
公開前から楽しみにしていた作品です。スカーレットヨハンソンだし、ナタリーポートマンだし。二人とも、最近別の作品を記事にしたばかりです。こういう歴史物も好きだし。日本の歴史は苦手なんですが、西洋の歴史物は好きです。
さて、このお話。イングランドにゴールデンエイジをもたらしたエリザベス1世のお母さんたちのお話です。と言っても、史実を変更してよりメロドラマチックにしてあるようです。
男の子の世継ぎが生まれない国王ヘンリー8世エリックバナは、愛人に男の子を生ませようと考える。そこで、ブーリン家の父マークライランスと妻クリスティンスコットトーマスの弟トーマスハワードデイヴィッドモリッシーは長女のアン(ナタリーポートマン)を差し出すことに。ところが、国王が気に入ったのはいまいちパッとしない妹のメアリー(スカーレットヨハンソン)。しかも彼女は結婚しているというのに、その夫まで適当に職をつけて宮廷に呼び出し、メアリーを愛人として迎えます。結果、メアリーはご懐妊。男の子を生みますが、妊娠中に国王は姉のアンにすっかりお熱。生まれた男の子にも興味を示しません。男の子が欲しくてたまらんかったんと違うんかーっ!?アンはメアリーのように愛人になって捨てられるのは真っ平ゴメンとばかりに国王を王妃を追い出すようそそのかす。
お姉ちゃんのアンはなかなかの策略家。王妃になれるその日まで簡単に体を許したりいたしません。ところが策略家とは言え、やはりまだまだ若い女の子。じらされ続けた男の怖さをちぃとばかり甘く見ていた。国王の愛情はアンへの憎悪へと変わり、アンは男の子も生めず、流産したことも告げれず挙句の果てにどこまでトチ狂ったか流産を隠すために弟ジムスタージェスを使って国王に知られずにもう一度妊娠しようとまで画策する。しかしそれがバレて斬首刑になってしまう。
それにしてもなー、まぁそういう時代であったとはいえよ、国王ってすごいよねー。結婚してる女の人まで、「余はあの娘が気に入った。なに?夫がいる?夫に宮廷内の職を与えて夫婦ともども呼び寄せよ」と言い、その女性に「今夜だ」とさえ言えば、スカヨハがベッドにデリバリーされてきちゃうんだからねー。そして、「余はスカヨハには飽きた」と言えば、次にナタポトを妃にできちゃうんだよー。はぁーうらやましいったらありゃしないでしょ?なぁんて庶民の叫びはおいといてと。
困ったことに妹のメアリーは本当に国王に惚れちゃうんだよね。まぁ結婚していたとはいってもそれは家同士が決めた結婚だったわけだし、国王に優しくされてほだされるのも無理はない。しかし、妊娠中にその愛した国王を実の姉に取られちゃうんだから、こんなツライことはなかったはず。でもね、お姉ちゃんがピンチになったときには必ず助けにやってきたんだよね。「アンは自分の分身だから」って。こんなけなげなスカヨハちゃんにちょっと涙ぐんでしまいましたよ。
普通で考えれば純真な女性にナタリー、策略家にスカーレットって感じもしなくもないけど、二人とも演技がうまいもんだから、この配役でまったく違和感なし。
それからこのヘンリー8世ってすごいよね。アンにそそのかされたのかどうか史実は分かんないけど、アンと結婚するために妃と別れるためローマ教会と訣別しちゃうんだから。それだけアンを好きだったのか、意地だったのか。演じるエリックバナはなんだかナサケナサ全開で良かったんじゃないでしょうかね。彼なら、「ハイ!スカヨハ!次!ナタポト!」って言ってもちょっと許されちゃう感じするし。
一番かわいそうだったのは近親相姦の疑いをかけられて処刑された弟くんだね。実際には本当にヤッっちゃってたっていう記述もあるけど。まぁそんなおかしなことまでやっちゃうほどのお世継ぎ騒動だったってことなのかな。
妃を処刑するほどのお世継ぎ騒動を繰り広げたヘンリー8世の治世だったのですが、ヘンリー8世の息子を挟んでその後女性が王位を継ぎ、ブラッディメアリーで有名なメアリー1世のあと、アンブーリンの娘エリザベスが45年間もイギリスを治めた。幼いころのエリザベスちゃんのアップで終わる本作を見ると続けてケイトブランシェットの「エリザベス」が見たくなりますヨ。
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