シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ファインディングドリー

2016-07-20 | シネマ は行

近所の映画館で字幕版がなかったので不本意でしたが吹替え版で鑑賞。少し前にテレビでやっていた前作をおさらいしてから行きました。(見るつもりなくテレビでたまたま見たんだけど、おさらいしてから行って良かったー)

前作から1年。前回の冒険ですっかり仲良くなったマーリン木梨憲武、ニモ菊地慶父子とドリー室井滋。ドリーもニモにくっついて小学校に行っているようなんだけど、小学生たちとのふとした会話から自分にもパパとママがいたことを思い出すドリー。パパとママに会いに行かなきゃ。マーリンもニモもドリーが心配で一緒に行くことに。

前作同様大海原を泳いで行って人間の世界である陸地でも冒険を繰り広げるわけだけれども、その陸地での冒険が前作をはるかに超える荒唐無稽っぷり。行きがかり上ドリーを助けることになったタコのハンク上川隆也の活躍が半端じゃない。いやーもうタコすげーわ。最後にはトラックまで運転しちゃうんだから。魚であるドリーを陸地で活動させるためにはタコという存在を思いついたのはすごいと思うけど、それにしてもちょっとやりすぎ…いくらピクサーでもな…とは思いつつ、、、

ニモはそもそも片方のヒレが小さくてそれでお父さんのマーリンはニモが普通の子みたいには色んなことができないと心配ばかりしていた。そこに現れたなんでもすぐに忘れちゃうドリー。今回はそこに目の悪いジンベイザメのデスティニー中村アン(彼女の吹き替えの演技が上手でした)頭を打ってエコーロケーションができなくなった白イルカのベイリー多田野曜平、人間の子供に脚を一本ちぎられたタコのハンクというふうに何らかの障がいを抱えたキャラクターがたくさん登場します。これだけ障がいを持ったキャラクターが登場するアニメというのも珍しいかもしれません。

みなが障がいを持ちながらも、それを克服しようと奮闘したり、それでもやっぱりできないことは友達の力を借りるっていうところがワタクシは好きでした。ただその個人が頑張って克服するっていうだけじゃなくて、できないことは助けを借りていいんだよっていうところがいいな。ドリーは明らかに脳に障がいがあって物事を覚えていられないけど、「こんにちは、私ドリー。何でもすぐに忘れちゃうの。助けてくれませんか?」と周りの人に助けを求めることを恐れていないし、それをカッコ悪いなんてまったく思っていない。「がんばる」「努力する」「克服する」ってよくあるメッセージだけど、「助けを求めていいんだよ」ってなかなかないメッセージで、とても良いメッセージだと思う。

そして、ドリーが助けを求めるだけじゃなくてマーリンやニモが困ったときに「ドリーならどうする?」というふうにドリーが瞬発的に考え過ぎずに物事を解決していく力があるっていうのもきちんと表現されていたのが良かったな。この「〇〇ならどうする?」(What would 〇〇 do?)っていうのはよくアメリカ人が使う発想ですね。

ドリーのパパとママがドリーがいつか貝殻を辿って自分たちの家を見つけられるようにと子供の時に教えた通り、貝殻を家の周りに並べていた風景はまるで幸せの黄色いハンカチのようで泣けました。

あとは単純に子供のときのドリーが可愛い!マーリンは相変わらず人面魚感がすごかったけど、ドリーは可愛いな。ワタクシも“可愛い物を見たら立ち止まってしまう人間”の一員です。そりゃラッコの抱っこなんてたまらんわな。全体的にCGの技術がまたまた前作より上がりまくってるので、波の映像なんて実写?って目をこすってしまうほど。

出番は少ないけどカメとかかもめとか前作に登場したキャラもちゃんと出てきたのが良かった。ギルもちゃんと登場するからエンドクレジットが終わっても最後まで劇場にいてね。

オマケ1純粋に楽しめた人もいたかもしれないけど、あの八代亜紀のくだりは必要なかったと思う。せっかくピクサーの世界にいるのに余計な演出だと思う。英語版ではシガニーウィーバーらしいんだけど、そっちも「シガニーウィーバーです」とか言ってるらしいから吹替え版のせいではないんですね。

オマケ2途中ひとつ腑に落ちなかったのが、マーリンを助ける鳥のベッキーと2頭のアシカに仲間外れにされている1頭がどちらも少し知的障がい者っぽい雰囲気で、周りに利用されたりいじめられたりしてるふうだったのが気になりました。あれは世間で障がい者があんなふうに扱われていることもあるという描写?と思ってしまうのは深読みし過ぎでしょうか?



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2 コメント

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Unknown (まいまい)
2016-07-26 08:20:45
子供たちと一緒に見てきました!高速道路の場面、私も「上手くいきすぎ!」なんて思ってしまいましたが、子供たちは純粋にドリーやニモたちを応援し、分かりやすいアクションが楽しかったようです。ドリーが水槽出身だったのは驚きでした!アシカのシーンは私も「イジメ?」と思ってしまいました。せっかくハンディキャップを抱えた仲間がお互いに助け合うストーリーなのに・・・縄張り意識とは説明がつかないやりとりに感じました。話は変わりますが、帰りの道中で子供たちと「なんでドリーはすぐ忘れちゃうんだろ」という話になりました。「ニモのヒレが片方小さい理由もはっきり言ってなかったよ」と。周りから見たら障がいかもしれないけれど、それが生まれ持ったものだとしたら、理由や原因なんてニモにもドリーにも必要ないのでは?ストーリーに障がいの詳しい理由は関係ないと思う、と中学生の娘の意見です。何かと理由をつけたがる私もハッとしてしまいました。映画を見終えて、冒頭「すぐに忘れちゃうの」と言えたベビードリーを抱きしめるパパとママのシーンが心に残りました。
まいまいさま (coky)
2016-07-28 14:21:26
コメントありがとうございます。

吹き替えで見たので子供たちが多かったのですが、ピクサーの他の作品に比べて子供たちの笑い声はあまり聞こえなかった気がします。子供たちは固唾を飲んでドリーたちを応援していたのかな。

中学生の娘さんの意見、その通りだと思います。
どうして彼らがそうなったのか?と周囲は考えがちだけど、本人たちにはそんなことは関係ないのでしょうね。

ベイビードリー、本当に可愛くてパパとママと一緒のシーンはどれも少しうるっときちゃいました。

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