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孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

中国  日本商品、日本社会への高評価(続編) 気になりだした“どのように見られているか”

2015-02-27 22:29:22 | 中国

(映画「ティファニーで朝食を」 オードリー・ヘップバーンなら許されても・・・  ついでに言えば、お菓子についてきたおまけの指輪にティファニーで名前を彫らせるというのも、随分と非常識な話ではあります)

日本と延安 旅行先の二極分化
中国のネット上で最近日本商品や日本社会を好意的に評価する意見が多々見られるということ、その背景には日本を実際に訪問して自分の目で見た人々が増加していることや、経済成長に伴って、中国社会にも自分自身の判断力を持ち、自分自身の基準で判断する人々が増加していることなどを、4日前の2月23日ブログ“中国 日本商品、日本社会への高評価も 「自分自身の日本観」を持つ人々の増加”http://blog.goo.ne.jp/azianokaze/d/20150223 で取り上げました。

こうした中国ネット上の声はあまりにも面白いので、その続きみたいな話です。

もとより、日本のネットでも同様ですが、ネット上の意見というのがどの程度社会全体の声を反映しているかについては、注意する必要があります。
“そういう声もある”ぐらいに見た方がいい場合もあるかと思います。

ネット上には前回ブログで取り上げたような日本に関するものや、海外での中国人のマナーに関するものが多々あるようですが、社会全体がそうした海外に目を向け、中国の未だ不十分な点を自省しているかと言えば必ずしもそうではなく、中国当局が推奨する延安などの革命聖地を訪れる人も多く、人々の関心が二極分化している状況があるようです。

****中国・春節】若い富裕層=日本・欧米旅行 高齢保守層=革命聖地の旅 保革双方で非難合戦****
旧正月(春節、2月19日)を挟む1週間強の休みを利用して多くの中国人が旅行に出かけたが、行き先の二分化傾向が鮮明になっている。

比較的若い富裕層や知識人は日本や欧米を選ぶ一方、中高年を中心とする保守層には中国当局が推奨する延安などの革命聖地を訪れる人が多い。

双方は互いに「売国奴」「洗脳された人々」などと非難しあう。春節旅行の行き先から政治的傾向も見えてきそうだ。

これまで欧米や香港などを訪れることが多かった富裕層や知識人の間で、今年は日本の人気が急上昇した。
日本政府による中国人観光客に対するビザ発給要件の緩和や円安などが主な原因とされるが、中国政府がメディアを総動員して展開する日本批判キャンペーンを、彼らはあまり気にしていないことも背景にはあるといわれる。

中国メディアの統計によれば、今年の春節の訪日客は約45万人で史上最高を記録した。炊飯器や高級時計などを大量購入し、合計1000億円以上を消費したといわれる。

日本での“爆買い”は中国メディアにも大きく報じられている。「四月ネット」など左派系サイトなどでは「非国民が多すぎる」「彼らが使ったお金はやがて日本の原子爆弾開発に使われるだろう」といった批判が寄せられた。

一方、習近平政権による愛国主義教育の宣伝などで、中国では民族主義と愛党精神も高揚している。中高年が多い保守層には共産革命の聖地訪問が人気だ。

延安と習近平国家主席の故郷、富平がある陝西省では、今年の春節期間中、2000万人が訪れた。毛沢東の像の前で共産党の党旗を広げて記念撮影する人は、昨年に比べて急増したという。

この現象に対し、改革派サイトの天涯社区などでは「彼らはマインドコントロールされている。話をしたくない」などのコメントが寄せられている。

一方、最近20年、毎年増え続けた香港を訪れる中国本土の観光客は今年初めて減少に転じた。昨年の民主派によるデモが影響したほか、香港市民の間で嫌中感情が高まっていることが原因とみられる。【2月26日 産経】
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革命聖地を訪れる人が多いというのは意外な感もありますが、反腐敗粛清運動を続ける習近平政権の風紀・思想引き締め政策の一側面をあらわしたものとも考えられます。

