「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

省エネ意識

2008年12月06日 | 自然・環境
 このところ多忙で更新が滞っていたら、何となくgremzくんの木がしおれてきたような気がするので、取りあえず何か書いておかなくて。
 今ポーランドのボズナニではCOP14(気候変動枠組条約締約国会議)が開かれているけど、日本では不況の話や政局の話ばかりで、新聞にもあまり載ってない。京都議定書の関係では、2012年までに1990年比で6%CO2を削減しなくてはいけないことになっているのに、削減どころか増えているのが現状で、排出権取引だの何だの、いろんな京都メカニズムといわれるものを駆使したとしても、7%だったか何だったか削減しなくてはいけないらしい。産業部門では省エネが進んでいるので、CO2の排出は増えていないけど、運輸部門と民生部門で増えていて、運輸も頭打ちになってきている中、民生部門とサービス部門で相変わらず増え続けているのだとか。
 そこのところで、先日聞いた話だけど、どこかの研究所が省エネ意識の有無が実際のエネルギー消費にどのくらい影響するかということを調べたそうだ。いろいろな省エネ行動を心掛けている世帯と、無頓着な世帯、平均的な世帯と分けて、そのエネルギー消費量を比較すると、省エネ世帯は平均世帯よりも2割少なく、無頓着な世帯は平均世帯より3割多いらしい。自分一人やったって何も変わらないと思う人も世の中には少なくないと思うけど、実は意識の力はかなり大きいのだと改めて思った。
 ヨーロッパの方では閉店法というのがあって、夜は店を閉めなくてはいけない国もあるらしい。コンビニを規制すべきだという話が時々浮上したりするけど、いよいよCO2排出を減らせないとなったら、そういうことにもなるかもしれない(うちの村にコンビニはないから関係ないが)。上からの規制でそういうことになるより、自分たちの意識変革で物事を変えていける方がずっといい。

植林ブログパーツ

2008年11月14日 | 自然・環境
信毎のサイトで面白いものを見つけた。「植林ブログパーツ・グリムス」、今年の信毎ホームページ大賞のグランプリだとか。ブログの投稿回数に応じて、バーチャルの苗木が成長し、大人の木に成長すると、実際にNGOの人が植林してくれるのだそうだ。右上に早速貼ってみた。頑張ってブログを書き続けようというインセンティブにもなりそう。左の「緑のgoo」は、検索すると収益の15%が環境NGOに寄附されるというものだけど、植林というのはもっと具体的で面白い。バーチャルの苗木の成長ぶりも楽しみ。

しかし・・・バーチャルの前に、先日いただいた花桃の苗木を植えなくては。

緑のgoo

2007年10月17日 | 自然・環境
 緑のgooの公式テンプレート第1号ができたということで、早速変更しました。緑のgooで検索をすると、その収益の15%が環境NGOに寄附されるそうです(説明はこちら)。検索自体は普通のgooと一緒で、gooの検索はGoogleのデータベースを使っているので、Googleで探せるものは基本的に探せるそうです。ブログパーツやツールバー、検索プラグインなどの形でも利用できます。
 先日、緑のgooがスタートしたとき、すぐブログパーツを使いたいと思ったのですが、gooブログの無料版ではテンプレートのカスタマイズができないので、記事に貼ることはできても、サイドメニューに組み込むことができませんでした。なので、今回の緑のgooの公式テンプレートの登場は大歓迎です。しかし、このテンプレート、いまいちです。特に本文部分の幅が狭い! 今まで貼り付けた写真のうち、幅が広いものはサイドが切れてしまうようです。切れていると思われるものは、写真をクリックして全体をご覧ください。

森林税

2007年10月15日 | 自然・環境
 今日は「ブログが行動を起こす日(Blog Action Day)」なのだそうで、「環境」にかかわることを書くことにする。 

