公開の随分前から見に行くと決めていた作品です。「ロミオとジュリエット」以来レオナルドディカプリオがバズラーマン監督と組んで、あのギャッツビーをやるというのですから当然興味がありました。
「華麗なるギャッツビー」と言えばレッドフォードのイメージが強くてディカプリオはちょっと線が太すぎるかなぁと思ったけど、ワタクシは原作を読んだことがないので単にレッドフォードと比べてというだけです。
あの「ロミオとジュリエット」「ムーランルージュ」を作ったバズラーマンが監督するのですから、ギャッツビーがただの20年代の文学作品を映画化したものになるわけはないことは分かっていたのですが、やはり映像、音楽、衣装ともにとても大胆な演出で特に音楽は本当にバズラーマン印といった感じで1920年代のジャズと現代のラップを融合させてJay-Z、ビヨンセ、will.i.am、フローレンスアンドザマシーン他現代を代表するシンガーを集結させています。サントラ買っちゃったよ。
お話自体はまぁレッドフォードので概要は知っていたので、なんとも感想としては書きにくいなぁ。デイジーキャリーマリガンを想い続けたギャッツビーの一途な恋心と2人の悲恋が中心なわけだけれども、なんせ、デイジーが当時の良家のお嬢様ということで仕方ないんだろうけど、甘ったれで都合が良い女なので、ギャッツビーの想いも行動も空回りでどうにもすっきりしない。デイジーが結婚したトムジョエルエドガートンは浮気しまくってて鼻持ちならない奴なんだけど、結局ズルいデイジーはトムを選んじゃうわけだし…ギャッツビーの人生はすべてがデイジーのためだったから最後はデイジーをかばって死ぬ(と本人は思っている)形になってある意味では本望だったのかも。
これは1920年代のニューヨークという空気感が分かればもっと理解できる物語なのかなと想像してみたりしています。原作を読めばその辺もっとよく分かるのかなぁ?話の筋としては「アメリカ文学最高の小説のひとつ」って言われるほどか?と思ってしまうのですが、読めばまた違うのかもしれません。
デイジーを演じたキャリーマリガンは、前半ギャッツビーの想い人として登場するあたりでは、なんだかイマイチだなぁなんて思ったのだけど、後半にいくにつれて非常に流されやすい側面を見せ始めるあたりから、ピタッとイメージと合ってきた。「女の子は美しきおバカさんが一番」彼女はそう考えて生きている。そんなイメージにキャリーマリガンはぴったりだったんだろうな。“美しきおバカさん”一見弱そうなデイジーはそれを演じきれるほどに強かな女なのかもしれない。
ディカプリオはなぁ…どうなんだろう?ワタクシ、彼のファンなので彼の作品は全部見ているんですが、今回そんなに良かったかなぁ?物語の前半20分くらい、なかなか登場しなくって引っ張りまくったあげく“類まれな微笑み”で登場するんだけど、あれってそんなに良いシーンだったかなぁ。花火とか上がっちゃってワタクシはちょっと笑っちゃった。
あと、これは完全に好みの問題なんだけど、ニックを演じたトビーマグワイアの声ってあまり好きじゃないんですよねー。彼って他の作品でもなぜだかナレーション的な役割が結構あるような気がするんですけど、鼻にかかったあの声で2時間半ナレーションされるのはちょっとつらい。
ギャッツビーとデイジーがニックの家で対面するシーンはちょっとコミカルに作ってあってそれもバズラーマンっぽいなぁって感じだった。あそこは笑っていいシーンだよね?
パーティのシーンとかギャッツビーがシャツをばら撒くシーンとかクラッシックカーをぶっ飛ばすシーンとか視覚的に楽しいシーンはたくさんありました。衣装も細部にいたるまで凝っていてそれを見に行くだけでも価値はあるかも。ただちょっと142分は長すぎるかな。
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