九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

拉致再調査に「中韓 困惑」・・・  文科系

2014年05月31日 18時25分56秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 標題は、拉致再調査で日朝合意という出来事への本日の中日新聞6面記事の見出しである。1面ではこう。『政府、平壌に拠点検討』、『拉致調査 常設化も視野』とあった。先ずは目出度いことである。中日新聞に「中韓 困惑」と書かれた両国でさえ、「人道の見地から支持」とか、「地域の平和と安定に有益だ」とかと、まっ先に先ず述べている。
 ところで、6面の記事は、この両国がこの出来事に複雑な心境であるとも解説している。朝鮮の後ろ盾である中国は日本の対北経済援助に困惑し、韓国は韓国で韓米日の対北制裁協力が乱れるのではないかと恐れているとあった。
 ところで、この問題で本日、田中宇氏の配信ニュースにこんな解説記事があった。この解説にほの見える東アジア政策ならば、5月8日拙エントリー『「アジア力の世紀」の要約と書評』の著者が説く日本の外交進路と重なる部分が大きいと思ったものだ。拉致再調査ニュースを見ながら、必然的にそんなことを考えていた。

【 田中宇 5月31日配信「拉致問題終決の意味」より

 米国の覇権が衰退する一方で、中国の台頭やBRICSの結束が強まり、世界の覇権構造が多極化している。日本人は関心を持たないが、中国からコーカサスまでのユーラシア中央部では、中露の覇権が急速に強まっている。そんな中で日本は、対米従属以外の自前の戦略として、今回の、北朝鮮に資金をやって中国の言うことを聞かなくさせる嫌がらせ策を超える戦略を持っていない(嫌がらせ策でも、新たに打ち出しただけ大きな前進だが)。
 朝鮮半島は戦前、日本の覇権下(国内)だった。今の日本人の多くは韓国人が大嫌いだから、朝鮮半島なんか中国にやってしまえと思うかもしれないが、これは日本の長期的な国益を無視している。戦前のような上下関係のある植民地化(併合)は「悪」だが、ドイツとフランスなどがEUとして統合したように、日本と韓国(いずれ北朝鮮も)が対等な関係で「日韓併合」するなら、EUよりはるかにゆるやかな統合であったとしても、日本は朝鮮半島を中国に奪われることを防げる。
 しかし、このような試論は、日本人と韓国人が小さな無人島をめぐって強く憎悪し合う現状のもとでは、まったく机上の空論だ。このままだと、日本は無策のまま、唯一の依存先である米国をいずれ喪失し、中国沖の孤立した弱小島国に戻るしかない。】

イラク戦争以来世界から信頼を失ったアメリカは財政的世界支配力なども急速に落ちていて、TPP強要や「思いやり予算」死守など自国のことで精一杯になり始めた。安倍政権でさえ既に、アメリカと一定の距離を置く方向にも動き始めているふしがある。この「拉致再調査」も「ロシアへの接近」も、統合EU軽視(蔑視)も、「そういう方向の現れ」だと、僕には思われる。それでさて日本は、安倍政権は、これら全体としてどういう国際的立ち位置を目指すのか。解釈改憲も「首相が、立憲主義を破壊」も、靖国参拝なども、当面のそういう彼らなりの方向の現れなのだろうが、これではBRICs諸国と対立を生むのも必至だし、国家財政赤字も莫大なものになって行き、消費税などはうなぎ登りなのではないか。こんな方向では、日本の将来など無いも同然だと思うのだが、どうなのだろう。特に、アメリカのように、金融で他国が物作りで貯めた金をむしり取ろうとか、他国の大会社を買い占めるとかなどは、嫌われる暴力のようなものだと思うのだが。
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日本では65歳以上の高齢者に力がある。    らくせき

2014年05月30日 14時45分45秒 | Weblog
中央日報の金永熙(キム・ヨンヒ)論説委員が
日本屈指の世界的な国際問題専門家、
船橋洋一「日本再建イニシアティブ」理事長と2時間にわたり、
北東アジアの平和の道をテーマに対談。
その中の一節。

金=安倍政権ははいつか平和憲法を改め、再武装しようという意志が強いようだ。
長期的に見て平和憲法に慣れた日本の国民がこうした改憲に賛成する日がくるだろうか。

船橋=そういうことない。集団的自衛権に関する憲法解釈一つを見ても、
こういうことを推進することに対する不安感と抵抗、
そして連立パートナーの公明党の創価学会側の反応などを見ると、
国民も最後は賛成しないだろう。
65歳以上の高齢者の声も計算しなければいけない。
高齢者は戦後日本がこれほど成長したのは、
平和憲法と日米同盟があったから可能だったと信じている。
日本では65歳以上の高齢者に力がある。

名無しさんが揶揄する高齢者は力があるそうです。
頑張りましょう。

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「首相が立憲主義を破壊」 文科系

2014年05月29日 14時19分44秒 | 国内政治・経済・社会問題
「首相が立憲主義を破壊」、これは本日中日新聞2面「国民安保法制懇が発足」を知らせた記事の見出しである。現在の日本政治、政権は真実、そういう局面にあると思う。近代以降の民主主義政治にとって最も大切な立憲主義とは、政府を国民が縛るために憲法を設けることになったというものだ。民主主義政治の最高の目的である国民の自由、生命、健康、財産、平和などの基本的人権などを守るために、これを破壊するような形でたびたび独走しやすかった政権というものに対して憲法という縛りを入れたということである。ヒットラー、東條、スターリン、毛沢東らの政権は、皆これを踏みにじった。嘘の理由でイラク戦争に国民を駆り立て、多数の若者や世界50万人を直接間接に殺したジョージ・ブッシュやブレア政権も、同じだろう。

