
(抗議デモで騒然とするブルンジ “flickr”より By Furaha EliabBy https://www.flickr.com/photos/129675347@N07/17281955205/in/photolist-s46Vqw-sk9xbV/ )
【1万人以上の市民が隣国ルワンダに逃れている・・・】
今日気になる記事を目にしました。
****ブルンジで大規模デモ 大統領選めぐり緊張広がる****
アフリカ中部ブルンジの首都ブジュンブラで26日、6月に予定されている大統領選で、与党が現職のヌクルンジザ大統領を候補者に指名したことを受け、大規模な抗議デモが起きた。
警察隊と衝突し、少なくとも2人が死亡。選挙に伴う混乱を恐れ、1万人以上の市民が隣国ルワンダに逃れているとの情報もあり、緊張が広がっている。
AP通信によると、ブルンジの憲法は、大統領の任期を2期までと規定している。2005年から大統領を務めるヌクルンジザ氏はすでに2期目の終わりだが、与党は「05年時には、ヌクルンジザ氏は議会に選出されたため、民選大統領としてもう1期可能だ」として、同氏を候補者に指名した。
現地報道によると、野党は27日にも大規模なデモを呼びかけている。米国務省も「ブルンジは民主主義を強固にする歴史的な機会を失う」と非難する声明を出した。
ブルンジは1962年にベルギーから独立後、人口の約9割を占める多数派のフツ族と少数派のツチ族との抗争が続き、93年に内戦に突入。06年の内戦終結までに、約30万人が死亡している。【4月27日 朝日】
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大統領職の多選禁止規定が導入されたときに現に大統領であった者について、導入時点での期間を算定するかどうかでは、ブルンジだけでなく多くの国が混乱します。
そんな基本的なことがなぜ明確になっていないのだろうか?とも不思議に思いますが、多くの場合、権力者が居座るために無理を承知で多選可能を主張しているようにも思えます。
そうした多くの国でみられるゴタゴタのひとつとも言えるのですが、ブルンジはこれまで虐殺と内戦に明け暮れていた国ですから、大きな惨事に至ることが懸念されました。
“多数派のフツ族と少数派のツチ族との抗争”と言うと、北に隣接するルワンダの大虐殺(1994年)がすぐに連想されますが、ブルンジでも同様の虐殺を経験しています。
“1972年、少数民族のツチ族による支配に不満をもつフツ族の反乱で、1万人のツチ族を殺害されると、その報復として同年、4月から10月にかけてツチ族系の軍隊がフツ族10万人を殺害するという事件につながった”【ウィキペディア】
その後も、ツチ・フツの報復合戦、更にはフツ内部の抗争が絶えず、ヌクルンジザ大統領(フツ系)の政権とフツ系の旧反政府組織の民族解放軍の停戦合意が実現したのが2006年3月、正式和平と権力分担で合意がなされたのが2008年12月ということで、それほど昔の話ではありません。
今回のヌクルンジザ大統領三選に反対した勢力が、以前の内戦時の勢力と重なるのかどうかは知りませんが、これまでの内戦・虐殺を考えると危うい和平のようにも思えます。
ブルンジで小児心臓外科を立ち上げる活動されている日本人医師である遮断鉗子氏のブログによると、26日の現地状況は
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いまのところ、僕が周知する範囲では、大きなトラブルはない。大統領支持派が、彼の決定を祝う太鼓が打ち鳴らされて音はにぎやかだ。音は、というのは、人通りが異常に少ない。
車もほとんど走っていない。いつものにぎわいは全くない。太鼓の音がなければ、ひどく静かで恐ろしいくらいかもしれない。【「心臓外科医はつらいよ 〜遮断鉗子のブルンジ奮闘記〜」遮断鉗子氏 http://burundi.blog.fc2.com/blog-entry-152.html】
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とのことでした。
人通りが少なくなった街に響く太鼓のリズム・・・・何やら嵐の襲来を予感させるような不気味なものが感じられました。
ただ、27日ブログでは“散発的にライフルの発砲音が聞こえる”(http://burundi.blog.fc2.com/blog-entry-156.html)状況ながらも、大きな混乱はない様子です。
大手メディアの続報も今のところありませんので、おそらく大事に至らずに済んだのでしょう。
【長い内戦と経済制裁によって世界最貧国へ】
ブルンジは世界最貧国でもります。
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長い内戦と経済制裁によって、経済は壊滅状態に陥っている。アフリカの中でも経済開発が遅れている国のひとつであり、世界最貧国の1つ。世界銀行によればブルンジの1人あたりGNIは260ドル(2013年)で、2013年のデータのある国としては世界最下位である【ウィキペディア】
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経済的に貧しくても平和で穏やかな生活がおくれるなら、それはそれで・・・と言えますが、多くの場合、経済的貧困の原因は内戦・紛争の混乱です。ブルンジの場合もしかり。
23日に国連が各国の幸福度を指標化した幸福度報告書を発表しましたが、それによればブルンジは158か国中の157位、つまり下から2番目という結果でした。内戦状態のシリアより悪い数値です。(ちなみに日本も46位とかなり低位にあります)
“幸福度を指標化”というのがどれほど実態を反映しているか、順位にどれほどの意味があるかはともかく、内戦が終結した今も、“選挙に伴う混乱を恐れ、1万人以上の市民が隣国ルワンダに逃れている”という状況はやはり憂うべきものがあります。
いずれにしても、大事に至らなったのであれば幸いです。