シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ダークプレイス

2016-06-28 | シネマ た行

これも予告編を見て面白そうだと思って行きました。シャーリーズセロンってこういう暗い物語が好きだよねぇ。

8歳のときに家で母親クリスティナヘンドリクスと姉妹2人を殺されたリビー(セロン)。28年の時が過ぎ、世間の寄付だけで仕事もせずに生きてきたリビーの貯金もそろそろ底をつき始める。そんな時「殺人クラブ」という昔の未解決事件などを話し合ったり捜査したりするのが趣味のグループの会計係ライルニコラスホルトにお金をあげるから一度「殺人クラブ」の集まりに来てみんなの質問に答えてほしいと言われお金目的で参加することに。

当時リビーは15歳の兄ベンタイシェリダンが母と姉妹を殺したのだと証言し、彼女の証言が決定的となって兄は有罪判決を受ける。兄は控訴もせず服役しているが、「殺人クラブ」の面々は事件に不審な点があるとしてベンの無罪を信じている。リビーは兄は有罪だと主張するが、自分でもこの事件を調べることにする。

美しいシャーリーズは自分の風貌をわざわざ汚くして役を演じるのがよっぽど好きなようで、この作品でもだらしないTシャツに革ジャン、毎日同じ古臭いキャップをかぶっている。ま、それでも「モンスター」のときくらい変身しないと彼女の美しさは隠せない。この作品ではそんな格好はしていても顔は美人という設定みたいだったから違和感はありませんでしたが。それにしても現役の女優でここまでショートカットが似合う人って他に思いつかないなぁ。

もう一度事件のことを調べてみようと昔の関係者に会いに行くリビー。ここで少しずつ真相が分かってくるのですが、、、

現在と過去を行き来しながら事件の真相が知らされていくというよくあるパターンの構成です。色々な人に話を聞いてはいるけれども、当時の事実をなぞっているだけで証言によって過去が変わるというような羅生門的な展開ではないので徐々に少しワンパターンな感じになって来ました。

結局のところ、リビーは自分がベンの犯行を見てはいないということを一番知っているわけで、自分の証言が嘘にならないように控訴しなかったベンはやっぱり有罪なんだと思いこもうとしていたのかな。過去に実際に何があったのかというのはきちんと種明かしされるんだけど、じゃあどうしてリビーが嘘を言ったのかというところは説明しきれていなかった気がする。他の姉妹はそうでもなかったけど、リビーはベンと仲良かったみたいだったのになぜ?と疑問が湧いてしまう。ただ幼かったからという理由だけで良かったのかな。

実際に犯罪を犯したベンの恋人だったディアンドラクロエグレースモーリッツもまだ17歳で、ベンも15歳、嘘の証言をしたリビーが8歳と、子供が起こしてしまった悲劇というのが悲しいお話だったんだけど、ディアンドラっていう子がなんだか同情できないタイプの子だったのがちょっと惜しかったかな。ベンはディアンドラにぞっこんだったし、あれくらいの年ごろの子があーゆー女の子に夢中になってしまうのも仕方ないとは思うんだけどね。ベンの子供までみごもっちゃってたし。ドラッグやったり悪魔崇拝の真似事をしてみたりっていうのは若気の至りで殺人までしちゃうのはまた別の話だよね。ベンは心優しい子だったのに、やっぱりこういう年頃の恋って馬鹿なことさせちゃうんだよな。

いま現在のディアンドラが出てきて当時事件のあと生んだベンとの子供が登場するんだけど、この子がどう見ても28歳に見えなくて喋り方も19、20歳そこそこの感じで変だった。もっと慎重にキャスティングしてほしかったところ。

ベンがディアンドラと子供を守るために刑務所に入ったというのは納得できるんだけど、その真相が明かされるに至るまでがイマイチだったかな。ただ映像でそれを見せただけって感じがした。せっかく「殺人クラブ」という面白いグループを登場させたわりにリビーにこの事件をもう一度調べさせる動機になる以外はまったくと言っていいほど活躍しないのが残念でした。ディアンドラがベンの妹の一人を殺したたまたま同じ夜にお母さんがお金に困って「負債の天使」という借金に困った人を自殺に見せかけて殺す連続殺人犯に依頼をしたんだという事実も電話であっさりとリビーに告げられるだけで「殺人クラブ」の存在感が薄過ぎた。

晴れてベンの無罪が証明されてリビーの人生もここから始まるみたいな感じで終わっていたけど、36歳までろくに働いたこともない彼女がこれからどうやって食っていくんだろ、ってのは余計な詮索か。

もう少し面白い構成にできそうな作品だっただけに少し惜しい出来でした。事の真相に終始するよりもう少しベンとリビーの関係やそれぞれの心の奥を見せたほうが良かったかも。ワタクシはシャーリーズセロンが好きなので最後まで緊張感を持って見ることはできました。



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