 さて、いま安倍政権が解釈改憲をやるという。「政府が憲法解釈を変えられる」と叫び始めている。憲法、立憲主義そのものの根幹に抵触するような根本的な誤りだと思う。その理由を安倍が述べた言葉がまた、振るっている。「今はもう政府の独走などありえないのだから」だそうだ。じゃあ聞くが、解釈改憲を自らやるということ自身が政府の独走ではないのか。憲法解釈はまず、政府がやるものではなく裁判所がやるものだろう。また憲法解釈に関わって政府の中にも内閣法制局という部局があるが、ここの従来法制解釈による抵抗を人事変更によって断ってまで、解釈改憲を強行しようしてきたのは誰か。これら一連の流れ全てに抗議して「首相が立憲主義を破壊」しようとしているから「国民安保法制懇が発足」ということなのである。
『樋口陽一東大名誉教授をはじめ憲法、国際法、安全保障の重鎮や専門家12人が安全保障についての考えの違いを超え、「解釈改憲による行使容認は許されない」との一点で一致。設立改憲には6人が出席した』(冒頭の、中日新聞記事より)

 政権のこんな行動はこうして、端的に言えば不法どころか無法行為と言える。行政のこんな行為を許すことそのものが、立憲主義が最も恐れている政府独走という事態なのであって、だからこそ見識ある憲法学者達がこう叫んでいるのだ。「首相が立憲主義を破壊」と。ちなみに、首相の諮問機関「安保法制懇」には憲法学者は1人しかいないとか。こんな「解釈」を首相にさせようとする懇談会には、まともな憲法学者は入れないということだろうか。こういう諮問機関自身が、これまた大変な暴走なのだから。
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フクシマ健康調査、一事が万事  文科系

2014年05月28日 01時54分31秒 | 国内政治・経済・社会問題
 最近ここでフクシマ原発事故・県民健康調査検討委員会が発表した子どもの甲状腺癌関連数字が大いに問題になっている。ところで、この委員会の発足時の「闇」を暴露した本が岩波新書から13年9月第一刷発行で出ていて、去年11月16日にこのブログに僕が書評紹介エントリーを書いた。著者は、日野行介・毎日新聞東京社会部記者である。この委員会が当初から正式委員会の前に必ず秘密会議を開いていた事を暴露して、会議決定方向・結論の誘導をしていたのではないかと日野氏が告発記事を書いたのだが、この記事に至るまでの長い努力のいきさつがこの本の内容である。この記事自身は12年10月3日の毎日新聞に載って、福島県議会など世を大変騒がせたものだった。この時までの1年数か月で既に、8回の正式会議と8回の事前秘密会議とが終わっていて、あらかたの検討委員会方針は決まり、その初期調査も着手されてしまっていたのである。フクシマ事故放射能被害健康調査関連の全てが、国の責任分も含めてこの一機関に委ねられていたにもかかわらずということだった。

 この本の一部を改めて、再掲する。同書中にはこの検討委員会を最初に主導した1~10回までの座長である山下俊一福島県立大学副学長への13年4月3日の直接インタビューを記事にしたものが15ページ分載っている。そこで、日野氏は山下氏のこんな応答も引きだしている。

 日野氏「『資料は(正式会議の)事前には配られていない。県は私にもストーリーを持ってこない』と(以前の私とのインタビューで)言っていましたね。なんであんなことを。」
 山下氏「県を擁護したつもりでした」
 日「問われる問題であることは分かっていたんですね」
 山「そこまでは分かりませんでしたよ」
 日「あれは嘘ですよね」
 山「まあ端的に言えば」
 日「秘密会を開く目的は、一定の結論を導くため、過小評価する目的ではないんですか」
 山「少なくとも結論ありきではない」
 日「本会議で何を話すか、逆に何を話さないようにするかまで秘密会で決めています。健康診査の線量基準などは典型例ですが、先生は再三わたって『今回は(本会合で)議論しないように』と釘を刺しています。これは議論の制限であり、情報操作ではないのですか」
 山「これは私の意見として言ったものです」
 日「なぜ本会合で県民の前でしてはいけないんですか」
 山「してもいいと思います。議論を尽くせない段階だったからだと思います」
 日「山下先生としては表に出せる議論と出せない議論を分けたつもりはないのですか」
 山「まったくない」
 日「県も同じ考えでしょうか。進行表の書き方は違いますよね。それに沿ってやる以上は分けたことになるのではないですか」
 山「座長としては進行表を使いますから、県への配慮がなかったかといえば嘘になる・・・・。」

 以上は同書194~195ページから抜いたものだ。なお、山下氏は、13年6月の11回からは会を退かれている。
 この書は、フクシマ県民の健康調査のことを語ろうとする人にとって必読の書だと、僕は考える。また、上の福島県事務局の会議への事前操作と疑われたものについて、その原案作りに国が絡んでいないわけはないと僕は確信する。この大事故の唯一の大々的健康調査に国が絡んでいないなどとは到底考えられない。原子力発電行政そのものを進めてきたのが国だからである。
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新聞の片隅に載ったニュースから(149)    大西五郎

2014年05月27日 19時11分35秒 | Weblog
集団的自衛権 元海自トップ「国民の了解取らなくても」 (14.5.27 毎日新聞)

 「どこかの党が民意、民意と言っているが、外交・防衛は皆さんに任せたんです」
 集団的自衛権の行使容認をめぐり、自民党が26日開いた安全保障法制整備推進本部の会合。古庄幸一・元海上幕僚長は、国民は外交・防衛政策を政権党に全権委任したといわんばかりの理屈を語り、こう踏み込んだ。「国民にいちいち了解を取ると言わなくても問題ない。世論調査にうんぬんされる必要はなし」
 自民党の石破茂幹事長は、古庄氏を講師に招いた理由を「オペレーション(運用)するのは現場の自衛官。現場の気持が分かっているのが古庄さんだ」と説明。小泉政権当時の2003~05年、海上自衛隊トップを務めた古庄氏は、政府・自民党が目指す自衛隊の活動範囲の拡大を後押しする発言を続けた。
 例えば、米同時多発テロ(01年9月11日)後、海自がインド洋で展開した給油活動。「カナダの船が意気揚々と『油をくれ』と来て、給油が終わったら作戦エリアに帰る。うちの隊員からは(作戦自体に参加せず)何となく後ろめたい、という気持がひしひしと伝わった」と回想した。
 04年に発生した中国の原子力潜水艦による領海侵犯事件でも、今の法制度の制約で苦慮したと説明。「一番大事な法整備を急いでほしい」と訴えた。

