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玄い女神 |
建築探偵シリーズの第二弾です。
ただ看板に偽りあり、とでも言いますか、最後に申し訳程度の出番があるだけで、建築ならではの作品とはなっていません。
ミステリアスな雰囲気で興味深くはありましたがトリックはややしんどく、作者の撒いた鍵を拾い集めて推理をするといった楽しみ方には不向きだったことで物足りなさがありました。
後から指摘をされてみればなるほど、ではあるものの、さすがにこれを見極めるには自分のレベルがそれに至っていなかったのでしょう。
とは言いながらもこれに気がつけた人がどれだけいるのか、インドの神々など取っつきにくいところもあり、そういった方面に強い人にとっては面白いかもしれません。
意図せずに集まった登場人物、災害により孤立した館での事件、などお約束な要素はふんだんですし、10年前にインドで起きた事件、その10年後に帰国をしたかつての知る人ぞ知る名女優、など2時間ドラマによさそうな題材ではありますが、人に内在する思い、過去と現在に向き合う姿勢、に重きを置いていますから映像よりは文章に向いています。
それだけにもう少しでも読者に気を配ってくれればなと、そこが残念だった戦いの女神、カーリーでした。
2016年3月21日 読破 ★★★☆☆(3点)