これも公開してたっけかな~?という作品。ロバートデニーロ、ジェームズフランコ、フランシスマクドーマンドと渋いキャストなので見てみました。
ニューヨーク市警殺人課の敏腕刑事ビンセント(デニーロ)。離婚した妻との間にジョーイ(フランコ)という息子がいるが疎遠。アパートの上の階の女性ミシェル(マクドーマンド)とは交際1年目だが、完全に心を開いているわけではなかった。
彼の管轄のロングアイランドで麻薬の売人が殺されるという事件が起き、自分の息子ジョーイが容疑者として浮かび上がる。ジョーイは麻薬中毒で苦しんでいたがなかなか立ち直れず、麻薬のトラブルで行きがかり上売人を殺してしまった。
息子が本当に犯人ならば、きちんと償わせなければいけない。そう考えて息子を探すビンセントだったが、事件からは当然外されてしまう。相棒レッジジョージズンザが彼の代わりにジョーイ探しをしてくれていた。
ジョーイは自首するつもりはなくなんとかお金を作って、恋人ジーナエリザトゥシュックと赤ん坊と一緒にフロリダへ逃げようとする。
刑事ものですが、特にサスペンスとかアクションとかそういうものではなく、あくまでもビンセントとジョーイ、ビンセントとその父親、ビンセントとミシェル、ジョーイと恋人、その赤ん坊など人と人の絆を見せる作品です。
ビンセントはずっと疎遠だった父親としてジョーイに何をしてやれるかと考えるのですが、その大前提としてきちんとジョーイに償わせることというのがあるので、見ているこちらとしても安心してビンセントを応援できる。これがビンセントがなんとかジョーイを逃がそうとするような筋書だったら、オイオイと思わずにいられないから。
こういう人間ドラマなので、やはり大切なのは役者たちの演技ということになってくる。ロバートデニーロってこういう地味な演技のときでさえ、やっぱりうまいなぁと思わせるところがあるからすごいんですよね。彼は何度となく刑事という役柄をやっていると思うのですが、そのひとつひとつがそのキャラクターによって違うのだから本当に感服してしまいます。父親が貧しさから子供を誘拐してその子供を死なせてしまい、死刑になったというトラウマを抱えた役なのですが、それを彼女に話すときの演技が大げさになり過ぎずとても良いです。
ジェームズフランコはこういうフラフラした役が妙に似合いますね。普段からちょっと何を考えているか分からないような雰囲気があるから余計かもしれませんが。父親の愛情に飢えたジャンキーを自然に演じています。
この作品でもったいなかったのはフランシスマクドーマンドですね。デニーロ相手にはっきりと物を言える女性ということで、良いシーンもありますが、彼女を使うならもう少し関わりがあっても良かったかなぁと思います。ただの主人公の恋人ではもったいない女優さんです。市警での相棒くらいやってても良かったかも。
ロングアイランドの凋落というのを背景にしているのですが、そのあたりはニューヨーカーじゃないとピンと来ないかも。それ自体は分からなくてもストーリーには問題ありません。最後に犯人がバン!ってやられて終わりっていう作品が多い中、そうじゃないところもリアリティがあって良いと思いました。
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