 先日、仕事で某県の水源環境税の話を耳にした。そういえば長野県でも、今、森林税が検討されている最中だったなと思って、県のサイトをチェックしたら、9月中に「みんなで支える森林づくり県民集会」が各地で行われていて、意見募集も10月1日までで、もう締め切った後だった。
 既に環境税は24の県で導入されていて、森林面積も森林率も全国3番目の森林県である長野県としてはむしろ遅いぐらいだと思うが、とにかく森林保全のための税の導入には(明確にその目的のために使われるのであればという前提で)大いに賛成したい。
 それで、「森林づくりのための新たな財源確保の方策について(検討案)」をダウンロードして読んでみた。森林には、土砂災害防止/土壌保全、水源涵養、地球環境保全、生物多様性保全、物質生産(木材等)、快適環境形成、健康レクリエーション、文化等、非常に多面的な機能があること、長野県の森林は戦後昭和20年代~40年代にカラマツ等の針葉樹による単一樹種の一斉造林が進められて、33万haの人工林が造成され、それが今後10年間のうちに間伐を実行する必要のある先送りのできない時期を迎えていること(間伐しないと、上記の森林の多面的機能を発揮できない)、林業の採算性が悪化し、林業従事者が大きく減少する中で、管理放棄された森林が増加しており、森林所有者・林業・木材関係者だけの努力では森林の適正な管理が困難な深刻な状況にあることなどの現状が前半に分かりやすく述べられていて、森林づくりの今後の方向、そして後段には具体的な費用負担の方法、新たな仕組み(つまり新税)の検討案が提示されていた(ただし、金額等は今後の検討ということで、既に実施されている24県の例が示されている。他県では、個人超過税額が500円、法人超過税額が5%程度のところが多いようだ)。
 各地での県民集会のほか、一昨日にも「みんなで支える森林づくりシンポジウム」が行われたそうだけど、会場ではどんな意見が出たのだろうか。森林保全のための費用をみんなで担うという趣旨そのものには賛成だけれども、とにかく使途を明確にして、確実に間伐作業を中心とした森林整備に使われているのかどうかが県民に見えるようにしてほしいと思う。

大型風車建設計画その後

2007年09月21日 | 自然・環境
 昨年、近隣の伊那市における大規模風力発電計画の話を書いて、その後、伊那市長が反対を表明した話も書いた。これでストップするのかと思って、ちょっと安心したようなところもあったのだけど、どうやら事はそう簡単にはいかないらしい。三峰川電力では、この8月に自主的環境影響評価方法書を公表したそうだ。ところが、市長が反対だからという理由で、市役所での閲覧は行われず、本社とホームページのみでの縦覧だったそうで、すでに9月12日に縦覧期間は終了してしまったとのこと。これに対する意見書の提出期限は9月26日までだそうで、こちらで受け付けている。

夏至の日に

2007年06月22日 | 自然・環境
 夏至の今日は「100万人のキャンドルナイト」をはじめ、各地で環境問題を考える集いが持たれるようだ。この日に合わせて、地球温暖化問題を広く訴える豪快な号外をまくという運動も行われているらしい。富士山ではWorld Peace & Prayer Dayという祈りの集いも行われている。
 朝、子供を送っていくとき、カーステレオの中から聞こえてきた環境問題の話の中に、「日本中の電気ポットで原発2基分の電気を消費している」とあった。どういう計算をすると、そういう数字が出てくるのか知らないが、原発2基分はちょっと多すぎじゃないかという気もする。ただ、電気ポットは電気の無駄遣いの象徴例として、よく挙げられるもののようだ(うちでは買おうと思ったことすらないけど)。
 そもそも、電気を熱に使うこと自体、相当なエネルギー資源の無駄遣いなのに、「オール電化」などと臆面もなく宣伝している電力会社が本気で省エネ・温暖化に取り組んでいると言えるのかと疑問に思ってしまう。それでいて、二酸化炭素を出さない原子力などといっているのだから。原子力でも火力でも、要は資源を熱エネルギーに変えて、蒸気でタービンを回して発電する一方で、大量の熱を温排水という形で放出している。それを考えたら、熱エネルギーを必要とするものは、なるべく電気ではない、もともとのエネルギーをそのまま使ったほうがはるかに効率的なはずだ。お湯はガスこんろで沸かして、ポットに入れておけばいいだけの話である。
 私がより本質的なところを見るべきだと思うのは、例えば、そういうところです。

