電脳筆写『 心超臨界 』

本は鏡のようなもの
愚か者がのぞきこんで天使が顔を出すわけがない
( ショーペンハウエル )

不都合な真実 《 土田正顕――平成不況を作った張本人-2/谷沢永一 》

2024-08-09 | 05-真相・背景・経緯
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しかし問題は、この通達の最後のところに添(そ)えられている、次の文章なんです。「また、上記の趣旨に鑑(かんが)み、不動産業及(およ)び建設業、ノンバンクの三業種に対する融資の実行状況を報告するよう併(あわ)せて貴傘下(きさんか)金融機関に周知徹底方(かた)願いたい」。総量規制という通達の本当の狙い目は、この、あたかも付足(つけた)しのように書かれておる一文にあるわけです。つまり、これは要するに「不動産業者、建設業、ノンバンクには今後いっさいカネを貸すことまかりならぬ」ということを、きわめて婉曲(えんきょく)に言っているわけです。


『誰が国賊か』
( 谷沢永一・渡部昇一、文藝春秋 (2000/06)、p41 )

◆土田正顕(つちだまさあき)――平成不況を作った張本人-2

“「総量規制」で何が起こったのか”

【谷沢】 ともかく、この通達によって日本中の金融機関は、平成2年4月1日から、不動産業者ならびに不動産関連業者に対する融資をストップしたわけです。

というのも、この通達には「不動産関連融資の伸び率は、総貸出し額の伸び率以下に抑えよ」とまず書いてあります。

これが「総量規制」と呼ばれるゆえんでありますが、これは、要するに不動産に対する融資が全融資の中で突出しないようにしなさいということでありますから、別に土地に対する融資全部をストップしろとは書いてありません。ことに問題とすべきようには思われないでしょう。

しかし問題は、この通達の最後のところに添(そ)えられている、次の文章なんです。

「また、上記の趣旨に鑑(かんが)み、不動産業及(およ)び建設業、ノンバンクの三業種に対する融資の実行状況を報告するよう併(あわ)せて貴傘下(きさんか)金融機関に周知徹底方(かた)願いたい」

総量規制という通達の本当の狙い目は、この、あたかも付足(つけた)しのように書かれておる一文にあるわけです。つまり、これは要するに「不動産業者、建設業、ノンバンクには今後いっさいカネを貸すことまかりならぬ」ということを、きわめて婉曲(えんきょく)に言っているわけです。

これに対して、土田は「いや、あれはノンバンクなどに貸すのは控(ひか)えるようにと言っただけであって、止(や)めろと言った覚えはない」というでありましょう。いや、実際に彼はそのようにあちこちで弁明しております。

たしかに、文面だけを読むと彼の言うとおりです。三業種に対して、カネを貸したらいけないとは書いてありません。

しかし、これを受け取ったほうの銀行はどう思うか。書面には「三業種への融資は、銀行局が監視する」という趣旨のことが書いてあります。しかし、その結果、銀行局長・土田が個々の融資案件に対して不快に思ったら、どのような事態が出来(しゅったい)するかは書いてありません。

監視するというからには何らかの目的があるはずだし、その反作用として何かが起こると判断して間違いない。大蔵省がただバカのように突っ立って、融資が行われているさまを眺(なが)めているはずはない。

「ということは、これは要するに『三業種に対する融資はまかりならん』ということだな」と銀行が受け取ったのも、きわめて論理的な結論でありましょう。ここは何もせんほうが身のためだというわけです。

実際、この通達を境(さかい)にして、日本中の銀行が不動産業者、ノンバンクなどに対する融資のチャンネルを事実上、断絶いたしました。

( “日本の富を吹き飛ばした大蔵官僚の犯罪” へつづく )
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