日本への高評価というのは、そうした革命聖地を訪れる人々の対極にあります。

外の世界に目を向け、中国社会を客観評価しようという流れと、中国の内なる原点に回帰しようという流れの“二極分化”というのは非常に妙味深い現象ですが、今後の政治動向次第では日本に対する評価もまた変わることもありうるということでしょう。

党機関紙も苦言を呈する日本製温水洗浄便座人気
日本のメディアが取り上げている“中国ネット上の意見”というものを扱う際には、そうした意見が中国ネットにおいて一般的なものなのか、あるいはことさらに日本のメディアが一定の傾向のものを拾い集めているだけなのか・・・そこらにも留意する必要があるでしょう。

日本商品高評価の代表とも言えるのが高機能な温水洗浄便座ですが、人民日報の国際版である環球時報が、その人気に苦言を呈しています。

****中国国営紙が日本の温水洗浄便座に言及****
中国では近年、おしり洗浄や便座暖房、乾燥などの機能がついた日本の温水洗浄便座が大人気だが、これに苦言を呈する社説が26日、中国国営紙に掲載された。

中国共産党の機関紙・人民日報の国際版、環球時報は中国語版と英語版双方に「日本製の温水洗浄便座人気は誇張されている」と題した社説を掲載。

中国人が日本製の洗浄便座を買うことは、中国の「日本製品ボイコット」に対する当てつけだとし、「国内需要の低迷に直面している時期に、日本の店舗に殺到する中国人観光客は褒められたものではない」と苦言を呈した。

日中関係は東シナ海の尖閣諸島をめぐってこう着状態が続いている。
政治面で違いがある両国だが、アジアの2大経済大国はビジネス面では緊密な関係を築いている。

春節の連休中、およそ50万人の中国人が日本を訪れ、その経済効果は8億8200万ドル(約1050億円)に上ると予測されている。

環球時報が社説で温水洗浄便座を取り上げた意図は不明だが、日本を訪れた中国人観光客の間で温水洗浄便座は電気炊飯器に次ぐ人気だと報じた国営紙・北京青年報の記事に触発された可能性がある。

日本では珍しくない温水洗浄便座だが、中国では新富裕層の間でステータスシンボルとなっている。

環球時報は日本製の洗浄便座の高度な設計や洗練さを認めた上で、「世界クラスの便座を製造することは中国メーカーが目指すものではない」と切り捨てた。【2月26日 AFP】
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中国共産党の機関紙の立場にあるメディアが苦言を呈したということは、ネット上で見られる日本の水洗浄便座に対する高評価は、あながち日本メディア側が作り上げたものでもないようです。

中国人にとって心地よい“中国由来”】
そうしたことに留意しながら、中国メディアや中国ネットに関するいくつかの記事を紹介すると・・・

****祖先は中国人」と日本人が認めた! 中国メディアが「喜悦」の報道・・・「赤ん坊の蒙古斑。起源は雲南」と日本の有識者見解も****
中国メディアの西陸網、太原新聞網は21日から25日にかけて、「日本人が認めた。祖先は中国人だった」などとする記事を報じた。

日本人学者の鳥越憲三郎氏が1970年代から主張した説を取り上げ、「雲南はかつて、大和の根拠地だった。先祖は雲南の少数民族だった」などと紹介した。

見出しに使った「認めた」などの表現からは記事制作者が「喜悦」する様子が読み取れる。(後略)【2月26日 Searchina】
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日本人が日本列島で独自進化したのでなければ、大陸か南方からか移動してきたのは当然の話ですから、驚く話でもないように思えるのですが。

