シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ドライヴ

2012-04-06 | シネマ た行

ただの偶然ですが、2日連続でライアンゴスリングの主演作を見てきました。

かたや頭脳明晰でホワイトハウスに上り詰めようかという若者、かたや過去も素性もまったく分からない犯罪に手を染める寡黙な男。正反対と言ってもいいライアンゴスリングが見られた。

この作品で彼が演じる男は昼間は車の修理工でバイト映画の運転スタントマンをやっており抜群のドライヴテクを持ち、夜は強盗の運転手を引き受ける男。彼がどこから来たのか、どういう過去を持っているのか観客には一切知らされない。それどころか、彼には名前すらない。

そういう男が隣人に好意を持った。旦那スタンダードオスカーアイザックが刑務所に入っているアイリーンキャリーマリガン。好意を持ったと言ってもアイリーンの子どもと3人でドライヴに出かけたりするだけで、特に愛人関係になったとかそういうことではないようだった。そしてスタンダードが出所してくる。

スタンダードは刑務所にいたときに借金をしており、それを返すようチンピラから“仕事”を持ちかけられる。質屋の強盗だ。それをしないと家族に危害が及ぶと恐れるスタンダードを主人公の男はアイリーンへの愛から助けてやることにする。

しかし、それはワナでスタンダードは射殺され、盗んだ金を狙いにマフィアが追いかけてきた。そのマフィアを逆に殺してしまったこの男。

この時点で彼が抜群のドライヴテクニックを持っているということは観客には分かっているが、まさかこんなに腕っぷしも強いとは思わなかった。この男、本当に一体何者?

一度も肉体関係にもなっていない、愛を告白したこともない女性のために自分の命まで賭けて危険な橋を渡るというめちゃくちゃハードボイルドな展開。無口なライアンゴスリングにシビれる部分は大いにあるが、そこがちょっとイライラするポイントでもあったりして…

でも、それがこの男だからと思って見ていると、この愛する女性アイリーンの元にもマフィアがやってきて、そのマフィアを殺す彼が非常に怖い。アイリーンの前であそこまで残虐になれてしまう男。アイリーンと彼女の子どもに対しては非常に優しく、3人でどこか遠くで新しくやり直そうと言われてほんのちょっとそんな気にもなっていたかもしれないアイリーンだけど、多分あのシーンを目の前で見てかなり引いちゃったんじゃないかな?あそこから、ワタクシもちょっと彼を見る目が変わってしまいました。彼はただの寡黙で不器用な男ではなく狂気の男に変わってしまいました。あの時点でアイリーンとの将来はなくなり破滅に向かうしかなかったのがちょっと悲しかった。

インディーズの匂いがぷんっぷんする作品でした。玄人好みの作品とでも言いましょうか。ワタクシはまぁ悪くはないけどねぇ、くらいかな。アイリーン役がキャリーマリガンだったので、あんなおさなカワイイ顔してて、なんで犯罪に手を染めるような男ばっか好きになるのかと余計なことを考えてしまいました。


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