電脳筆写『 心超臨界 』

忍耐は力だ! 忍耐の時が過ぎれば
桑の葉がやがてシルクのガウンになる
( 中国のことわざ )

人間通 《 名誉――谷沢永一 》

2024-06-12 | 04-歴史・文化・社会
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
■超拡散『日本の「月面着陸」をライヴ放送しないNHKの電波1本返却させよ◇この国会質疑を視聴しよう⁉️:https://youtube.com/watch?v=apyoi2KTMpA&si=I9x7DoDLgkcfESSc』
■超拡散記事『榎本武揚建立「小樽龍宮神社」にて執り行う「土方歳三慰霊祭」と「特別御朱印」の告知』
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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所詮、人間は慾の塊(かたまり)である。その慾を世間に役立つよう誘導するのが褒賞の仕組みである。人間性を理屈で罵(ののし)ったり否定したりせず、人間性が美徳に転化するように計る智恵(ちえ)が肝要であろう。


◆名誉

『人間通』
( 谷沢永一、新潮社 (2002/05)、p46 )

自分は世に認められていると思える手応(てごた)えほど嬉しい喜びははない。ここまで来たのだから更にもっと励まなければと奮いたつ。そして目指すところは人から尊敬されていると感じる気持ちのゆたかな温(ぬく)もりである。ひとしお生きている張り合いが増す。人を成長させる動因は名誉を求める慾望(よくぼう)である。誰もが名誉心を強く抱けば人間世界は活(い)き活(い)きと発展する。とげとげしく険(けわ)しい攻撃衝動が薄められて、人の世はおだやかに滑らかに進行する。ゆえにひとびとの名誉心を満足させる装置が世の中には必須である。各種の位階勲等や褒賞(ほうしょう)は人の心を健全な方向へ導き元気を出させるための餌(えさ)である。もちろん世間に機械的な公平はありえないから、賞を受け易(やす)い人があるかわりに何故か賞に縁遠い人もある。花柳章太郎は賞多郎と渾名(あだな)されたが、その陰には気の毒な賞無郎がいたかもしれない。

しかし押しなべて褒賞の制度は人の尻(しり)を叩(たた)いて前へ前へと走らせる。勲何等が欲しい人は目標を遠きにおいて身を慎しむ。人に後指(うしろゆび)さされるような阿漕(あこぎ)な真似(まね)はしないであろう。賞が欲しいという慾張り根性がいかに脂(あぶら)ぎっていようとも、卑しい動機が見え見えであろうとも、そのためせっせと社会に奉仕してくれれば、それはそれでまた結構ではないか。所詮、人間は慾の塊(かたまり)である。その慾を世間に役立つよう誘導するのが褒賞の仕組みである。人間性を理屈で罵(ののし)ったり否定したりせず、人間性が美徳に転化するように計る智恵(ちえ)が肝要であろう。
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