****かな文字」の由来に驚く中国ネット民・・・「日本人は柔軟」、「日本人は学び上手」=中国版ツイッター****
ユーザーが13日、日本の「かな文字」の由来について紹介するツイートを公開したところ、多くのユーザーが関心を寄せた。

このユーザーはまず「日本の古代には文字がなかった」として、中国の隋や唐の時代に大量の漢字が日本に伝わったことでようやく自らの言語を記録することができるようになったと紹介。そして、日本で誕生したひらがなは草書から、カタカナは楷書の偏やつくりから創造されたものであると説明し、「あ」が「安」から、「ア」が「阿」から生まれたことを例に挙げた。

このツイートに対して、ほかのユーザーからは「おお、勉強になった」、「日本の文字を作った人は行書(原文ママ)が好きだったのか」、「日本の文字はそもそも中国起源なのか」、「韓国語にも中国の影響がある。何といっても古代中国はアジアの覇者だったから」、「草書が元か……どうりで自分には日本語が読めないわけだ」といったコメントが寄せられた。

また、複数のユーザーが日本人の姿勢について論じている。あるユーザーは「日本人はとても素晴らしい学生だ」と評し、別のユーザーは「倭人は柔軟だ」、「日本人は学んだり参考にしたりするのが上手い」とした。ほかにも「(もともと文字がなかったから)日本人は各国の外来文字を使って表現せざるを得なかったのか」、「日本人の書道に対する熱愛ぶりは認めなければいけない」といったコメントもあった。(後略)【2月27日 Searchina】
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要は、“あの日本人が”“あの日本文化が”中国に根源を持つということが、中国人にとって心地よいもののようです。それは、日本人や日本文化への憧れにも似た高評価と表裏一体のものです。
憧れはコンプレックスとも表裏一体であり、容易に憎悪にも変わるものですが。

【「なぜ中国人は世界中で疎まれるのだろうか」と疑問を提示
日本を離れて、海外の中国人観光客のマナー問題に関してもいろいろネット上で論議されているようです。

まずは、以前香港でも社会問題ともなった、子供の用足しの問題。

****紙を敷いているからセーフ? 子供といえど公衆の面前で・・・外国ではみたことがない! 中国ネット民らで分かれる見解=中国版ツイッター****
・・・・ツイートは(中略)上海の繁華街と思しき屋外で、数人の大人がゴミ箱脇の地面に紙のようなものを敷き、そのうえで子どもに用を足させている様子を撮影した写真4枚を掲載した。

写真には周囲で多くの市民が携帯電話のカメラを構えて風景を撮影しようとしている様子も見て取れ、かなり賑やかな場所での行為であることが伺える。

このツイートに対して、微博のユーザーたちは公衆の面前で子どもに用を足させた行為がモラル的にどうなのかという議論を繰り広げた。

「アリだと思う。ゴミ箱がそばにあるし、子どもがガマンできない時だってある」、「紙を敷いていて、終わったら捨てるんでしょ」、「お腹を壊していたんでしょう。これは所構わず大小便するのとは違う」、「本当にモラルのない人は紙など敷かない」、「ちゃんと親が遮っている」といったコメントに多くの賛同が付いており、全体的にはこの行動を支持するユーザーが多数を占めたようだ。

その一方で「外国で子どもが公衆の面前で用を足すのなんて見たことない!」、「自分は2人の子の親だけど、地面に大小便をさせたことはない!」、「ガマン出来なかった、紙を敷いているからいいのか? 君たちは本当に自分の子にこんなに大勢の前でやらせるのか?」といった反対意見を唱えるユーザーもある程度いた。また、「国民のモラルの低さとともに、インフラ建設の問題もある」として、人の多さに対してトイレ設備が不足していると主張する声もあった。

(中略)ただ、より多くのユーザーが抱いた本当の感想は「こんな写真を撮影した人間が一番モラルに欠ける」だったようで、ツイート主には数々の批判が浴びせられていた。(後略)【2月25日 Searchina】
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「中国人観光客が銀座の街で子どもに小便をさせた」というものも話題になっているようです。

