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孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

アメリカ  トランプ政権が進めるAIを活用した移民監視 米最高裁、移民の強制送還に一時停止命令

2025-04-21 23:41:12 | アメリカ
(【4月21日 FNNプライムオンライン】 19日、北京で行われた人型ロボットのハーフマラソン 優勝ロボットは最高時速12kmで約21kmのコースを2時間40分で完走したとのこと。 

こんな疲れ知らずのロボットに追われたら逃げ切れないですね・・・上空ではドローンが監視・・・個人データはAIによってすべて管理されている・・・そんな日ももうすぐ)

【AIを活用した移民監視 正確性には懸念】
監視国家と言えば中国が思い浮かびますが、アメリカも“なかなかのもの”のようで、トランプ政権下でプライバシーより国家(政権?)の利益が優先する形で、その動きは加速しているようです。

個人情報は全て政府によって把握・管理されてAIで分析され、逃げまどう不法移民・犯罪者、そして政権批判を行った一般国民を空ではドローンが、地上ではAIを駆使したロボット犬が追跡するというディストピアは映画の世界から現実へとなりつつあるようです。

****トランプ政権、移民監視にAI強化 正確性に強い懸念*****
トランプ米政権は、移民の追跡、拘束を目的とした監視システムと人工知能(AI)の活用を強化している。これにより正確性やプライバシーを巡るリスクが高まり、ほぼだれもが取り締まりの対象になりかねないとの懸念が浮上している。

国土安全保障省(DHS)をはじめとする移民管理当局は、公共の場に設置された顔認識スキャナーや南部国境で人間の動きを監視するロボット犬といったAIツールを、不法移民取り締まりの一環だと主張して利用している。

デジタル権利擁護団体、電子フロンティア財団の弁護士であるサイラ・ハサン氏によると、移民当局が使用する多くのAIツールは数年前から導入されており、過去の政権の遺産だ。

しかし現在、これらのツールの「対象範囲が大幅に拡大」している上、収集されたデータにアクセスできる当局者の層も広がっているとハサン氏は指摘する。

強化された監視網には、移民のソーシャル・メディア・アカウントを監視して個人情報を収集するバベル・ストリートのような民間請負企業のサービスも含まれている。

DHSや米税関・国境取締局(CBP)などの機関は収集された情報を利用し、移民の所在地を追跡して家系図を作成したり、逮捕令状や強制送還の決定を正当化したりする。

監視範囲の拡大を示す例として、ルビオ国務長官の下で3月に導入された「キャッチ・アンド・リボーク(捕まえてビザを取り消す)」プログラムがある。

ニュースサイトのアクシオスによると、同プログラムはAIを活用し、学生ビザ保持者をはじめとする外国人の公の発言を監視し、「(イスラム組織)ハマスその他、テロ組織に指定された組織を支援しているとみられる者」を特定するものだ。

捕捉された人は即座にビザを失う恐れがあり、ルビオ氏は実際、学生ビザや停留ビザ保持者を含む外国人300人以上のビザを取り消したと述べた。

<正確性を巡るリスク>
デジタル権利擁護団体は、AIツールが「幻覚」と呼ばれる偽の回答を生成する傾向を指摘し、移民取り締りなど精度が求められる状況での使用は危険だと指摘している。

移民権利団体「ジャスト・フューチャーズ・ロー」の執行ディレクター、パロミタ・シャー氏は、これらのツールを使用した移民の拘束は「市民権侵害に関する多くの懸念を提起している」と語った。

トランプ大統領が1月に就任して以来、不正確なAIデータに基づいて移民当局が行動した事例が数多くあると、権利擁護団体は指摘する。

トランプ氏が1月に署名した大統領令では、2023年にプライバシーと正確性の懸念から廃止された「迅速DNA検査」の再開が示唆されている。これは移民の家族関係を検証するための検査だ。

ハサン氏は「この政権が目指しているのは正確性ではないと思う。『X人の拘束に成功した』という派手なニュースを狙っているのだ」と言う。

独立系のテクノロジーアナリスト、テケンドラ・パーマー氏も、トランプ政権は正確性よりも強制送還目標の達成を優先していると指摘。「技術に欠陥があるおかげで、現政権はAIを隠れみのに、検証もせずに強制送還のゴム印を押す政策を生み出している」と語った。

DHSと移民・税関捜査局(ICE)はコメントの要請に応じなかった。

<網を広げる>
研究者らによると、監視システムは移民だけでなく、国民か否かを問わずすべての米国居住者を対象にしている。

ジョージタウン大学法科大学院の研究者らは2021年、ICEが米国成人の4分の3の運転免許証データにアクセスできるほか、公共料金記録を通じても同じ数の人々を特定できることを確認した。

