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孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

ロシア・ウクライナの二国間協議に向けた動きも 米停戦案について、23日ウクライナと米英仏で協議

2025-04-22 22:34:23 | 欧州情勢
(かつてウクライナ国内の約20%の電力を供給していたポリージャ原子力発電所 トランプ大統領が米保有を求めています。【3月21日 CNN】)

【トランプ大統領の苛立ち・警告 プーチン大統領「30時間停戦」を提案するも不調に終わる】
ウクライナの戦況については、ウクライナ側の数少ないカードのひとつでもあったロシア西部クルスク州の占領地をロシア軍がほぼ奪還したと主張しており、ウクライナにとっては厳しい状況が続いています。

****ウクライナ軍をクルスク州のほぼ全域から排除=ロシア軍****
ロシア軍のゲラシモフ参謀総長は19日、西部クルスク州のほぼ全域からウクライナ軍を排除したと語った。

プーチン大統領に対する戦況報告の中で「(ウクライナによって)侵攻された地域の大部分は現在片付いている」と説明。「それは1260平方キロメートル、99.5%だ」と述べた。 ロイターは戦況を独自に確認することができなかった。

ゲラシモフ氏によれば、ウクライナは国境を接するクルスク州のオレシニャ村とゴルナル村の周辺、わずか3平方キロを掌握するにとどまっている。 ロシア国防省は19日、ウクライナからオレシニャ村を奪還したと発表した。

また、ウクライナはクルスク州の南に位置するロシアのベルゴロド州に新たな攻勢をかけている。ゲラシモフ氏はプーチン氏に対し、ウクライナ軍の攻撃をうまく抑えられていると報告した。【4月21日 ロイター】
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停戦交渉の方は目だった進展のないなか、トランプ大統領は「どちらかが和平を困難にするなら手を引く」と、苛立ちとも思える警告を。

****ウクライナ和平仲介から離脱警告 「困難なら手を引く」―トランプ氏****
トランプ米大統領は18日、ロシアとウクライナの戦争終結に向けた交渉がさらに難航した場合、仲介外交を取りやめる考えを示した。米側は「恒久的かつ永続的な和平の枠組み」を提示しており、ロシア、ウクライナ双方に受け入れを促すため圧力を強めた格好だ。

トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、「何らかの理由で当事者の一方が(和平を)困難にした場合、われわれは『愚か者で恐ろしい人々だ』とだけ述べ、手を引くだろう」と警告した。

トランプ氏はまた、「具体的な日数は定めていないが、早期に(和平を)実現したい」と強調。ロシアにだまされていると思うかと記者に問われると「誰も私をだましていない」と反論した。【4月19日 時事】
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トランプ大統領の「警告」に反応したように、ロシア・プーチン大統領は唐突に「30時間の一時休戦」(イースター休戦)をは発表して、和平への姿勢をアピールし、ウクライナもこれに応じたものの、双方が相手の停戦違反を批難するなかで延長されることなく終了しました。

****プーチン氏要求の30時間停戦、不調に終わる 非難の応酬で期限切れ****
ロシアとウクライナの戦闘を巡り、プーチン露大統領は19日、ロシア正教会の「復活祭」(イースター)に合わせて19日午後6時(日本時間20日午前0時)から30時間、攻撃を停止するよう命じ、ウクライナ側に同調するよう求めた。

ウクライナ側もいったん応じる姿勢をみせたが、その後、互いに相手の「停戦破り」を訴える非難の応酬となり、期限の21日午前0時を迎えた。停戦は不調に終わった。

プーチン氏は19日、露軍のゲラシモフ参謀総長に一時停戦を指示し、ウクライナ側も追随するよう一方的に要求した。その上で「我々の決断は和平交渉へのプロセスに参加するウクライナの意志がどれほどのものであるかを示すことになる」と強調した。

両国の仲介にあたるトランプ米大統領は最近、停戦交渉の停滞にいらだちを募らせており、ロシア側には不満の矛先をかわしたい思惑もあったとみられる。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領も19日、プーチン氏の発言を受け、X(ツイッター)で停戦を受け入れる考えを表明。実際に停戦が実現した場合は20日以降も延長することを提案した。ただ、攻撃を受ければ反撃するとも言及していた。

しかし、露国防省は20日昼、ウクライナ軍が露軍の陣地に向けて444回にわたり銃や迫撃砲による攻撃を行い、無人機(ドローン)による攻撃も900回に上ったと発表。国境付近の露西部ブリャンスク、クルスク、ベルゴロドの3州への攻撃もあったと主張し、民間人にも死傷者が出たとしてウクライナを非難した。露軍については全ての部隊が停戦を順守したと訴えた。

