
ケーブルテレビで放映していたので見ました。最近あまり古い作品は見ないようになってきていたんですが、ジョントラとデンゼルワシントンの「サブウェイ123激突」という作品の元になった作品ということで見てみることにしました。1974年の作品です。
「サブウェイ123激突」のほうはわりとシリアスな感じで監督がトニースコットということもあってスピーディな作品でしたが、こちらの元ネタのほうは40年前の作品だからか、どこかユーモラスな雰囲気の漂うウォルターマッソーが主演だからか、どこかゆったりとした感じがします。
ニューヨークの地下鉄を4人の男がハイジャック。地下鉄公安警察のガーバー(マッソー)がリーダーの男・ミスターブルーロバートショウと交渉に当たる。犯人は100万ドルを1時間以内に用意しないと乗客を一分につき一人ずつ殺すと言う。
犯人はリーダーのミスターブルー以下全員をお互いに色の名前で呼び合っている。血の気の多いミスターグレイヘクターエリゾンド、くしゃみばかりしているミスターグリーンマーティンバルサム、リーダーの次に冷静なミスターブラウンアールヒンドマンだ。タランティーノが「レザボアドッグス」で使った色のコード名はここから来ているのかな?
1時間で100万ドルを用意できるのか?っていうのがハラハラドキドキってとこなんでしょうけど、なんせ40年前の作品なので、現代的なスリルに慣れているとそんなにめちゃくちゃハラハラするってことはないです。それでも、退屈ってことはありませんね。ロバートショウとウォルターマッソーのやりとりを見ているだけでも。現金を運んでくるパトカーと白バイが事故っちゃうところが一番のアクションシーンかな。あれはなかなか良かった。
血の気の多いマフィア崩れをいまやダンディーなイメージのヘクターエリゾンドが演じているのが面白かったなぁ。当時38歳だったんですね。すでに完全にハゲていて何歳!?って思ったけど。
犯人グループが無事にお金を受け取って逃亡しようとするところで、狙撃されるシーンは結構渋くて好きでした。なんかあっけないけど、いまの映画だとあそこが一番の見せ場になってしつこく犯人と捕まえる側がやりとりするところなんでしょうけど、あえてここはあっさり終わらせて、一人逃げおおせたミスターグリーンの捜索にスポットが当たるというのが逆に新鮮でした。
このブログで何度か書いていると思うのですが、ラストの一言、ラストのワンシーンのために存在する映画というのがあると思うのですが、この作品がまさにそれでした。地下鉄がジャックされるというシチュエーションの作品がまさか最後のシーンのために存在するとは夢にも思わなかったのですが、犯人グループの一人が地下鉄を運転できたことから元運転士のミスターグリーンにたどり着いたガーバー。一通りアパートを調べますが、ベッドの下に隠した現金には気が付かない。「ご協力どうも」とアパートを去ろうとした次の瞬間「ハックション!!!」今日一日中聞きなれたクシャミ。一度は閉めかけたアパートのドアをもう一度開けて“お前だな”とばかりに上目使いにミスターグリーンをぎろっと見つめるガーバー・ウォルターマッソーのあの目つき。ああああ、この表情を見るために今までの全部のシーンがあったんだー!と思いました。あのラストで星ひとつ確実に増えます。
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