□□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□□

 海上自衛隊のトップだった古庄氏の「国民にいちいち了解を取る必要はない」という発言は、名古屋高裁での自衛隊のイラク派兵は戦闘行為への参加で憲法に違反するという判決(2008年4月)に対し、航空自衛隊のトップだった田母神俊雄幕僚長(当時)が「そんなの関係ねぇ」と発言したことと共通するものを感じます。
 つまり自衛隊の上層部の人たちは「オレたちは国を守るために頑張っているんだ。何が必要かはオレたちが判断する。国民はオレたちのやることにつべこべ言うな。政府はオレたちが動き易いように法を整備してくれ」という気持を持っているようです。これだと、かつての戦争中の軍指導部の思考、行動と変わりがないことを憂えなければなりません。政治が自衛隊の「軍事事情優先」を押し留めなければなりませんが、自民党は安全保障法制整備の会議の講師に国民の意見など聞く必要はないと主張している元自衛隊のトップを招いています。
 新聞社や放送局の世論調査で、集団的自衛権の行使に賛成する人より反対する人の方が多く、憲法を改正する手続きを踏まずに政府の解釈変更だけで集団的自衛権を行使できるようにしようとしていることに対しては、さらに多く(50~70%)の反対があります(但し読売新聞の世論調査だけが「限定的な集団的自衛権の行使に賛成」が63%、「全面的に行使賛成」が8%)。
 最近のどの新聞の投書欄にも「集団的自衛権テロに逆効果」(23日朝日)「憲法解釈変更は権力の暴走」(25日毎日)「戦禍知らぬ首相を憂う」(27日中日)など集団的自衛権の政府方針に反対する投書が連日寄せられています。だから推進派は国民の声を聞きたくないのでしょう。
 大西 五郎
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フクシマ甲状腺癌、最近の論争  文科系

2014年05月27日 10時57分20秒 | 国内政治・経済・社会問題
 このブログで最近行われた標記論争の一部をご紹介します。こんな意見、詰問への応対って、今とても大事なことと思います。フクシマのことをきちんと伝え続けているマスコミが、中日新聞、東京新聞しかありません。

『 表現の自由? (アナと雪の女王) 2014-05-23 09:55:04
「原発を減らしたい」という想いはいいと思いますが、福島の被害の大きさを喜ぶかのような心は醜悪ですね。』

『 因果関係? (文科系) 2014-05-23 14:10:31
「福島の被害の大きさを喜ぶかのような心は醜悪ですね」と形容した僕の言辞、証拠を指摘して欲しい。「喜ぶかのような心」といった漠然とした印象非難、レッテル貼りではなく。
「症例が非常に少ない子どもの甲状腺癌は発現率100万人に1人」と言い続けてきて、30万人に90人となっても「フクシマとの因果関係はない」などと述べている「専門家」がいる。この事態こそが今、日本中でこういう論争を招いているはずだが、多さを強調する人は皆「醜悪」になるということでしょうか? 為にする非難に思えますね。』

『 事を明確にしよう (文科系) 2014-05-24 11:13:58
 醜悪なのは、むしろこういう人々と思う。
「症例が非常に少ない子どもの甲状腺癌は発現率100万人に1人」と言い続けてきて、30万人に90人となっても「フクシマとの因果関係はない」などと述べている「専門家」。
 そして、こういう人々に正に付和雷同して「少ない、少ない」とか「普通のことだ」とか叫んでいるネトウヨなどの方々。
 よって、『福島の被害の大きさを』強調することは、弱者の味方として今や清らかな行為、表現であるはずだ。なお、この「強調」だけをとりあげて「被害の大きさを喜ぶかのような心は醜悪」と「喜ぶ」という表現を使うのは、詭弁の一種と言えて、大変な誤りである。』

『 Unknown (1970) 2014-05-26 01:06:23
 30万人に90人というのは通常ならば問題にならない良性のものが多く入った数字だよ。90人が悪性ならそれこそ専門医が大騒ぎになりますんで。』

『 違います (文科系)2014-05-26 08:08:23
 違います。癌確定の51人は既に手術済みと発表時に説明がありました。元々甲状腺癌は悪性でなければ手術はしません。つまり、「悪性癌と確定」という意味です。同じく「癌の疑い」も、こうしてその実は「悪性癌の疑い」と説明がついていた。だから問題にする人々が多いのです。
 他方、県立医大がこれだけ患者が出ているのに「事故放射能との関連はまだ見えない」などと世論鎮静を図っていく当初からの方針を貫いているだけ。例えばこんな数字も既に漏れて出ているが、こっちは隠してきた。福島の西から会津、中通り、浜通と分けて、後2者に患者が集中していて、会津はほとんどいないのね。
 この問題で政府と県は、もともとできるだけ隠そうとか、世論沈静化目的という所から出発している。1年半以上続いた(福島県民健康調査検討委員会)秘密会議がその証拠。5月の発表でも君の言う高い数値になる他3県データを敢えて付けたりもね。だから、大飯判決への反応のように国論も二派に割れていく。沈静化に乗る人と、これに抵抗する人と。君は先ず、この国論分断を直視することだ。ついでいずれ誰もが、どっちに立つのか決めねばならない。「被害甚大派」か「風評、風評!派」か。多分中間はあり得なくなっていくはずだ。今までだってそうだったのだから。僕に言わせれば、この国論分裂を作っている張本人こそ、政府・原子力村だ。』