バイオエタノール(続)

2007年06月05日 | 自然・環境
 一昨日、かなり舌足らずのバイオエタノールの話を書いたら、日経BPの本日の必読記事に森永卓郎氏の「食べ物を燃やす~何かおかしい今のバイオ燃料」が取り上げられていた(全文はこちら)。言われてみると、確かに、値上がりしているトウモロコシ、小麦、オレンジ、大豆はアメリカの主力輸出農産物だ。やっぱり、アメリカの思惑なのか・・・。
(写真は内容とは関係なく、目の保養に、村で咲くクリンソウです)

耕作放棄地

2007年06月03日 | 自然・環境
(バイオエタノールの話からの続きです。そんな食料とエネルギー事情の中で、日本を見てみると) 
 今、日本の耕作放棄地の面積は、なんと埼玉県の面積に匹敵するほどらしい。実際、うちの村でも、過疎化で人が去り、だれも耕す人もなくなったところは至るところにある(うちの周りの畑も今一部しか作付けしていないけど、これは一時的なもので、いずれまた畑に復帰したいとは思っている)。でも、こんな条件のよくない山の中の田畑でなくても、もっと条件のよいところでも、耕作が放棄されているところがたくさんあるのだろう。
 日本の食料自給率はカロリーベースで40%というのはよく言われる話で、これだけ耕作放棄地がありながら、食料、特に家畜の飼料など大半を輸入に頼っている状況は、どう考えても食料安全保障上も問題だと思うけど、何ら有効な手だてもないまま、農山村からは若い人が流出し、高齢者ばかりが残された農山村では、年々耕作放棄地が増えていく(前項のバイオエタノールの原料だって、よその国の食料を奪わなくても、日本の耕作放棄地に作付けすればいいんだと思うけど、とにかく耕す人がいなくなって放棄されている状況が改善されなくては、それもありえない)。今、自給率が高いお米だって、田んぼの担い手は高齢者がかなり多いはずだから、何もせずに手をこまねいていたら、どうなっていくか分かったもんじゃない。
 日本は資源がないとよく言うけど、中国の人が飛行機で日本に来たら、上空から見たら、日本の山は色が違う。山に木がたくさん生えていて、至るところ水が豊富だ。水不足の中国から見たら、日本が資源がないとは言えないと思ったという話も聞いた。
 木質バイオマスを有効に利活用する方法だって、いろいろ開発されつつある。第一次産業がもっと大切にされて、農山村で今利用されないでいる資源(耕作放棄地や森林など)がもっと活用されれば、日本はすごくいろいろなことが変わりうるのだろうと思うけど、現実には今、都市と地方の格差といった言い方でいわれているのは、完全に都市型の価値観の話のように思う。そうではない別の尺度を持った農山村の価値が、もっともっと大切にされて理解されてほしいものだと思う。人間が生きていくのに最も基本的かつ不可欠な食べ物を生産するのが農業等の第一次産業であり、その現場が農山村なんだから。
(久々に農業絡みの話を聞きながら、つらつら思ったことです)
 

