「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

景観条例制定に向けて

2005年09月15日 | 田舎暮らし
 市町村合併に揺れていた2年前の村議選に立候補して、最多得票で当選した当時30代だった議員さんが、さすが若さ! 今年になってブログで議員活動報告を始めてくれた。議員の仕事のほかに家業の旅館の忙しいシーズン、なかなか更新がままならないようだけど、村の広報紙の議会だよりより、ずっと身近な感じで、村の中で動いていることが分かってうれしい。
 今年の春ごろ、北海道の美瑛町を中心に「日本で最も美しい村」連合を設立しようという動きがあって、それに大鹿村も参加しないかという話があるという情報をブログで読んでいた。その後どうなったかと思っていたら、先日の村政懇談会で、参加する方向で手を挙げているとのことだった。
 その参加要件の一つが、景観条例を持っていること。村では今までなかったので、今、制定に向けて動いているそうで、条例の草案というか、たたき台段階のものが紹介されていた。
「……美しい大鹿村の風景は(中略)村を訪れる多くの人々の心を癒やし、さらに産業的、環境的、学術的にも極めて高い価値を持っています」
「美しい大鹿村の風景を人類全体の共有財産であると認識し、これを守り、持続し、後世へ伝え残す義務も果たさなくてはならないと考えます」

 今、地方の過疎の村は経済優先の世の中で切り捨てられようとしている観もあるけれど、そこには、美しい自然景観、独自の伝統文化、人々の温かく素朴な心など、忙しい現代社会が見失ってしまっている価値がたくさんある。スキー場もゴルフ場もけばけばしい観光施設も何もない、静かな村だからこその価値が本当にたくさんあると思っている。
 願わくは、景観条例制定、そして「日本で最も美しい村」という動きの中で、まずは村の人たち自身がその価値に気づいてほしいし、過疎地にお金を落とすことが税金の無駄遣いだと思っている都会の人たちにも気づいてほしい。