ペスコフ露大統領報道官は20日夕、停戦延長の可能性について「(プーチン氏から)他に命令はなかった」と話し、延長しない見通しを示した。タス通信が伝えた。

一方、ゼレンスキー氏も、プーチン氏が示した停戦期限が過ぎた21日未明、ウクライナ軍の陣地に対し、全体として1882回の砲撃があり、無人機攻撃も950回以上あったとXに投稿。「ウクライナの行動は対照的であり続ける。停戦には停戦で、ロシアの攻撃には防衛で対抗する。行動は常に言葉より雄弁だ」と皮肉った。【4月21日 毎日】
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【ロシア・ウクライナの二国間協議に向けた動きも】
こうしたなかで、協議に向けた前向きな動きも。プーチン大統領は21日、ウクライナとの二国間協議を提案。ウクライナのゼレンスキー大統領も、民間施設への攻撃を停止するためのあらゆる協議に応じる用意があると述べています。

ロシアとウクライナの直接協議は2022年2月のロシアによるウクライナ全面侵攻開始直後の数週間以降、行われていません。

****プーチン氏、ウクライナとの対話「排除せず」 民間施設攻撃停止巡り****
ロシアのプーチン大統領は21日、ウクライナのゼレンスキー大統領が提案した民間施設への攻撃停止について、ウクライナとの対話の可能性を「排除しない」と述べた。記者会見で明らかにした。

ただプーチン氏は、民間施設であっても軍事目的で使用されることがあると具体例を挙げて主張しており、合意に至るかは不透明だ。  

会見でプーチン氏は、ロシア正教会の「復活祭」(イースター)に合わせて両国が表明した一時停戦について、ウクライナ側に「4900件の違反があった」と批判した。ただ、全体としてはウクライナの戦闘行為が減少したとの見方も示し、「我々はそのことを歓迎し、将来を見据える準備がある」と述べた。  

ゼレンスキー氏は21日のビデオ演説で、民間施設を標的にしたミサイルや無人機(ドローン)による攻撃を30日間停止するようロシア側に提案し、「明確な回答を待っている」と呼びかけている。【4月22日 毎日】
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*****プーチン氏、ウクライナとの直接協議に前向き 米からの圧力強まる****
(中略)プーチン氏は記者団に対し、民間施設に対する攻撃の停止をめぐり、ウクライナ政府と直接協議を行うことも可能かもしれないとの認識を示した。(中略)

ウクライナはロシアについて、空爆やドローン(無人機)による攻撃で民間人を意図的に標的にしているとして繰り返し非難しており、ゼレンスキー大統領はロシア政府に対して、そうした攻撃を停止するよう求めている。

プーチン氏は、ロシアが最近ウクライナの民間施設を攻撃したことを認めたが、それらの施設は軍事目的で使われていると主張した。

プーチン氏は「まさにそれが、我々が調査すべき点だ。全てを徹底的に調査する必要がある。対話の結果として二国間協議が行われる可能性がある。その可能性も排除していない」と述べた。(後略)【4月22日 CNN】
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【トランプ政権、停戦案としてウクライナにクリミア半島の割譲、NATO加盟の否定を求める】
一方、トランプ政権がウクライナに対し、クリミア半島を米政府がロシア領として承認することなどを含む戦争終結に向けた提案を行ったと報じられています。

****トランプ政権、ウクライナに「クリミアをロシア領に」と提案 米報道****
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は20日、トランプ政権がロシアの侵攻を受けるウクライナに対し、ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島を米政府がロシア領として承認することなどを含む戦争終結に向けた提案を行ったと報じた。

ウクライナ側の回答を待っており、今週ロンドンで開かれる米国やウクライナ、欧州による協議で話し合われる見通しだ。

報道によると、提案にはウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟しないことも盛り込まれている。

一方、米国務省高官はWSJに、提案は受け入れるか否かの「二者択一」ではなく、あくまで検討のための「選択肢」だと説明。米国とウクライナや欧州が一致できれば、今後ロシア側にも提示される可能性があるという。ただウクライナはこれまで領土の分割を否定しており、協議は難航も予想される。

