豊田の生活アメニティ

都市デザイン、街歩き・旅行、くらし

金沢市長が語るまちづくり

2006-01-09 | 都市計画・まちづくり
金沢市長が語るまちづくり(「都市計画」2005・12より)
 金沢市は建築学会文化賞に続き、都市計画学会石川賞を受賞しました。建築学会賞は旧大和紡織の工場跡地を市民芸術村にしたことです。石川賞は駅東口の整備とまちづくりの条例を21本も制定したことです。もてなしドームと鼓門は「地元大学の9人の先生のコラボレーション」です。金沢では古い町は保存し、新しい町は区画整理でバランスよく調和しています。平成12年には市民参画のまちづくり条例を作っています。豊田市もパブリックコメントや05年参加条例(「まちづくり条例」)を作っていますが、理念と形式倒れです。特に施設計画への参加や都市計画・まちづくりは10年遅れています。豊田都市交通研究所だけはマイペースでITSや社会実験が進んでいるように感じます。世田谷、横浜、豊中などのまちづくりの基本を学んでいないと感じます。世田谷のまちづくり参加ゲームやファンド、横浜のまちづくり支援の講師派遣、建築協定支援、豊中のまちづくり協議会の行政支援など学ぶべきです。特に大学との協力関係がうまくできていません。瀬戸では6大学のコンソーシアム(共同事業)ができています。名古屋市でも金沢市と同じく「まちづくり市民研究機構」があります。さらに、市役所ではまちづくりに関係する課を集めて「まちづくりフロア」を作りました。豊田市のようなコスト削減の「提案を年3本出せ」と言われるのと違って、職員のモラール・自発性を出すものです。交通では渋滞しますが、イタリアのボローニャを参考に、コミュニティバスを早く走られました。今年は金沢とボローニャを訪ねたいです。
 写真は高度地区指定された都市計画図です。日照紛争の起こる前に積極的に高度地区は指定すべきで、自治体職員の熱意に関わります。
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門灯

2006-01-09 | 都市計画・まちづくり
 クリスマスが終わってイルミネーションが消えました。豊田市の街は夜が暗いと言う声も多くあります。私も駅から自宅へ歩いていても車に跳ねられそうになったことがありました。
 ある自治会では門灯を夜中点灯する取り組をしていました。我が家も独自に通行者を照らすために、数年前から実施しています。自治区がやっていますというその表示の仕方は、防犯のためかも知れませんがちょっとセンスがないようにも思えます。
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「都市と環境の計画づくり」

2006-01-09 | 気になる本
原科幸彦編「市民参加と合意形成-都市と環境の計画づくり」学芸出版社、2005年
 「都市と環境の計画づくり」は本のサブタイトルで、本題は「市民参加の合意形成」です。私のまちづくり論はまず地区の課題があって、次に制度が問題で、そして主体がどうするというのが持論です。都市計画マスタープラン、環境計画の先進事例を分析しながら、市民参加の本質を問う内容です。帯には「『参加』が目標の時代は終わった」とあります。豊田市でも情報公開が進み、パブリックコメント、公募委員、パートナーシップなど提起していますが、今一つから回りしているとしか思えません。都市計画・まちづくりの基本理念はサスティナブルソサエティです。ここではsustainable developmentを「維持可能な発展」と表現し、何を維持するかは、環境を維持するという理解です。さらに「都市計画や環境計画などの公共計画は、持続可能な社会づくりの基本といっても過言ではない。」と述べている点は、同感です。
 私は参加の保証で、第1に「機会の保証」、第2に「議論の保証」、第3に「決定の保証」で意思の反映を主張してきました。この本では参加の保証が理論的に整理され、展開されています。ESHモデル、つまりEは専門家、Sは多様な利害関係者、Hは混成の場を形成し、透明性の高い議論をするとしています。これらの運営は科学的で民主的であることを指摘しています。成功事例として長野県の廃棄物処理施設計画の立地計画をあげています。しかし、「田中康夫知事という首長の強いリーダーシップがあって実現した」とありますが、特殊事例にしないことを望みたいです。
豊田市では枝下などの産廃の行政代執行による3億円余の肩代わり、フェロシルト問題、PCB処理施設での漏洩事故、技術的不安を抱える熔融炉の新清掃工場建設など大きな環境問題を抱えています。長野のように産業廃棄物の発生抑制まで踏み込めるのか、自治体独自のアセスメント条例ができるのか、その基本は企業の成長よりも環境を優先し、環境が維持可能な社会を目指すかどうかに関わると思います。
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