バイオエタノール

2007年06月03日 | 自然・環境
 最近マヨネーズの値上げがニュースになっていた。要は、地球温暖化絡みなどで最近急速に推進されているバイオエタノールの原料にトウモロコシなどが使われるため、食用油の値段が高騰しているためらしい。これは日本だから、今のところマヨネーズの値上げ程度のニュースで済んでいるけど、例えばトウモロコシを主食としている人たちにとっては、大変な問題だろうと思う。トウモロコシの需要増で高く売れるため、大豆など他の作物を作っていた畑でトウモロコシへの転換も起こっているそうだから、他の食料も不足して値上げになってくることが考えられるし、畜産の飼料にも輸入トウモロコシが大量に使われているから、畜産製品の値上げもそのうち起こってくるだろう。また、食用でなければ遺伝子組み換え作物がばんばん作付けされるだろうから、遺伝子組み換えでないトウモロコシなんて本当に貴重品になってしまうかもしれない(トウモロコシの花粉はかなり広範に風で飛ぶらしい)。
 食料かエネルギーかといったら、当然食料の方が優先されるべきだと私は思うけど、それにしても、カーボンニュートラルで、一見「地球に優しい」と思われているバイオ燃料も、実は今、相当いろいろ深刻な問題をはらんでいるみたいだ。まして、熱帯雨林を破壊して、アブラヤシのプランテーションを造って、そこから作ったバイオディーゼルを遠方まで運んだりしたら、全くカーボンニュートラルどころじゃなさそうだ。
 地球温暖化絡みで出てくる話の中には、本当にそれが環境のために良いのか、持続可能性を持つものなのか、疑問に思えることが幾つもある。地球環境をこれ以上悪化させない取り組みそのものは重要だと思うけど、何が本当に優先されるべきなのかはよく考えないといけないなと思う。
 気候変動そのものは地球の46億年の歴史の中で繰り返し起こってきたことだし、種の大絶滅だって何度も起こっていることだ(ただ、それを人間の身勝手な営みが加速しているのは、もちろんよくないことだと思うが)。そこまで長いスケールでなくても、ネイティブアメリカンの人たちがいう7世代先の持続可能性ぐらいは考えて、より本質的なところを見ていく視点も必要だと思う。
 

ファイトレメディエーション

2007年02月03日 | 自然・環境
 音がいまいちクリアでなかったので、何と言っているのかはっきり聞き取れなかった。何となくそのように聞こえる音を片仮名書きしてググってみても、それらしきものは全くヒットせず。でも、分からないまま納品するのは許せない内容の言葉だったので、次に関連語句を幾つかほうり込んでググってみた。「カドミウム」「土壌汚染」「植物」「吸収」で、一発で見つかった。
 チェルノブイリ原発事故の被災地支援をずっと続けている救援・中部で昨年から始まった「菜の花プロジェクト」も、まさにこの一種かもしれないと思った(救援・中部の通信にはバイオ・レメデーションと書かれていた。似たようなものかな)。
 原発事故から20年たって、今なお放射能は60%土壌に残るという。汚染地で生産された食料で、また人々の被曝が続くという連鎖を断ち切って、汚染された土地で暮らざるをえない人々に希望を作りたいという願いのもとに始まったプロジェクトだ。
 植物は土壌の中からカリウムやカルシウムを吸収して育つ。チェルノブイリの土壌汚染放射能の主なものはセシウム137とストロンチウム90で、セシウムとカリウム、カルシウムとストロンチウムは同じ属なので、植物は区別せずに吸収するそうだ。だから、汚染食料になってしまうわけだけど、菜種を栽培して、菜種油をディーゼル油に転換して、トラクターの燃料にする。バイオディーゼル油にはセシウムやストロンチウムは混入しないらしい。放射能は油かすや残渣、植物体に残る。これらをメタン発酵させて、メタンガスも燃料として利用する。最後に残った放射能が濃縮された残渣は低レベル放射性廃棄物として処分する。そうやって、少しずつ土壌の浄化していこうという、ある意味では気の長い話だけど、何か希望の見えるすてきなプロジェクトだなと思う。バイオ・エネルギーは地球温暖化対策でも注目されている。
チェルノブイリ救援・中部のホームページのトップには出ていませんが、こちらに紹介されています。いろいろフォローの風は吹いているけど、足りないのは資金だけだそうです。ぜひご支援を。