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おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

絶滅危惧人種

2023-05-27 11:26:06 | 日記
 かつて一緒に仕事をした僕の彫刻のお師匠さんに、十数年ぶりに会った。きっかけはまったくの偶然で、たまたまお師匠さんが奥さんにスマホで電話しようとしたら、住所録でひとつ隣にあった僕の番号を押してしまったからである。「お久しぶりです。今、大分にいます」という話から、一緒に昼飯でもどう、ということになって車で迎えに来た。

 昼飯を食い、このあとどうするということになり、最近始めたという農泊の家を見においでと、誘われるまま連れて行ってもらった。

 農泊というのは、農業体験をしながら宿泊できる民宿のことで、グリーンツーリズムに登録しておくと、中学校の体験学習などで、数人ずつ振り分けられてくる、という話であった。一般の人も泊まれるし、誰もいないときでも、友人知人が遊びに来るということで、地域の拠点にもなっていた。



 もともとお師匠さんは造園業社で、チェーンソーアートをやっていて、そこで一緒にやらないかと誘われた縁で、プライベートでもときどき話をする仲になった。とにかく何にでも興味を持つ人で、彫刻だけではなく、絵を描くし、音楽もやる。そもそも仕事は花づくりをする農家で、ビニールハウスも自分で作る。家も自分でリフォームする。電気工事もする。何でも手作りで、挙句の果てには何かを作るために必要な道具まで手作りする。

 農泊の家に置かれていた楽器も手作りだ。子供たちがやって来ると、いろいろ指導してものづくりの楽しさも教える。今どき、ここまで何もかも自分でやってしまうという人は珍しい。そういうわけで、僕は昔からずっと「絶滅危惧人種」と呼んでいる。昔はこういうふうに、何でも自分でこなす人というのは多かったからだ。

 さて、その活動は個人を超え、影絵劇団を作り、リコーダー(縦笛)クラブも主宰する。頼まれればイベントで披露する。そんなこんなで、とにかく数十年の活動を喋るので、お昼から真夜中まで話し続けだった。奥さん曰く、「田舎にはそういう話を聞いてくれる人が少ないから、よっぽど溜まってたのね」なんだそうだ。

 ちなみに農泊の屋号は「SANKIRAI」とアルファベットで表記していた。「さんきらいって何ですか」「植物の名前だよ」。調べてみると、蔓性の植物「山帰来」とある。蔓と棘だらけなので、猿も引っかかることから、和名では「猿取りイバラ」と言うらしい。
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