『 傍証と状況証拠 (文科系)2014-05-27 10:31:28
 こんな傍証もある。癌患者は中通りと浜通に集中しているが、その数は両者であまり変わらない。それはこういう理由によるのだろうと言われている。浜通りは避難地が多いが、中通りは避難しなかったから同じぐらいになったのだと。
 あれやこれやで、この癌患者数はもう大問題になって当たり前なのだ。それどころか、今の状況から見れば、この4月から始まる30万人2巡目調査ではさらに急増するはずだ。チェルノブイリは「5年目から出た」のではなく「5年目が発症のピーク」という説もあるからだ。
 また、政府も原発村も再稼働の障害を必死に取り除こうとしてきたのも明白。健康調査委員会に秘密会議が1年半以上も続いていた。つまり、調査結果を隠そうとしてきたし、「大したことない」と世論誘導しようとしていた。「地震によって0.3平方センチの孔が配管に開いた可能性あり」というフクシマ事故仮説、地震原因説が正しければ、全ての原発がこれと同じ地震基準を適用して作ってあるのだから安全ではなくなるのだけど、こちらの仮説は全く検証していないだけでなく、その証拠すらも隠してきた。吉田氏聞き取り文書を公表しないのも隠蔽体質を感じる。官僚たちの行動指針が、自分らと先輩の面子に拘るということ。ここからこんなことになってきたのだとも、僕は観ている。
 こうして、これからますます日本世論二分が激化する。そして、「再稼働反対」派がどんどん増えていく。大飯判決では、司法にも反対派が出たと見て良い。要は、最近言われているように「当面10年程度の経済と国の運命と、どちらが大事か」ということだ。
 今朝の中日新聞にも、こんな記事が出た。「宝永級巨大地震 過去7000年で16回」。この高知大チーム発表の記事中には、こんな説明も入っている。
「東海、東南海、南海地震の三連動で起きたとされる宝永地震(1707年)に匹敵する巨大地震が・・・」
 また、約2000年前に超巨大地震もあって他の証拠地層が消えた可能性もあり、これより多い可能性もあると。この三連動地震は遠くはないということを忘れてはいけないと思う。』
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「よたよたランナーの手記」(50) また、故障  文科系

2014年05月26日 18時20分44秒 | 文芸作品
 19日初めにこう書いた。
『7日にサイクリング。韓国旅行では、11日に4.2キロ、13日に4.5キロと、いずれもホテルのジムで走った。帰国したその日15日にもいつもの市営ジムで同じく30分走を4.2キロ、そして18日には1時間8.8キロ。この18日は、5日以来13日後という久しぶりの1時間走だったせいか、疲れた。しかも、走行途中の後半は右アキレス腱の痛みをおして走っていた。そう言えば足首の補強鍛錬を怠っていたなと』

その後は、20日に30キロを超えるサイクルツーリングをやって、23日には外コースを6.5キロほどゆっくりと走っただけだ。相変わらずの右アキレス腱痛に加えて、走りの疲れがひどいことから、色々自分で調べてみた末にこんなことが分かった。

 右アキレス腱痛が意外に長引いて、重く、根が深いものと分かって、慎重に調べた。まず、左脚全体が弱くなっていると分かった。そこから、走っているときの右フクラハギ(右つま先を蹴る筋肉)に特別な負担がかかって右アキレス腱痛がおこったのである。その原因を探っていったら、どうもこういうことなのだ。30才前に左脚つけ根の腰椎椎間板ヘルニア手術をしているのだが、その患部上下に1か月ちょっと前から違和感とごく軽い痛みがあって、これによって左脚全体がやや衰えていると発見できた。その対策として、前回に書いた右つま先立ち鍛錬に加えて、左脚全体を鍛え始めた。ただ、これらの弱っている筋肉に強い負荷をかけたら僕としては珍しく筋肉痛が起こり、それが長引いてしまった。5年前なら何でもなかった負荷による筋肉痛が今は2~3日も退いていかないのである。そんなわけで、右アキレス腱痛はもう一週間以上も続いている。
 ただ不幸中の幸いと言おうか、今回の故障の本家本元である左脚つけ根椎間症は自分で管理可能な範囲にあると、長年の経験から分かる。あれやこれやで、走ろうと思えば今日にでも1時間は走れるのだが、慎重に様子を見ている。左脚と右下脚筋の強化に日々努めながら。ただなんせ、筋肉痛が長引かぬていどの負荷というのが、意外に難しい。すべてが未体験の、僕にとって新しい局面、領域だからだ。老いとは、老いに抗するとは、そういうものなのだと痛感する毎日だ。だからこそ、早い時期に老いに敗れてしまう人も出るのだろう。僕の父もそうだったのだけれど。

 今月で73才になったが、あれこれと、本当に年を感じる時期に入ってきたものだ。ギターレッスンでも、同じなのだ。とんでもない予期せぬミスが出るようになり、全体的に音が汚くなった。歳をすり抜けながら出来る鍛錬をしていくこと、楽しい活動の活動範囲を狭めないための努力がどんどん必要になっている。「白秋に入ったから」ではなく、「白秋に入ったけど朱夏のよう」でいたいものだ。
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新聞の片隅に載ったニュースから(148)   大西五郎

2014年05月25日 18時57分06秒 | Weblog
「貧乏で泥棒も入らない」軍隊のない国を百田氏やゆ (14.5.25 中日新聞)

 NHK経営委員で作家の百田尚樹氏(58)は二十四日、岐阜市内で開かれた自民党岐阜県連の大会で講演し、日本が憲法を改正して軍隊を持つ必要性を強調する中で、軍隊を持たない南太平洋の島国バヌアツとナウルを「家に例えたら、くそ貧乏長屋。泥棒も入らない」とやゆする発言をした。
 「NHK経営委員として(大会に)来ているわけではない」とした上で、「軍隊は防犯用の鍵。近代国家はすべて自衛のための軍隊を持っている」と述べた。
 また、日本の歴史教育について「戦争で日本が悪いことをしたとばかり教えている。そんな教育で子どもが人間としての誇りを持てるか」と主張。「歴史教育を取り戻すため、自民党の皆さん頑張ってください」と呼びかけた。
 百田氏は、二月の東京都知事選の応援演説で第二次大戦後の東京裁判を批判。今月三日の憲法記念日に東京都内であったシンポジウムでも「護憲派の人たちは大ばか者に見える」と発言し、波紋を広げた。

