シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

プレイ~獲物

2012-07-10 | シネマ は行

題名だけ聞くとなんかエロい映画か?と思っていたんですけど、予告を見たら面白そうだったので見に行きました。「プレイ」というのは「play」ではなくて「prey」で狩りの獲物とかそういう意味があります。原題はフランス語で「La Proie」ですが、これもフランス語で同じ意味でしょう。

銀行強盗で服役中のフランクアドリアンアルベールデュポンテルは冤罪で収監されていた同房のモレルステファンデバクが疑いが晴れて釈放されるときに妻と娘の面倒を見てくれるように頼む。しかしその後フランクに面会に来たカレガセルジオロペスという憲兵がやはりモレルは若い娘を狙う連続殺人鬼だと言う。妻子の安否を心配したフランクは脱獄。クレールリンネ刑事アリスタグリオーニがフランクの後を追う。

モレルは過去に犯した犯罪の証拠を巧みに利用し、フランクが連続殺人犯だと思われるように仕向け、自分はフランクの妻を殺害し、フランクの強盗したお金を盗み、娘を誘拐して子供を欲しがっている妻クリスティーヌナターシャレニエに与える。

リンネ刑事はフランクを追いつつも、フランクが連続殺人犯だとは信じられずにいた。フランクは何か事情があって脱獄したのだと考える。

モレルをフランクが追い、フランクをリンネ刑事が追う。という逃走劇。このフランクを演じるアルベールディポンテルがすごい。1964年生まれだから48歳で筋肉ムキムキでモレルを追いつつ、リンネから逃げつつなので、もう劇中走る走る。ビルから飛び降りるわ、電車の屋根に飛び移るわ、そしてそこからまた飛び降りるわ。このおっさんやりよんなぁって感じです。それもすべては誘拐された娘のため。銀行強盗はどういう事情があってやったのか語られないけど、妻と娘を深く愛している様子のフランクを犯罪者と分かっていても応援してしまいます。

そして、このモレルって奴がすごく気持ちが悪いんですけど、それより何が気持ち悪いってこのモレルの奥さん。自分の夫が若い娘ばかりを狙う殺人鬼だと知った上で結婚生活を続けています。それどころか被害者を捕まえるのを手伝ったりしているし、子供をさらってきても自分の娘として育てようとしています。この奥さんにいったい何があったのか、ここまでしてモレルの愛情をつなぎ留めておきたいのはどういうことなのか、そっちのほうにすごく興味が湧いてしまいました。

まー、お話のほうは単純ですが、見ている最中はなかなか楽しむことができました。この女性刑事もなかなかカッコ良かったし。最後にフランクがまんまと逃げきったのもおとぎ話ではありますが、こういう物語ならこういう結末もアリだなと思ったし、むしろフランクが最後に死んじゃうよりはずっと良かったと思いました。

オマケこの映画の映像を利用して映画館のマナー注意のCMが作られていたのですが、主人公がとにかく走り続けるシーンを使って「映画館では走らない!」って言ってたのが面白かったです。


「映画」もいいけど「犬」も好き。という方はこちらもヨロシクです。我が家の犬日記「トラが3びき。+ぶち。」