今回のグルメの特徴はやたらと麺類が多かったこと、そしてアルコールの摂酒量が少なかったことです。
特に意識をしたわけではない結果的にではあるのですが、ちょっとバランスが悪かったかなと反省をしています。
しかし各々は珍しいものあり、美味なものがありと、なかなかに楽しませてもらいました。
博多と言えばまずはとんこつラーメンで、しかも屋台です。
フェリーの出航までは3時間以上もあったのですが有名どころですとかなり待たされることもあるでしょうし、それであれば博多駅から博多港に向かって歩いて行けばどこかで見つかるだろうと高をくくっていたのですが、石を投げれば屋台にぶつかるなんて状況ではないことを思い知らされました。
かなり焦ったところでようやくに見つけたときにはホッとしましたし、対馬に向かうための腹ごしらえにはピッタリの一杯です。
ストレートの細麺にチャーシュー、ネギ、キクラゲ、紅ショウガ、かつお節の粉で、おそらくは一般的な感じではないかと思います。
もっと濃厚なスープを想像していたのですが意外なぐらいにあっさりで、酒を飲んだ後にはこれぐらいがいいのかもしれません。
対馬での昼食はいり焼きとろくべーで、いり焼き定食にろくべーを単品でつけて食べました。
やはり郷土料理は手が出せるのであれば出し切るのが身上ですので、多少の無理は承知の上です。
いり焼きは言うなれば寄せ鍋ですが、薄い塩味のだし汁がちょっと自分には物足りなかったのが正直なところで、できればポン酢が欲しかったです。
ろくべえは一見するとたぬきそばですが、太く短い麺はさつまいもが原料です。
ぷりぷりした食感は不思議な感じですがこちらも薄味のだしが今ひとつで、素材の味が分かるためだとは思うのですがぐっとくるものがありませんでした。
昼食から2時間ぐらいしか経っていなかったのですが、これはどうしても食べたかったので特攻をした対州そばです。
そばは朝鮮から対馬を経由して日本に入ったと言われており、ここ対馬では原種に近いそば粉で麺を打っています。
ただやや細麺かなと思ったぐらいでこれといった味でもなく、これでは三択問題でも選べる自信はありません。
厳原港の近くて食べられるのはこの店だけですので選択の余地はないのですあ、他で食べ比べをしたいぐらいのインパクトの無さでした。
ここのところは焼酎が多かったのですが、博多までくると焼酎よりも日本酒の方が種類があります。
白糸は福岡の清酒で、辛い酒を選んだつもりがほのかな甘さがあったのが誤算と言えば誤算だったのですが、やはり日本酒は日本人の心に響きます。
ただ鍋物を頼んだので二杯目からはビールとしたため、いろいろな銘柄を楽しむことができなかったのが心残りではありました。
博多の鍋と言えば世間的にはもつ鍋なのでしょうが、もつが苦手な自分が選んだのは博多水炊きです。
これで一人前なのかと驚くような鶏肉は4種類の部位が用意をされており、ポン酢で美味しくいただくことができました。
地鶏なのか歯ごたえはありながらも固いわけではなく、鶏肉好きにはたまりません。
そして最後は当たり前のように雑炊にしたのですが、これまた茶碗二杯分のごはんが出てきたときには茫然自失で、申し訳ないのですが残してしまいました。
まさか水炊きがこんなにボリュームがあるとは思っていなかったために、別に頼んでしまったのが手作り焼き餃子と博多手羽唐です。
いずれも博多の名物との営業トークに乗せられたところはあったのですが、実際にそうかは分かりません。
餃子は一口サイズのものが円形になっており、ちょっとニンニクが強いかなといった感じです。
手羽唐もパリパリとした皮が印象的でしたが、東京や千葉で食べるのとの差は見いだせませんでした。
二日目の昼は100キロ走で店を探している余裕はなかったために、コンビニで買ったパンで飢えを凌ぎました。
それならば夜は豪勢にと思ったものの店を探す気力がなく、あっさりと目についたラーメン屋に吸い寄せられての二杯目です。
その豪華さは味玉チャーシューメンに博多一口焼餃子という黄金コンビでごまかしたのですが、ちょっと寂しくもあります。