□□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□□

また百田尚樹NHK経営委員の問題発言です。
百田氏は東京都知事選で航空自衛隊元幕僚長の田母神俊雄候補の応援演説を行い、「田母神氏以外の候補者は人間のクズだ」と批判したり、東京裁判を否定する発言をしてNHK経営委員としての適性を疑われました。このためNHK経営委員会が「委員一人ひとりが、公共放送の使命と社会的責任を深く自覚し、一定の節度をもって行動する」という見解をまとめるということになりました。
それにもかかわらず百田氏は、今年の憲法記念日の改憲派のシンポジウムにNHK経営委員の肩書きで(身分を紹介され)パネラーを勤め、憲法改正・軍隊の保持を主張し、「護憲派の人たちは大ばか者に見える」と「節度のない発言」を繰り返しました。
自民党岐阜連での講演では「NHK経営委員として来ているわけではない」と断っての発言ですが、NHKの経営委員が特定政党の大会に出席すること自体がNHKの中立性に疑問を抱かせる行為で、先の経営委員会の申し合わせを歯牙にもかけない態度と批判されても仕方がありません。安倍首相の任命責任も問題にされなければなりません。
NHKの役員をめぐっては、百田尚樹経営委員のほか、NHKの公共性・自立性を理解しているかどうかが問題とされている籾井勝人会長、右翼責任者への追悼文で天皇を現人神と呼んで憲法を否定する発言をした長谷川三千子経営委員に対しては、放送を語る会など四つの団体が共同で辞任を求める署名運動が進められており、5月22日現在全国から4万5,546筆の署名が集まりました。5月12日には5回目の辞任申し入れを行なっており、今後もNHKに署名の提出と申し入れを続けることにしています。
 大西 五郎
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掌編小説紹介 「人的風景」   文科系

2014年05月25日 13時07分31秒 | 文芸作品
 今回紹介するのは、同人H.Sさんの作品。僕としてとても気に入って、昔覚えたこんな唐詩を唱えていたものでした。時代の人生を大きく見ている所に惹かれたのでしょう。「自分の今をちょっと遠くから眺める」。今の情報だけに流されて主体性が欠けがちに見えるわが子らに、読ませたいなーと思った作品でした。
「年々歳々花あい似たり、歳々年々人同じからず。言をよす、全盛の紅顔児………」
(唐の劉廷芝「白頭を悲しむ翁に代わる」)


【「人的風景」  H.Sさんの作品
 
 私は、狭い空き地にある祠のそばに植えられた桜の木です。土地開発が進み、分譲住宅が建設されたが、謂われのある祠だからと、一角だけ手つかずのまま残された。住宅は完成して、子育て世代が引っ越してきた。
 かちゃ。ドアが開くと同時に、
「行ってまいります」元気な小学生の声が響いた。あちらの家からもこちらの家からも子供たちが飛び出し、桜木の私を背中にして立っている六年生の学童の前に集合した。六年生は人数を確認して、低学年学童たち十人以上の集団を引率して登校した。
 子供が出かけると、洗濯物を干し終え手すきになったかあちゃん達が幼子をベビーカーに乗せ近くの公園へ出かける。末っ子が小学生になったかあちゃんは、短時間のパート仕事に出かけていった。
 今から四十年前、私の目の前に展開していた日常の光景だった。
 子供が育ち高学年になると、かあちゃん達はパートで働く時間を増やし、自分の手で百万円のお金を手に入れることに励んだ。これ以上は稼がない。この稼ぎ方が一番得なやり方だと固く信じているからだ。
 職場で気の合う友達もみつけた。稼いだお金は自由に使える。旅行だって気兼ねなく楽しめるようになった。
 息子や娘は、大学生になり、家を離れ、地方に出た。就職結婚後もその地にとどまり、帰ってくる気配は全くない。
 手すきになったかあちゃん達は、プランターに種蒔き、花の苗を植えてそれを育て、四季を楽しむことを覚えた。

 企業戦士で家にいることがなかったとうちゃん達が定年退職した。家でゆっくりしたいと言い出した。
 外泊しても生きものの世話をしてくれる人が出来たと、ペットショップでお気に入りの小型犬をかあちゃん達は手に入れた。
 十万円したが高いとは思わない。部屋の中を走り回る姿に癒される。実家に寄り付かなくなった息子や娘より、ペットの小型犬の方が可愛く、家族の役目を果たしてくれた。
 夕方四時、家々のドアが開く。かあちゃん達が小型犬をだきかかえて急ぐ。かって幼い息子や娘を連れてデビュウした同じ公園だ。
 何人ものかあちゃんが小型犬をつれて集合。おしゃべりで盛り上がる。かあちゃん達の一番楽しい時間になっていった。
 小型犬は、誕生から死までの出来事を短い時間の経過で見せてくれた。愛らしさで癒された日々をくれた生きものは、人間と同じようにがんにもかかる。かあちゃんは毎日、犬の抗がん剤治療のため動物病院にかよった。治療の効果なくお別れが来た。小型犬がその命を終えたとき、こんなに手をかけ慈しんだ宝物を容赦なく奪う理不尽に、かあちゃんの心は折れた。ひどい落ち込みで立ち上がれない自分を知った。
 もう生き物は飼わない。固く自分に言い聞かせた。ふと世話を怠ったプランターの花々が目に留まった。花はなんとか命を長らえていた。これを枯らしてなるものかと、かあちゃんは世話をやいた。花は、見事に期待に応え、大輪の花を咲かせた。

