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猫弁と透明人間 |
猫弁の第二弾、相手は透明人間です。
ただこのシリーズ、やはりジャンル分けが難しく、少なくともミステリーの範疇に入れるには要素が足りなさすぎでしょう。
ネタがバレているところを読み解いていくコロンボともまた違いますし、こうなるのだろうな、やっぱりこうなった、の水戸黄門な安心感が売りなのだと思います。
事件とは直接の関係がない猫タワーだったり、無理矢理に猫に絡めているところが、人によってはあるいは鼻につくかもしれません。
猫が事件の鍵を握るわけでもなく、ただの猫好き、猫に囲まれた弁護士を取り巻く人たちの、家族を中心とした人間模様といったところでしょう。
なかなか核心に近づかずテンポがいいとも言えませんし、それでも耐えられる、は語弊があるかもしれませんが、ドラマ効果があってこそだと思います。
吉岡秀隆などは他は考えられないぐらいにピッタリですし、杏や柳原可奈子も笑っちゃうぐらいに適任です。
このキャストを想定して書いたのではないかと思うぐらいで、そういう意味でも予定調和を楽しむのがツボなのかもしれません。
弁護士のゴーストライターと医療事故、猫弁の婚約、肝心のストーリーは可もなく不可もなしです。
2016年6月2日 読破 ★★★☆☆(3点)