昔、「ティファニーで朝食を」という名画がありましたが、「グッチでカップ麺を」といったところでしょうか。

****イタリア旅行の中国人、「グッチ」の店先に陣取ってカップ麺「ずるずる」・・・批判に対して「どこが悪い」の大合唱****
イタリア人は驚き呆れた。通りすがりのその他の国の買い物客も驚き呆れた。イタリア旅行中の中国人観光客が集団で、高級ブランドのグッチ販売店の店先に陣取り、カップ麺(めん)をすすり込んでいた。

2月上旬にイタリアでインターネットに投稿されて、多くの人が知ることになった。同国メディアは「文明の衝突」などの用語を交えて同件を取り上げた。

その後、中国メディアも報じた。中国のインターネットでは、グッチの店先でカップ麺を食べた人を擁護する声が多い。(後略)【2月25日 Searchina】
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ネット上では、中国の「にわか成金」がモラル低下の「諸悪の根源」であるという声が多いようです。

****すべての中国人がモラルが低いわけじゃない! タイで「中国人向けにマナー手帳配布へ」の報道に、中国ネット民が議論・・・「中国人は国外に出るな!」の声も=中国版ツイッター****
中国版ツイッター・微博(ウェイボー)で3800万人のフォロワーを持つ、中国メディア・新浪のニュース配信アカウント「頭条新聞」は21日、中国人観光客によるマナー違反行為が目立つタイで、現地当局が中国人観光客向けの「マナー手帳」を配布する意思を示したとする国外メディアの報道を伝えた。(中略)

中国ネットユーザーの多くは、若者や金持ちでない人の多くはモラルを持っていて、「土豪」と呼ばれる「にわか成金」がモラル低下の「諸悪の根源」であるとの認識を抱いているようだ。

それは「お金さえあればやりたい放題」と意味の“有銭就是任性”という言葉が皮肉めいたニュアンスを帯びて中国のネット上で流行したことにも表わされているようだ。(後略)【2月24日 Searchina】
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日本でも、かつて“農協さん”の海外旅行がいろいろな物議を醸した時期がありました。

****世界中から「残念なイメージ」の中国人・・・「尊重されて然るべきだが・・・間違いない」=中国メディア****
中国メディアの青年創業網は23日、香港でこのほど中国国内での転売を目的に香港で買い占めを行う水客(密貿易業者や運び屋)に対する抗議活動が行われたことを伝え、「なぜ中国人は同胞である香港人からこのような待遇を受けるのだろうか」、「なぜ中国人は世界中で疎まれるのだろうか」と疑問を呈した。

記事は、旅行や留学、就業、貿易など目的は違えど、中国人が海外で軽視され、排斥されているという悪いニュースが近年増えていると指摘し、「5000年の歴史と文明を持つ中国人はなぜ海外でこれほどイメージが悪いのだろうか」と論じた。

続けて、21世紀の今日における中国は“一挙手一投足”が世界に大きな影響を与える国だと指摘し、「本来であれば世界中から尊重されて然るべきだ」と主張。一方で、「残念ながら中国人は世界中で尊重されていない」とし、特に西側諸国でその傾向が顕著であると指摘した。

さらに中国人が海外で軽視されているとの主張に対し、記事は「その理由は中国人が世界に悪いイメージを与えているから」と指摘、公共の場所で大声で話すことや回りの空気を読まず、列に並ばないこと、衛生的でない行為を取ることなどが原因だと論じた。

続けて、中国人はどこにいようと、「自分の考えと論理で行動し、現地のルールを守らない」と指摘。さらに他人に自分の富や力を見せびらかすことを好み、品格に欠けるとしたほか、金銭至上主義であることも海外でマイナスイメージにつながっていると論じた。【2月27日 Searchina】
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個々のケースにおける「アリかナシか」は別にして、中国の人々が、自分たちが外の世界からどのように見られているかということを気にかけるようになった・・・ということは、今後に向けての大きな一歩かと思います。

ついでに言えば、海外におけるマナーは、国内におけるマナー問題の延長にすぎません。
問題にすべきは海外だけではありません。
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