 ある日突然、救急車が止まった。道を隔てた前の家のとうちゃんが体調を崩した。昨日救急車が来たかと思うと、今日はデイケアセンターの車が別の家の父ちゃんを乗せて、走り去った。
 定年後家でおとなしくしていたとうちゃんの方が、かあちゃんより壊れるのが速かった。
 何日かの入院で自宅に帰されたとうちゃんのために、治療食の弁当が夕方に配達されるようになった。デイケアから帰宅したとうちゃんも治療食を食べ、体の不具合を抱えながら頑張っている。かあちゃんと同じようにプランターの花の世話だけは手放すことはしない。実に不思議なことだ。

 片時もなにかを慈しんで手をかけ育てあげずにはいられないのは、人間の面白く微笑ましい癖だと私は見ている。
 明日何が起こるのだろう。人の生業の変化が紡ぎ出す風景を人的風景と名付け、私は捉えてきた。彼らの身の上に流れる時間の速さには、呆れるばかりだ。
 それに比べ桜木の私は、春には花を咲かせ、冬には裸木。この繰り返しを続け、同じ四十年の間に少しノッポになったぐらいで、あまり変わり映えしていない。】
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朝鮮征服目指し40年、その後35年④朝鮮併合後の日本と新憲法 文科系

2014年05月23日 13時32分06秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
 朝鮮征服目指し40年、その後35年 ④
(その4)朝鮮併合後の日本と新憲法


 今朝の中日新聞「9条の配当 われらの憲法」シリーズに、こんな言葉があった。
「犬死で無かった証拠にや 新憲法のどこかにあの子の血がかよう」
「平和憲法は全ての戦死者の生まれ変わりなんです」
 そう、明治維新以来の日本は1945年の敗戦まで無数の戦争、準戦争、武力衝突を犯してきた。その結末が初めての厳しい太平洋戦争敗戦であり、この敗戦に至るまでの「長い戦争史」の出発が朝鮮なのであると、今回の旅行と勉強でつくづく理解できたものだ。調子に乗ってどんどん事を起こし、手痛い敗戦を喫して国体が替わり、新憲法が生まれたと。

 1910年の朝鮮併合までとその後と、日本は常に戦争をしてきた。そのいくつかの軌跡を年表として記してみよう。
(1867年 明治維新)
1874年 台湾出兵
1876年 朝鮮、江華島事件 不法侵入による艦砲砲撃、上陸戦、要塞や民家の焼き討ちも含んだ小さな戦争である。
1884年 朝鮮、甲申政変 日清間主導権争い。日本派によるクーデターと日本の参戦・敗北。
1894年 東学農民戦争、日清戦争   
1904~5年 日露戦争
1910年 朝鮮併合
(併合と言うけど、植民地化へと武力で屈服をここまでエスカレートさせて来たということだ。何せ江華島事件から34年かけて徐々に主権を奪っていったのだった。この間もこれ以降も、ずーっと絶えず大小の抵抗運動が起こっている)

1914年 第一次世界大戦参戦
1918年 シベリア出兵
1919年 朝鮮3・1独立運動とその鎮圧
 『3・1運動のなかでの朝鮮人の死者は、7,509人、負傷者15,849人、逮捕者は46,306人に及ぶとされる』(岩波新書「シリーズ日本近現代史」 その「③日清・日露戦争(原田敬一著)」P143ページ)
(1919年 関東軍設置)
(1923年 帝国国防方針改定 仮想敵第一が、ロシアからアメリカに換わる)
(1925年 日ソ国交樹立)
(1927~29年 世界大恐慌)
1927年 第一次山東出兵
1928年 第二次山東出兵
張作霖爆破事件
1931年 柳条湖事件 満州事変
1937年 盧溝橋事件 日中戦争
1941年 太平洋戦争
1945年 敗戦

 朝鮮相手の小さな「戦争」についても、ほんの一例を挙げてみよう。日清戦争後1895年の閔妃暗殺事件である。
【1895年10月8日、漢城で大事件が起きた。14日、『ニューヨーク・ヘラルド』「王妃殺害の全容」という記事は、「日本人は王妃の部屋に押し入り、王妃閔妃と内大臣、女性3人を殺害した」という第一報を10日漢城から発信したが、東京で差し止められていた、と報じ(中略)
 国際的非難を受けた日本政府は、三浦梧楼駐韓公使を召還し、関係者とともに裁判(広島地方裁判所)に付したが、世界史に類のない蛮行であるにもかかわらず、「証拠十分ならず」として48人全員無罪・免訴という最悪の結果となった】(岩波新書「シリーズ日本近現代史」 その「③日清・日露戦争(原田敬一著)」P193ページ)

 こんな日本近現代戦争史を見るとき、敗戦と新憲法はこういう流れの一時代の結末として時代を画する重要なものであったのだとつくづく噛み締めるのである。この反省が少な過ぎるように見受けられる今の政権は、自ら戦争を起こすことになるという可能性について、あまりにも無自覚だと思われてならない。折しも、株価という「虚飾」はともかく、まともな職業のなさ、失業者の多さ、賃金の少なさなどなどから100年に一度と言われた世界恐慌状態が続いていることも明らかであるし。現在の世界に弱肉強食社会をもたらしている新自由主義経済は、世界の至る所にいざこざ、にくしみあい、紛争をもたらしている。弱肉強食世界に日本が乗っていくのかこれを正そうとするのか、そんな今主としてアメリカを相手にした集団的自衛権行使への解釈改憲って上記75年の反省が足らなすぎると思えるのである。朝鮮に対しても1876年江華島事件以来これだけのことをしでかしながら、今は悪びれた様子さえないように見える。慰安婦問題一つをとってもこんな批判も十分に可能であろうに。
「上記のように長い間朝鮮を疲弊させてきた末の1929年世界大恐慌後などは、日本農村などでも『娘売ります』もあった時代。朝鮮の米は群山などから日本に送って、朝鮮人は粟などを食べていた時代でもある。日本が朝鮮にそうさせたわけだ。万一ネトウヨ諸君が言うように強制がなかったとしてさえ、事実としては強制と同じ事をしてきたのではないか」

