シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

チャーリーウィルソンズウォー

2008-06-04 | シネマ た行
最後の一行のセリフのために2時間がある、というのは映画としてはワタクシはOKだと思う。この作品がそれだ。あの最後の一行のセリフがなければ、マイクニコルズともあろう人がこんな作品をどうして作ったのかと思っちゃう。あれがなかったら、全編アメリカバンザイで「いまどき、こんな映画」って本気でビックリしていたところだ。

とは言え、あの一行だけに救われるには、ちょっとそこにつながる2時間が救いきれない作りになっている気がする。内容的には事実を基にしているから、ある程度仕方ないと思うんだけど、物語の運びの悪さとか、人と人との関係の説明を希薄に済ませたところがあんまり良くなかったような気がする。チャーリーウィルソン議員トムハンクスと大富豪のジョアンジュリアロバーツの関係とか、ジョアンの背景とかもうちょっと説明して欲しかったな。

アフガニスタンに侵攻したソ連軍を撤退させるためにアメリカは湯水のようにお金を使っていくわけだけれども、戦況がどんどん良くなっているのは分かるんだけど、その辺をもう少しテンポ良く運んでくれればもう少し痛快な感じも出て、どうせ自虐的な映画にするなら、もう少し派手な演出にしても良かったんじゃないかなーと思う。チャーリーウィルソン議員のキャラクターも不真面目な人が一念発起して紛争を止めるってことにはなってるけど、なんか不真面目なところもあるけど、最初から真面目な部分は真面目って感じがしたし、特に彼のキャラが面白いって感じもしなかった。まぁ、それは本当の彼がそうなら仕方ないけど…

キャストの中で良かったのは、CIAのガストを演じたフィリップシーモアホフマンだけだった。彼はやっぱりどこにいても素晴らしいなぁ。このガストの役なんて対して役作りなんかなさそうな感じだけど、普段の彼とは全然違うんだもんなぁ。対して役作りなんかしてなさそうに見えるところがまた彼のすごさなんだろうなぁと思う。

ちょっと救いきるには、デキが良くない作品だったけど、最後の一行があってワタクシはホッとした。とにかく、アメリカ賞賛映画じゃなくて良かったそれにしても、戦争のためにはジャンジャカジャンジャカお金を出す政治家も学校建設のためにはビタ一文出さないってね、それもそれで典型的だけど、あのときアメリカが学校建設をしていたら、どうなっていたんだろう?反米意識の高いイスラム原理主義は育たなかっただろうけど、その代わりアメリカバンザイ国が誕生していたんだろうか?戦後のGHQと同じ?それはそれで怖いような…


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