同大学院のプライバシー・テクノロジーセンターの研究員、エメラルド・ツェ氏は「こうしたデータ集約ツールは、全てのデータポイントを総合してその関係性を作り出す」と指摘し、「あなたの家庭、近所、職場など、文字通り生活のあらゆる場面にいる人々が巻き込まれる可能性がある」と言う。

専門家によると、集約されたデータは、ICEがだれを拘束すべきかや、拘束した人物を解放すべきか否かなどを判断する際のアルゴリズムに投入されている。

移民当局の権限範囲も拡大している。トランプ氏の別の大統領令により、地方の法執行当局はICEが使用する全てのAIツール、そしてツールが収集した全ての個人データにアクセスできるようになった。つまり、個人データを扱い、そのデータに関連する人物を捜索できる移民当局者が従来よりも数千人増えたということだ。

ハサン氏は「連邦当局も地方当局も(AI)技術を使えるようになった。多くの情報と、技術が収集するあらゆるデータが双方の間で交換されるだろう」と予想した。【4月21日 ロイター】
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【今後国民の管理・監視でも重要な役割を担うAIロボット】
(あまりに興味深いので)話が横道にそれますが、AIヒト型ロボットについて世界の耳目を集めたのが中国で開催された人型ロボットが参加したハーフマラソン。

****中国・北京で世界初の“人型ロボット”のハーフマラソン大会…2時間40分で完走 開発の最先端を「中国のシリコンバレー」で取材 専門家から懸念の声も****
中国の首都・北京市で行われたハーフマラソン大会、スタートラインに並んでいるのは“人型ロボット”だ。 スタート地点から人型ロボットがスタートすると、ゆっくりとひざを曲げて走る姿はまるで人間のようだった。

世界初“人型ロボット”のハーフマラソン大会で2時間40分で完走

19日、世界で初めて行われたのは、人型ロボットによるハーフマラソン大会。中国の民間企業を中心に20チームが参加し、それぞれの開発企業がその実力を競った。 大型のものから小型のかわいらしいものまで、個性豊かな人型ロボットが参加した。

スポーツシューズを履いて、さっそうと走るものがいる一方で、スタート直後に制御不能になり、あわや“大惨事”になるロボットも。(中略)
その中で優勝したロボットは、最高時速12kmで約21kmのコースを2時間40分で完走した。

近年、中国のロボット業界は急速に発展し、本格的なブームを迎えている。中国でロボット産業に関わる企業の数は、今では45万社以上と4年間で約3倍になった。

「中国のシリコンバレー」で最先端の開発を取材
最先端の人型ロボットは、どこまで人間に近づいてきているのだろうか。FNNが訪れたのは、「中国のシリコンバレー」と呼ばれる広東省深セン市。

人型ロボットを開発するスタートアップ企業「UBTECH」のオフィスを訪れると、さまざまなタイプの人型ロボットが活動していた。

この企業のロボットは、現在行われている大阪・関西万博の中国パビリオンでツアーガイド役を務めていて、中国では最も注目を集めている企業の1つ。

開発した人型ロボットは、すでに一部の工場で導入試験を終えて実際に働き始めているという。実際の工場で使用されている人型ロボットの動きは、ひざや腰、手の関節もほとんど人間と同じような動きをしている。

ロボット1台による作業だけではない。 2025年3月には、中国の工場で複数の人型ロボットが協力して、同時にさまざまな作業を行うトレーニングを成功させた。 実際の工場の生産ラインで仕分け・組み立て作業などを行う姿は、まさに人間さながらの動きだ。

UBTECHの人型ロボットは、中国の自動車工場で20台搬入され活動を始めているという。
UBTECH・譚旻CBO:
私たちは、人型ロボットが社会の重大な問題の解決やニーズを満たし、生活の便利さを向上させると信じています。
実際の社会で働く人型ロボットは徐々に増えていて、現在警察と一緒にパトロールをしたり、空港の警備や接客業務にあたるなど、さまざまな場面に投入され始めている。

人型ロボットの活動は、こうした場所にとどまらない。 器用に料理をしたり、アイロンがけを行うロボットも。

中国政府は人型ロボットを「重要政策分野」に
上海にある会社では、家庭の中で働く人型ロボットの訓練も行われている。複雑な動作を可能にしているのは、導入されたAI(人工知能)だ。