(このシリーズはこれで終わります)
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ブラジルWCの予想  文科系

2014年05月22日 11時12分40秒 | スポーツ
ブラジルWCまであと3週間。やっと、予選通過論議があちこちで賑やかになってきた。僕は2月の初め(10、11、12日)にここで3回に分けて、いろんな本をかき集めてこんな項目順予想をやってみたが、今回はこれを抜粋要約したい。「①WC予選通過の確率論、数字」、「②今回のメンタルは」、「③C組初戦2ゲームのプレッシャー比較」、「④コートジボアール戦」、「⑤日本の第2、3戦」、「⑥結論」である。少々長くなるが、終わりまでお読み願えれば嬉しい。

①WC予選通過の確率論、数字
 まず、超有名英国ブックメーカー「ウイリアムヒル」とやらの、C組オッズ数字。コロンビア、コートジボアール、日本、ギリシャの順で、1.22、2.00、2.25、2.87と、こんな大接戦の組は他には皆無であって、予想が最も難しい組である。ずば抜けたチームや弱いチームがいないからこそ、予想が難しいという意味で最激戦組なのだ。(中略)このオッズ順位を見ると、公表世界順位も影が薄くなって後景に退いていく。欧州、南米はともかく、アジア、アフリカ勢は強豪と戦う機会が少ないから、実力よりも順位が大幅に低くなってもいるし、順位に斑も大きいということだろう。
 また、確率関連ではこんな数字もある。ここ4大会リーグ戦の初戦敗退チームは46か国あるなかで勝ち残ったのは4国、8.7%。初戦引き分け以上は82か国で勝ち残り59国の72%だ。初戦がものすごく大事であって、この相手がどこかというのが各代表の最大関心事になるわけだ。初戦で強豪が敗れた組は波乱が始まるし、順当勝ちした組はオッズ通りと、そういう確率が高くなる。
 また、最近4大会のこんな数字もある。2位通過に必要な勝ち点数だ。9点満点で5点なら、すべて通過。通過平均点は4.9である。勝ち点4だと、48%の通過確率とあった。どんな事前予想も強豪国が初戦に敗れたりすれば一挙にくずれて、勝ち点4でも十分通過となっていくと、そういうことだろう。下位3チームの激戦でもそうなっていくのだろう。2位通過国の予選1ゲーム当たりの平均得失点という数字もあって、1.4の1である。失点1に抑え、得点2を上げれば勝ち、予選通過ということだ。どこも失点を防ぎつつ2得点するという慎重なゲーム運びをしているということだ。

②今回のメンタルは
 メンタルを左右するのは、こんな要素だろう。このWC大会自身の経験(この大会用の周到な準備、条件作りなども含めた)や、当たる順番、チーム戦術の堅さ、3ゲームの最後まで相手よりも走りきれる自信などだろう。世界に名高く、かつ頼りになる点取り屋がいるかどうかなどは、僕はあまり重視しない。チーム組織がメッシ、クリロナを溶かし込めなかったという例もあるからだ。これとは逆に、下馬評には挙がっていなかった選手が得点王になる例もあるし。
 コロンビアは意外にも、98年フランス大会に出た後3回出られず、今回久しぶりの出場だし、過去最高位はベスト16までと、日本と同じなのである。これが吉凶いずれに出るか。ただ、ここのアルゼンチン人監督が世界戦百戦錬磨であって、この補いが大きい。あとの二つの相手も2大会連続だが予選通過はなくって、日本の4回連続出場、ベスト16が2回にはかなり負けている。このことのメンタルに与える影響は結構大きいと思う。アフリカ諸国の準備不備はもはや有名な話だし、ビッグマッチでのチームとしての堅さ・信頼感ではコートジボアールがちょっと落ち、全3ゲームを最後まで相手よりも走りきれるという自信というメンタルでは、ギリシャとコートジボアールが落ちるはずだ。

③C組初戦2ゲームのプレッシャー比較
 さて、大事な大事な初戦は、日本対コートジボアール、コロンビア対ギリシャだ。これは、ギリシャに最もプレッシャーがかかるはずである。このプレッシャーに対しては、ギリシャチームの性格からして守って引き分け狙いと見るのが普通だろう。堅い守備からカウンターかセットプレー得点というチームだしワントップを除いた主力が高齢だから、後のゲーム例えば日本戦などの可能性にかけて無理はしないと見る。でもここは、コロンビアの勝ちが、ほとんどの識者の意見だ。コロンビアだって2戦目のコートジボアールの方が嫌なはずだし、ブラジルなどのカウンターになれているコロンビアとあってはギリシャのカウンターは怖がらないはずだ。同点でよいと考えるはずもない。また、この闘いの内容が、次の日本対ギリシャ戦に以下のような重大な影響を与えずにはおかないはずだ。ギリシャは、コロンビアとせめて同点に持ち込むという目的のためにさえ、守備陣がさんざん走り回されることになるはずである。

④コートジボアール戦
 プレッシャーはコートジボアールのほうがかなり大きいと見る。次が、ギリシャ戦の日本、相手はコロンビア戦にギリシャ戦と続くのだから。つまり、日本は引き分けでも良いけれど、相手は勝ちに来るはずだ。そして、日本の勝ちと、これが僕の見立て。
 大事なゲームでは監督の組織規律遵守と、走力、実力者たちの威圧感などが大きいと判断するが、組織性、走力では確実に日本が勝り、実力者の面子でも今の所属チームなどから日本に軍パイが上がると思う。ドログバとヤヤ・トゥーレを抜いたといえる日本選手がいないのは確かだが、前者ははや36才、後者は31才。この2人に次ぐ若手実力選手ではアーセナルからローマへ行ったFWジルビーニョ27歳というところ。対する日本には、本田、内田、長友、岡崎、長谷部、遠藤、香川。南ア大会直前に日本が全てに翻弄された強豪コートジボアールとは言え、4年後の今は日本のほうが上と僕は見ている。ブロック守備に急遽切り替えた南ア大会よりも実力がかなり上がっていて、目標とする2得点1失点は難しいことではないとも。