トランプ米大統領は20日、自身のソーシャルメディアで、停戦交渉を念頭に「ロシアとウクライナが今週に合意を結ぶことを願う」と投稿。双方に今週中の合意を求めた上で「そうなれば、米国と大きなビジネスを始め、巨万の富を築ける!」と主張した。トランプ氏は双方が歩み寄らずに停戦が実現しない場合は、仲介から手を引く可能性を示唆している。

報道によると、米側は17日にフランス・パリでウクライナに案を提示し、欧州にも共有された。米側はロシアが占拠するウクライナ南部のザポロジエ原子力発電所の地域を「中立地」とすることも提示しており、米国の管理下に置かれる可能性がある。

トランプ氏はウクライナ情勢について「就任後24時間以内」に決着をつけるなどと豪語してきたが、交渉は難航している。最近はいらだちを強めているとみられ、18日にはどちらか一方が停戦を困難にしている場合「『あなたは愚かだ』と言って、(仲介から)手を引くだけだ」などと語っていた。【4月21日 毎日】
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クリミアの割譲、NATO加盟の否定・・・いずれも、ウクライナにとっては厳しい内容です。
クリミア半島以外のロシア占領地はどうなるのか?
NATO加盟できないなら、停戦後の和平をどういう形で(平和維持軍など)保障するのか?
そのあたりも含めての協議になります。

【トランプ政権 ザポロジエ原子力発電所の米保有を求める】
かつてウクライナ国内の約20%の電力を供給していたザポロジエ原子力発電所については、トランプ大統領が「アメリカが保有することに・・・」と提案していました。

****米国の原発「保有」にウクライナ大統領が反論、専門家は現実性に疑問****
ロシア軍が占領しているウクライナのザポリージャ原発について、米国が復旧させ、守ることができるとトランプ政権が主張している。しかし専門家は、ロシアに占領された前線にある原発を現実的にどう稼働させるのかが不明だとして疑問を投げかけている。

米政府の発表によると、米国のドナルド・トランプ大統領とウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は19日の電話会談で、「ウクライナの電力供給と原子力発電所について話し合った」。

トランプ氏は、「米国には電力や公益事業の専門知識があり、そうした発電所の運営に大いに役立つことができる。そのインフラを守り、ウクライナのエネルギーインフラを支えるためには、米国がそうした発電所を所有するのが最善だ」と語ったとされる。

これに対してゼレンスキー氏は20日、「保有に関しては、間違いなくトランプ大統領とは話し合っていない」と反論。「原子力発電は全て、一時的に占領されたザポリージャを含め、(ウクライナ)国家のものだ」と強調した。

ゼレンスキー氏はこの前日、ザポリージャの復旧と近代化に関する米国の投資の可能性を検討する用意があると発言。トランプ大統領との電話会談後の記者会見では、ウクライナの原子力発電全般ではなく、占領されたザポリージャ原発について話し合ったにすぎないと説明した。

その上で、「同発電所は占領下では機能しないと考える。同発電所の再稼働は可能だと考える」と述べ、復旧には2年以上かかるとの見通しを示した。【3月21日 CNN】
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ザポリージャ原発の米保有について話し合われたのかどうか・・・トランプ大統領とゼレンスキー大統領の発言は食い違っていますが、その後もトランプ大統領は24日、領土の「境界線」や原子力発電所の「所有権」について協議を続けていると明らかにしています。

アメリカはサウジアラビアで23日にウクライナ代表団、24日にロシア代表団とそれぞれ実務者協議を開いています。

以前、公開バトルともなったウクライナの鉱物資源に関しては、その後も協議が続き、24日にも共同開発することで合意文書にウクライナ・アメリカ両国が署名するとも報じられています。

****口論で延期の鉱物資源文書、トランプ大統領が24日頃署名の見通し示す「詳細詰めている」****
トランプ米大統領は17日、ホワイトハウスで記者団に対し、ウクライナの鉱物資源の共同開発を巡る合意文書に24日頃に署名するとの見通しを明らかにした。合意文書に関してはトランプ氏が2月に開いたウクライナのゼレンスキー大統領との会談の際に署名する予定だったが見送られ、両政府間で協議が続けられていた。(中略)

トランプ政権はその後、ウクライナの天然資源採掘に対する投資を独占的に管理する権利を求めるなど要求を拡大しているとされる。(後略)【4月18日 産経】
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トランプ大統領がザポリージャ原発にこだわるのは、将来的なウクライナの鉱物資源開発にあたりザポリージャ原発の電力を使用する意図があるのでは・・・との声もあります。

