僕は芸術、スポーツ何でも、鑑賞よりも自分がやらなきゃ気が済まない方で、三つばかりの「やっているもの」を持っている。中でも、最も熱中しているのがクラシックギター。若い頃から独学で主としてカルカッシ教則本を思い出したようにやってきたが、定年後は教師について習い始めた。現在まで25ほどのギター曲が弾けるようになった。といっても人前で弾けるのはその半数ぐらい。この10月から11月にかけて3カ所の発表の機会を持つことになっている。10月の終わりにギター・デュエット(ソル作曲「月光」)、11月には独奏が1回(タレガ作曲「アラビア風奇想曲」)と、その1週間後フラウト・トラベルソという古楽器の伴奏でもう1回(宵待草、浜辺の歌、ゴセックの「ガボット」)。
こうは言っても人前で弾くのは指が震えるのだ。初めの頃など曲にならなくて、最近精神安定剤を飲んでやるとやっと「聞き手に迷惑ではないだろう」という程度にはなったか。先生の勧めなのだが、ほっとできるようになったら「人前に出る機会」が増えた。
ギターっていいよ!まずちょっと愁いを帯びた音色が好きだ。そして旋律と和音伴奏とをピアノのように自分1人で弾けるのね。旋律を響かせつつ、それをいろんな形、奏法の和音で浮き立たせていくのが、とにかく心地よい。それでいてピアノと違って持ち運びが簡単。僕は2泊以上の旅には必ずギター持参。毎日の練習を欠かせたくないのが1番の動機、外国旅行にも必ず持っていく。
例えば、中国は雲南省の少数民族の古都、麗江(ナシ族)、大理(ぺー族)それぞれの民族旅館中庭、誰もいない静かな夕暮、1人で練習したのは凄い思い出になっている。
因みに、外国旅行ではホテルよりも「旅館」の方がずっと良い。日本へ来る外国人も、同じ事を言いますよね。その国を味わえるんです。