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おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

勝って兜の

2025-04-01 11:31:11 | 日記
 「勝って兜の緒を締めよ」という言葉がある。誰の言葉かというと、北陸地方を支配した上杉謙信と互角の力があった戦国武将北条氏康の父、北条氏綱の遺言らしい。今調べたら、そう書いてあった。意味は文字通り、「敵に勝ったからと油断して兜を頭から外すと、敵から反撃を受けて負けてしまう可能性があるため、最後まで兜の緒を締めて用心しなければらない」ということで、うまく行ったからと言って油断するな、気を引き締めろという戒めの言葉だ。

 突然こんな言葉を思い出したのは、テレビでフジテレビの記者会見をやっていたからで、今回のテレビ局としての体たらくは、結局は過去の成功体験が、会社をおかしなことにしてしまったと思うからである。

 かつてフジテレビには全盛期があり、それは多くをバラエティ番組に頼るところが大きかった。そのため、報道機関というよりも娯楽番組の制作会社となり、「面白くなければテレビではない」というキャッチフレーズまで掲げていた。会社のトップには報道よりもバラエティ番組を制作していた人たちが並び、真実を封印してでも面白い番組さえ作っていれば会社は反映すると信じていたのだった。

 成功体験というのは、よほど注意してかからなければ、いつまでもそのことに引っ張られることになる。日本経済の今の体たらくも、実は高度成長期という成功体験が、日本社会の構造を変えられなかったということで言えばフジテレビと同じである。

 戦後日本は欧米に追いつけ追い越せとガムシャラにトップを目指した。そのためには、技術やアイデアを欧米から輸入し、ひたすら大量の製品を作ることに専念した。多くの労働者が働き蜂となり、寝る暇を惜しんで物作りをすることで、安い商品を輸出することができたのだった。

 が、一旦トップに立つと、技術やアイデアを他所から持ってくるわけには行かない。オリジナルなものを次々に生み出す体制を作って来なかったため、日本の立場は人件費の安い中国やタイ、ベトナムといったところに取って代わられたのだった。

 24時間ガムシャラに働けば給料が上がり、経済が上向くといまだに考えている人たちがいるが、それが高度成長期という成功体験から来ている、ということには気づいていない。本当は、経済が上昇している時にこそ、兜の緒を締めなければならなかったのだが、油断からすべてが負け戦になってしまうのである。
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