ロボットは基本的な動作を教えられ、それぞれの家庭にあった動きに自らが調整できるようになることを目指している。

中国政府は、この人型ロボットを電気自動車と同様、重要政策分野に位置づけて経済を押し上げたい考えで、その市場規模は2035年までに約6兆2000億円に達するとも。

一方、中国政府が国家戦略として人型ロボットの分野で世界をリードしようとしていることに、専門家からは懸念する声も出ている。

京都外国語大学・土屋貴裕教授:
中国では、企業の成長や技術革新というのは、「国家の意向」と表裏一体で進められています。仮に中国がこの分野で国際的な標準を主導する形になれば、効率ですとか管理あるいは監視を重視する中国型のモデルというものが世界的な規範となるおそれがあります。

人型ロボットでリードを狙う中国。
アメリカや日本も人型ロボットの開発に力を入れていて、技術競争だけでなくロボットをどのような目的で使うかという点も今後大きな課題になるとみられる。(「イット!」4月21日放送より)【4月21日 FNNプライムオンライン】
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ロボコップの登場は時間の問題のようにも。管理・監視体制で重要な役割を担うようになるのでしょう。

【米最高裁、ベネズエラ移民の強制送還に一時停止命令】
AIを活用するしないにかかわらず、トランプ政権の進める移民取締りがかなり杜撰なことは、以前も取り上げた犯罪組織のメンバーと見なされて中米エルサルバドルに誤って送還された男性の件でも明らかです。

不法移民=邪悪な犯罪者という発想で、「成果」を誇るために杜撰に進められる移民狩り。
アメリカ最高裁は、その保守優勢な判事構成にもかかわらず、トランプ政権の進める移民狩りに一定の歯止めをかけています。

****米最高裁、ベネズエラ移民の強制送還に一時停止を命令****
米最高裁判所は19日未明、移民当局に拘束されている複数のベネズエラ人男性の強制送還を一時停止するようトランプ政権に命じた。男性らの弁護士は、裁判所が義務付ける司法審査なしに強制送還が実施されようとしているとし、差し止めを求めていた。

最高裁は19日未明に文書を出し、「政府には、本裁判所のさらなる命令があるまで、(同様事案で集団訴訟の原告となり得る)いかなる被拘束人も米国から送還しないよう指示する」と命じた。

同文書には署名がなかった。保守派のクラレンス・トーマス判事とサミュエル・アリト判事がこの決定内容に反対した。

問題となっていたのは、テキサス州アンソンのブルーボネット拘置所に収容されている数十人のベネズエラ人男性の処遇。アメリカ自由人権協会(ACLU)の弁護士は18日、最高裁判所を含む複数の裁判所に緊急要請書を提出し、一部の男性が既にバスに乗せられ、国外退去を告げられているとして、即時の対応を求めていた。

ACLUは、男性らは急に国外退去を告げられ、最高裁が義務付けた異議申し立てを行うような現実的な猶予が与えられなかったと主張した。

ホワイトハウスにコメントを求めたが、これまでに回答はない。

移民取り締まりの強化を掲げて当選したトランプ氏は、ベネズエラ犯罪組織のメンバーを迅速に強制送還するためとして、1798年制定の「敵性外国人法」を用いる方針を決定。

最高裁は7日、一定の制限付きで同法の適用を認める判断を出したが、その際、拘束されている人びとに対して合理的な期間内に強制送還の通知を行い、適切な場所で人身保護令状による救済を求められるようにする必要があるとの意見を付していた。

今回の案件は、この最高裁判断が示されて以降初めての強制退去措置となるものだった。【4月19日 ロイター】
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最高裁は6対3で保守派メンバーが多いなかで、アリート氏とトーマス氏以外は差し止めの判断を支持しました。

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最高裁は「政府はさらなる命令が出るまで、被拘束者集団のうち1人たりとも米国から追放してはならない」としている。

強制送還計画の中止を求める運動を主導したアメリカ自由人権協会は、最高裁の判断を歓迎。リー・ゲルレント弁護士は「(対象の)男性たちは、裁判を受ける機会もなく、恐ろしい外国の刑務所で一生を過ごす危険にさらされていた」と述べた。

これに対し政府はこの日、最高裁に対し、敵性外国人法を適用してテロリストとされる人々を国外追放することは阻止されるべきではないと申し立てた。また、たとえ阻止されたとしても、他の法律を使えばそうした追放の実行は可能だと最高裁は明示すべきだと主張した。【4月21日 AFP】
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不法移民に対するネガティブな感情も強い社会では強引な移民狩りに理解を示す国民も多いでしょうが、いつも言うように、こうした人権を軽視し、事実も軽視し、政権が自由にその力を発揮することを求める流れののもとでは、やがてはその対象は不法移民や犯罪者に限らず、政府に批判的な者にまで広がり、一切の政府批判を許さない中国のような社会にまで至る可能性があります。

そうなってしまってからでは、その状況を覆すことは極めて困難です。
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