やはり思っていたような濃厚さがないあっさり系で、テーブルにタレが置いてあって好みに合わせて入れるのがお約束のようでしたが、愚直にそのまま食べきりました。
餃子も前日のものとさして変わらずにニンニクが強烈で、これは昼に食べるのは厳しそうです。
かなり手抜きの二日目でしたのでネジを巻き直すべく、三日目の昼は柳川でのせいろ蒸しです。
四十有余年の人生での初体験のせいろ蒸しは、しかしこれは好き嫌いが分かれそうです。
蒸していることからタレのかかったご飯が餅米のようになってしまい、このもっちり感が自分としては鰻に合いませんでした。
柳川鍋とどちらにするかを迷った挙げ句のチョイスが正解だったかどうか、次の機会に確かめたいと思います。
肝心の鰻は蒲焼きにしたものを蒸すという二段工法ですが、ふわっとした感じがあってこれは美味しかったです。
最後は久留米での久留米ラーメンです。
博多ラーメンの元祖とも言われているようですが、確かに自分には見分ける自信がありません。
その差はちょっと臭みがあったのと海苔があるぐらいでしかなく、いずれにせよ喉ごしのいいストレートな細麺が好みになりました。
それにしても関東のとんこつラーメンはなんであんなに濃厚なのかと、そう思わせたやはりシンプルな久留米ラーメンでした。
【2012年7月 福岡の旅】
ボーダーレスな対馬
ボーダーレスな対馬 旅程篇
ボーダーレスな対馬 旅情篇
ボーダーレスな対馬 史跡巡り篇 対馬の巻
ボーダーレスな対馬 史跡巡り篇 福岡の巻
ボーダーレスな対馬 史跡巡り篇 柳川、久留米の巻
ボーダーレスな対馬 スイーツ篇
ボーダーレスな対馬 おみやげ篇
私は軟弱な経営工学でした、当時はちょっとしたブームだったので(笑)
酒は嗜む程度なのですが、旅先ともなると話は違ってきます。
やはり美味しい料理には美味しいお酒、美味しいお酒には美味しい料理です。
いりやきはちょっと味気ないと感じたのは体が疲れていて濃いものを求めていたからかもしれません。
ただ薄味だっただけに、逆に素材の味を楽しむことができました。
旅行先の宿では必ずこちらでは目にできない地元の地酒を頂きますし、そこでしか手に入らないな原酒などあったら即買いです!昨日までの新潟・福島旅行ではたんまりとお腹周りに仕込んできました。いよいよ”ひやおろし”の季節ですね。食べ物もおいしいし罪な季節ですよ。
ちなみに大学は応用微生物学を専攻しましたので、”しょうがなく”お酒に携わる機会も多々ありました・・・ 学べば学ぶほど日本の発酵技術は芸術的ですよ。日本酒の開放系での発酵法などは世界に類を見ないものではないでしょうか?
いりやき、私が叔父の家で頂いたものは甘めの醤油味でした。薄口のすき焼きみたいな印象でしたが、やはり店や家庭でその味付けは違うものなのですね。いまいちお口に合わなかったようで残念です。
蔵元などは伝統を大切にしているとも聞きますので、そういった気象環境も味わいの一つなのでしょう。
その地にあった酒を飲む、これも旅の楽しみの一つです。
その楽しみを奪われないよう地球が壊れないことを願いたいのですが、なかなかに難しいです・・・
それにしてもお詳しいですね、呑兵衛さんでしょうか(笑)
福岡も直方あたりに行くと豚骨が臭くって濃厚なスープになったりします。そして屋台にしても博多と長浜でまったく傾向が違いますし、屋台によっても味付けや志向が変わったり。好みの店を探すのも一つの楽しみかもしれません。長崎でいえばちゃんぽんですが、やはり店や地域によって味付けが大きく異なりますし。
ちなみに日本酒ですが、”美少年”などが有名な熊本県が南限といわれています。これは米の問題ではなく、年間平均気温の問題なんですね。
日本酒と焼酎を醸す菌はまったく別物なんですが、それらが生育するのに適する気温がちょうど熊本あたりで分かれるのです。今でこそ温度のコントロールは機械化で容易かもしれませんが、醸造という産業は伝統的な産業ですので内容を変えたり蔵を移動したりっていうことはほとんど行われないんですね。ちなみに沖縄で飲まれている泡盛を醸す麹はさらに別の南方系の菌です。ここまで多様な菌を使った多様なアルコール飲料がある国も珍しいのではないでしょうか?
