳という役どころで特に違和感は感じなかった。

実際にこの証明を書いたのが誰なのかということが決定的に分かるシーンが非常に切なかったです。あ~、やっぱキャサリンが書いてたんだという安堵感とともに、精神を病んでしまった父を再確認することになる娘の辛さが一体となっていて、ジョンマッデン監督の演出が光るシーンでした。

上映時間100分でちょっとあっけなく終わってしまう印象もある作品ですが、素直な演出でワタクシは好きでした。



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