電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。
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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■緊急拡散宜しく『日本を崩壊へ導く「選択制夫婦別姓」問題』
■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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世の中でいちばん大切なものは家族と愛
( ジョン・ウッドン )
The most important thing in the world is family and love.
( John Wooden )
◆ばあちゃんの家計簿
第24回「香・大賞」発表――香老舗 松栄堂
( 09.09.14日経新聞(夕刊))
[ 銅賞 ]
「 ばあちゃんの家計簿 」 片嶋リサ 31歳(主婦)東京都
図書館で働いていると、本に染み付いた香りに敏感になる。本を開いた時に漂う、異国を思わせる香りや、時にはカビ臭さ。それぞれの歴史が、鼻だけでなく心までくすぐるようで、私は思わずページに顔を近づける。
ある日、嗅いだことのある香りに出会った。懐かしいような、つい最近も包まれたような。
思い出そうと目を閉じると浮かんできた光景、それは、狭い仏間だった。コタツの上には、大学ノート。
私は祖父母に育てられた。細々とおかず屋を営んでいた祖父母も、立ち退きにあってからは年金暮らし。かなり貧しかったのだが、少女の私には、それを思う心の余裕はなく、反抗ばかりだった。親がいないことで、自分だけが不幸だと思っていた。
祖母はずっと家計簿をつけていた。家計簿といっても、大学ノートに線を引いただけのもので、それはいつも、仏間のコタツの上に置いてあった。中学生の頃だったか、何気なくそれを開いてみた私の頬には、気付けば涙が流れていた。
『リサおやつ 50円』
『リサこづかい 300円』
『リサ文房具 100円』
『リサ床屋 1500円』
シャケ 200円、などと並んで、そこには毎日私の名前があったのだ。丸まった背中で私を育てる苦労と、その苦労を厭わない祖母の愛情が、震える文字から感じられて、涙が止められなかった。不幸ぶっている自分が、ただ恥ずかしかった。
嗅いだことがあると感じたのは、本に染み付いたお線香の香りだったのだろう。仏間にあった大学ノートと同じ香りが、偶然、懐かしい記憶を呼び起こしてくれたのだった。
私の体に染み付いている祖母の愛情は、時を越えて、今も私を勇気づける。目には見えなくても、香りとともに、ふと蘇って。
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【投稿メモ】
松栄堂では、第24回「香・大賞」入賞作品を全て収録した冊子
「かおり風景」を希望者にもれなくプレゼントしています。
■郵送・電話・HPでのお申し込み
〒604-0857京都市中京区烏丸通二条上ル東側
香老舗 松栄堂「かおり風景」N係
TEL 075-212-5591 (平日9:00~17:00)
FAX 075-212-5596
「香・大賞」ホームページからのお申し込み
http://www.shoyeido.co.jp/
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日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。
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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■緊急拡散宜しく『日本を崩壊へ導く「選択制夫婦別姓」問題』
■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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世の中でいちばん大切なものは家族と愛
( ジョン・ウッドン )
The most important thing in the world is family and love.
( John Wooden )
◆ばあちゃんの家計簿
第24回「香・大賞」発表――香老舗 松栄堂
( 09.09.14日経新聞(夕刊))
[ 銅賞 ]
「 ばあちゃんの家計簿 」 片嶋リサ 31歳(主婦)東京都
図書館で働いていると、本に染み付いた香りに敏感になる。本を開いた時に漂う、異国を思わせる香りや、時にはカビ臭さ。それぞれの歴史が、鼻だけでなく心までくすぐるようで、私は思わずページに顔を近づける。
ある日、嗅いだことのある香りに出会った。懐かしいような、つい最近も包まれたような。
思い出そうと目を閉じると浮かんできた光景、それは、狭い仏間だった。コタツの上には、大学ノート。
私は祖父母に育てられた。細々とおかず屋を営んでいた祖父母も、立ち退きにあってからは年金暮らし。かなり貧しかったのだが、少女の私には、それを思う心の余裕はなく、反抗ばかりだった。親がいないことで、自分だけが不幸だと思っていた。
祖母はずっと家計簿をつけていた。家計簿といっても、大学ノートに線を引いただけのもので、それはいつも、仏間のコタツの上に置いてあった。中学生の頃だったか、何気なくそれを開いてみた私の頬には、気付けば涙が流れていた。
『リサおやつ 50円』
『リサこづかい 300円』
『リサ文房具 100円』
『リサ床屋 1500円』
シャケ 200円、などと並んで、そこには毎日私の名前があったのだ。丸まった背中で私を育てる苦労と、その苦労を厭わない祖母の愛情が、震える文字から感じられて、涙が止められなかった。不幸ぶっている自分が、ただ恥ずかしかった。
嗅いだことがあると感じたのは、本に染み付いたお線香の香りだったのだろう。仏間にあった大学ノートと同じ香りが、偶然、懐かしい記憶を呼び起こしてくれたのだった。
私の体に染み付いている祖母の愛情は、時を越えて、今も私を勇気づける。目には見えなくても、香りとともに、ふと蘇って。
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【投稿メモ】
松栄堂では、第24回「香・大賞」入賞作品を全て収録した冊子
「かおり風景」を希望者にもれなくプレゼントしています。
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〒604-0857京都市中京区烏丸通二条上ル東側
香老舗 松栄堂「かおり風景」N係
TEL 075-212-5591 (平日9:00~17:00)
FAX 075-212-5596
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