ちなみに長崎の壱岐は土地が痩せていて作物が多く取れず、また麦などは租税として地元に残らなかったため、そばを使った焼酎造りが伝統として根付きました。同様に島原ではジャガイモを使った焼酎。九州は食べ物同様、酒に関しても多様性がきわめて大きいですね。
ここ近年、温度上昇が叫ばれていますが、将来、九州では日本酒が醸造できなくなるかもしれません。さらに言えば今は新潟や南東北あたりが日本酒醸造の本場とされていますが、近い将来、それが北東北、北海道あたりにまで移ってしまうかもしれません。
お、そんなものですか。
(1)さらさらしてました
(2)2店目は味玉を除けばチャーシューとネギだけでした
(3)屋台は400円でした
てなところからして、とんこつラーメンの王道をいったのかも(笑)
久留米ラーメンの方が野性的とは、あの臭みでしょうかね。
自分はドロドロと言うよりは濃厚なイメージがあっただけに、あれっと思ってしまいました。
>ちゃさん
貧乏性なので、出されたものは全部食べます。
前回のわた酢なんかは普段であれば絶対に手を出さないのですが、しっかりと食べました。
これまで旅先で残したのは、函館のかに雑炊と今回の博多水炊きの締めの雑炊ぐらいだと思います。
いやいや、一人前の締めの雑炊で茶碗二杯分も出すかよ・・・
ちなみにお菓子は全て単品買いで、箱買いを全部食べたら糖尿病です(笑)
成瀬の特集、見たかったです。
あの日はちょろっと書いたとおり、帰れませんでした。
指先とボールの回転へのこだわりは、以前からよく言われています。
オールスターなどで藤川とよく話をしているそうです。
ただやはりあのデビューがセンセーショナルだっただけに、体型などは結果が伴えばどうでもいいのですが、伸び悩んでいる感は否めません。
その殻を破る絶好のチャンスですので、攝津と2勝の差は厳しいですが諦めずに最多勝を狙ってもらいましょう。
>在外Mファンさん
鹿児島や熊本が焼酎なのは米が穫れないことが理由のようですので、博多あたりはまた事情が違うのではないかと思います。
しかし辛い酒、ないですねぇ・・・
>マイヤーさん
昨今の健康ブームが影響をしているのかしら。
あの濃厚なスープを全部飲んだら、そりゃ大変なことになりそうです。
どうやら他の方からのご指摘もあるとおり、関東の人間が知っているとんこつラーメンと本場博多のそれとは別物のようですね。
食は奥が深いです。
>パンテーラさん
そもそも実はあんまり普段はラーメンは食べない(笑)
最近は旅先ぐらいですかね、どうもラーメンで800円とか900円とかが自分の金銭感覚に合わないというのもあります。
小学生の時には毎月15日だったか、100円ラーメンを食べるためにわざわざ行ったことを覚えています。
旅先ではいろいろなものを食べていますが、これは金銭感覚が麻痺しているからこそです・・・
旅のエンゲル係数、高いっす。
でもおそらく毎日食べるには良かったのかもしれません。
旅先での刺激にしては、あっさり、さらさら過ぎました。
確かに福岡のラーメンはこってり、どろどろとは真逆で、あっさり、サラサラでした。
一風堂に行かれたようですが、大名本店ですか?
大名本店でしか食べられない味がありますよ。
一度食してみてください。
日本そばは中洲のアクロス福岡の近くに、東京よりおいしい日本蕎麦屋があります。
もう潰れたかな?
みんなあっさりへと方向転換するか潰れるかしてしまいました。
博多の店もあっさりになってきているのかも知れませんね。
東京の今の博多ラーメンはスープ表面の脂は濃いけどスープ自体はあっさりな店が多い気がします。
本場の博多ラーメンはそんなにこってりしていない、博多は日本酒も多い、この2点がやや意外でした。東京あたりの博多ラーメンは、豚骨スープである事をやや大袈裟にアレンジしてアピールしているんでしょうかね?
熊本ラーメンの方がむしろ濃厚なのかも知れません。麺も太麺ですね。
実は九州には何かと縁が有る(おやじは熊本出身ですし)のですが、博多は残念ながらいつも時間が無かったりして通過するばっかりで。一度、ゆっくり訪れてみたいものです。
そう言えば(話題が飛躍し過ぎですが)、先日のNHKの成瀬特集、とても興味深く見たのですが、あの指先の感覚に対する拘りに彼のプロ意識を垣間見つつも、“アスリートの魂”というタイトルを裏切っていたのは“入浴シーン”でした。愚妻が「あのおなか、お父さんと変わらないんじゃない?」って…。
あの07年の大ブレークのイメージが忘れられない私にとって、局所局所の凄みは感じつつも、やはり毎年彼には物足りない感を払拭できないのは、ほんとに身体を絞りきってるのかな、っていうことです。この前の番組で初めて高校時代の動画を見ましたが、別人28号ですね。この前の大隣との投げ合い見てて、やはり右打者へのインコースの決め球の切れの違いを感じましたが、やはり身体の切れ自体にも差があるような気がしました(もっとも大隣も太めの体型ではありますが)。
相変わらずの独身生活を送っているように見えましたが、やはりプロの私生活の最重要ポイントは食生活でしょ。成瀬がロッテなエースから脱皮して、球界1・2の左腕に飛躍するためには、早く良いい嫁さんめっけて、心身共に自己鍛錬のサポートをしてもらうことでは、なんて年寄りじみた提言でした。
あ、そう言えば、それ以上に食生活管理の必要な奴がいた。カ・ク・ナ・カ…。
尚、彼曰わく地元民は、さっさと食べて、さっさと帰るのが通?らしいです。店も、さっさと出すそうです。(笑)イメージでは牛丼屋だと言っていました。
また、久留米ラーメンの方が、野生的だと言っていました。
私は不思議なもので、博多=豚骨=ドロドロだと概念がありますが、現地で食べないと分からない様ですね。以前、福岡ドーム遠征をした際に、東京にも進出している某有名店の本店、二軒を食べましたが、その先輩に、それでは本場のラーメンが分からないと笑われてしまいました。