鉱物資源開発にしても、ザポリージャ原発保有にしても、仲介の「見返り」を明確に要求するトランプ大統領・・・・どの国も水面下で自国権益を求めるものではありますが・・・・はっきりしていると言うべきか、露骨と言うべきか、政治をビジネスと割り切っていると言うべきか・・・・。

【4月23日 ウクライナ、英・仏・米で対応協議】
ウクライナ、英・仏・米の代表団が23日、ロンドンで会合を開き協議されるとのことで、そこでアメリカ提案に対するウクライナ側の回答が示されると思われます、

****ウクライナと米英仏、停戦に向け具体策協議 ロンドンで23日に会合****
ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は21日、ウクライナ、英国、フランス、米国の代表団が23日、ロンドンで会合を開き、停戦に向けた具体策を協議すると発表した。南部クリミア半島を米政府がロシア領と認めることなどを含む米国の和平案に対し、ウクライナ側が回答するとみられる。

米ブルームバーグ通信によると、会合には各国の外相や国防担当閣僚が出席。米国はルビオ国務長官、ウィットコフ中東担当特使、ケロッグ・ウクライナ担当特使らを派遣する。

ウクライナ情勢を巡る各国高官による会合は、17日のパリに続いて2回目。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は20日、米国がパリでの会合でウクライナ側に、クリミア半島を米政府がロシア領として承認する▽ウクライナは北大西洋条約機構(NATO)に加盟しない▽南部ザポロジエ原発の周辺を「中立地」とする――などの案を提示したと報じた。米国は対露制裁の緩和も提案している。

ロンドンでの会合では、米国案を踏まえた停戦条件や、ウクライナが求める停戦後の安全の保証をどう確保するかなどが議論される見通しだ。

ゼレンスキー氏は21日、スターマー英首相との電話協議後、X(ツイッター)でロンドンでの会合を発表。「我々は完全な停戦と、真の持続的な平和の確立に向け、これまで同様、可能な限り建設的に議論を進めていく」と投稿した。ただ、ウクライナは一貫して領土の割譲を否定しており、米側の提案をどこまで受け入れるかは不透明だ。

会合では、英仏両国が主導する有志国連合が停戦後に計画する、ウクライナへの平和維持部隊派遣の詳細や、米国による後方支援の可能性についても議論されるとみられる。【4月22日 毎日】
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【ロシア トランプ政権への利益供与で“ディール”模索】
なお、ロシア・プーチン政権は・・・

****モスクワへのトランプタワー誘致も浮上か プーチン政権が“ディール”模索****
ロシアのプーチン政権は、アメリカとの関係改善を進めるため、トランプ大統領との“ディール(取引)”を模索しています。モスクワにトランプタワーを誘致する構想も浮上されているとロシアの独立系メディアが報じています。

モスクワ・タイムズは21日、関係筋の話として、ロシア当局がモスクワのビジネス街に150階建てのトランプタワー建設を持ちかける構想を練っていると報じました。

トランプ氏は1期目の大統領選に向けた選挙戦が本格化するまで、モスクワでのトランプタワー建設を実際に検討していたといいます。

超高層ビルの建設計画は迅速に着手することが可能で、トランプ氏も起工式に参加できるとして、「スピード、インパクト、派手さ これらはトランプ氏が本能的に重視するものだ」という関係筋の声を伝えています。

プーチン政権は去年11月にトランプ氏が大統領選に勝利して以降、ロシアの大手企業に対し、アメリカとの経済協力に関する詳細な提案書を作成するよう命令。政府と企業で準備を進めてきたといいます。

こうした中、プーチン大統領は今年2月、レアアースなどの鉱物資源をめぐり、アメリカと共同開発する用意があると述べ、「我々は鉱物資源をウクライナより桁違いに多く持っている」とアピールしていました。

また、アメリカとの経済協力を模索するロシアのドミトリエフ特使は、トランプ氏に近いイーロン・マスク氏の火星探査計画への協力にも意欲を見せていました。

ウクライナとの停戦交渉を有利に進めるため、プーチン政権はトランプ氏個人に照準をあわせ、1期以内で実現し、メディアに強くアピールできる経済的なディール(取引)を模索しているとモスクワ・タイムズは伝えています。【4月22日 日テレNEWS】
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トランプタワー・・・これまた露骨な“利益供与”、日本の政治ではあり得ない話です
こうした形で多くの犠牲者を出した戦争の行方が決まっていくことにウクライナ国民は忸怩たる思いもあるでしょう。
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