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おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

ジェンダーレスな時代

2025-04-04 10:25:33 | 日記
 今年の春から古文書を読むための勉強を始めた。通信教育のテキストではまず「離縁状」から始まる。今でもそうだが、人が文章を書いたり読んだりするのに一番必要になるのは、お役所への届出や通達を読むためだからである。その点、身近な「離縁状」からということらしい。

 で、テキストにある当時の離縁状がこれ。普通の人が書いた普通の離縁状である。



 兼輔さんから奥さんのおきんさんに出した離縁状である。内容は「私は婿養子として縁組しましたが、今回離別することになったからには、あなたがどこの誰と縁組しても、決して干渉することはありません」という断り書きだ。これだけ見ると、兼輔さんの方が家から追い出されたように見えるが、実際離縁されたのは旦那さんのようだ。

 というのも、離縁状というのは、どちらから離婚を申し出ようと、お役所に出す離縁状は旦那さんが書くことになっていたからで、時代劇でよく離縁することを旦那さんが「三行半をくだす」というが、あくまで旦那の顔を立てていたまでのことで、実際には女性側から離縁することも多かったらしい。

 ではなぜ女性側から離縁を申し出ることが多かったかと言えば、今と違いほとんどの家庭が農家である。機械化が進む現代と違い、昔は田植えや稲刈り雑草取りなど、女性の労働力も男性と同等に必要だったため、女性の仕事も巷に溢れていたのである。要するに、経済的には男性も女性もあまり違いがなかったから、男性に頼る必要がなかったのである。

 男女の差がないということになると、異性としての意識も低くなる。今と違い、女性は男性が守るべきか弱き者ではなく、同等の存在でもあった。従って銭湯にしろ温泉にしろ、明治までは混浴は当たり前だったのである。

 ところが、明治になり先進国の仲間入りを果たそうとする政府は、西洋の真似をして、男性は外で仕事を、女性は家を守るべき存在だとした。西洋がそろそろウーマンリブの世の中になろうとしていたのだから、実は日本の方が先を行っていたのである。そんなわけで、混浴も恥ずかしいこととされた。そうした教育がなされたため、今の日本人の中にはすっかり洗脳され、女性はいまだに家を守る存在であると信じている人たちもいるが、本当のところは男性中心の社会にした方が先進的だと信じていた近代の風潮によるところが大きいのである。

 同じように世界の仲間入りをするのに恥ずかしいと政府が考えたのに、里犬、村犬の存在である。かつては犬は村の中を徘徊する人間と同等の存在であって、愛玩動物として各家庭で飼われるということはあまりなかった。犬は村の中を自由に歩き回り、好きな場所で餌をもらい、外からやって来る村人以外に対して警戒した。これが海外から来た外国人には、恐怖の対象となったのである。

 その後、お役所はせっせと野犬狩りというのを実施した。里犬、村犬には首輪をして繋いでおけとなった。犬にとっては苦難の時代の到来である。今や犬は猫並みに小さくなり、お座敷で可愛がられているのである。
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