 対策ということでは、トップ下で来るはずのヤヤ・トゥーレをどう押さえるかが第一だろう。ドログバと彼らにゴール前スペースを与えないことである。ただこの「ゴール前スペース消し」は案外知られていないのだが、今や日本のお家芸となっている。先日のベルギー戦後に相手選手がこんなことを語っている。
『日本はとてもクレバーな守り方をしていた。スペースを絞り込み、僕たちがボールを持ったときには必ず2人、あるいは3人の選手でプレスをかけてきたんだ。試合後アザールと話したら、彼もゴールの周りでスペースを見つけるのにかなり苦労したと言っていたよ』(ベルギーフォワードのロメル・ルカク)
 ベルギーは、日本戦の直前にコロンビアにも負けているが、コロンビアと同格の相手であり、コートジボアールよりかなり上のチームである。

 この項の最後に、ヤヤ・トゥーレ自身の日本戦見通しを聞いてみよう。上手いし、速いし、強いし、身体はあるし、おまけに頭脳明晰で強力なシュート力まで備えているという世界的名選手だ。
『日本戦は、必然的に戦術的な試合になるだろう。戦略と戦略の本物の戦いになるはずだ。彼等は実に巧みに動くし、ボールを運ぶための解決策をいくつも持っている。その点で日本の選手たちは惜しみなく努力し、ボールを良く支配して動かしている。それを止めようとしたら、中盤で強力なフィジカルのインパクトを与えるのが最善だろう』
「サッカーは科学だ」と語るヤヤ。前マンC監督マンチーニがコーチか学者というように観ていたと聞いたが、なるほどという何の衒いも隠しもない見事な表現だと思う。彼が言うようにコートジボアールは中盤でバンバン当たってくるだろう。ところが日本が南ア大会以降、この当たり強さが最も改善された点だと僕は観ている。例えば、ドイツやイングランドでやっている日本選手に、当たりをすり抜ける技術も含めて弱い選手はいない。近年の日本リーグも、柏、仙台などの台頭によりこの点が全体として最も改善されたと観る。コートジボアールが4年前のイメージで来るならは当てが外れることだろう。

⑤日本の第2、3戦
 日本が初戦に勝つならば、ギリシャ戦も勝って日本は予選通過。初戦引き分けでも、やはりギリシャには勝ちと見る。ギリシャは守備が売りで、1点取って勝とうというチーム。日本戦に全てを掛けてくるだろうが、今の日本なら複数得点は出来ると見るからだ。日本は、ギリシャのような(大柄だけど動きに難があるから予測で守る)守備陣を縦横に拡げてスペースを作り、得点するのが上手いチームである。また、ギリシャ得意のカウンターとセットプレー得点についてだが、セットプレー得点1辺りに抑えることもできると思う。(中略)

 さて、C組最強を噂されるコロンビアだが、そして日本勢が南米を苦手としてきたとたびたび強調されるが、日本としてはそんなに恐れることはない。南ア大会でパラグァイと悠々引き分けた日本だし、その直後にはそのパラグアイにも、アルゼンチンにすらも勝っている。WC久しぶりのコロンビアがプレッシャーに負けて、パラグアイ、アルゼンチンほどの力を出せないかも知れない。そこで、今ならばコロンビアも全く恐れる必要なしという証言も二つあげてみよう。一人目は、最近日本に次いでコロンビアと引き分けた後に(0対0だった)、オランダの名将ファン・ハールがあちらのマスコミ記者会見で正式に語った言葉。CLを確か2度取った世界的名監督と知って、聞いて欲しい。
『日本はコロンビアよりずっと強かったよ』
 こんな評価を『滅多に他者を褒めず傲慢なイメージの強いファン・ハールが人差し指を天に向けるジェスチャーで日本を称えたのである』との形容付きで伝えたのは、あるオランダの記者。(中略)

⑥結論
 昨年のブラジル・コンフェデ大会で示されたように出来不出来に波がある日本だが、勝ち点5か4で勝ちぬけと観る。4の場合は得失点差で残る。今の日本は得点力のチームだから、入念な全員攻撃全員守備を前提としながら積極的リスクテイクも時に敢行して、得失点差勝ち残りにも有利だろうと観る。なんせ、競争相手2チームよりも走れるのが有利な点だ。ファン・ハールもロメル・ルカクも、「攻守に走るパスサッカーをすれば」という前提を付けて日本を押したのだ。(中略)
 最後になったが、監督力ではコートジボアールがちょっと落ちると見うる。ザックやヒデの友人であるこのラムーシは、監督経験ゼロのままで代表監督になった人物だから。そして、ザックは、C組で2番目の監督と言えようか。世界的名監督を輩出した全盛期末イタリアの、最後の名残の名監督と言える。ギリシャの監督はポルトガル人で、ギリシャ内で長く活躍してきた人物。その意味ではザックにちょっと似ているが、長い監督歴の中で戦ってきた相手がザックよりはかなり弱いはずだ。
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中央日報より    らくせき

2014年05月21日 09時37分32秒 | Weblog

「昨日、安倍首相が集団的自衛権の憲法解釈を変更すると述べましたが、どう思いますか?」(記者)

「何だって。質問の意図をしっかり言ってみて。(中略)国民を守るために法があるのであって、
憲法を守るために国民がいるのか。朝日新聞(の記者)なのか。
珍しいね、読売が(このような質問をして…)。
(中略)読売も(集団的自衛権に)賛成だったのだろう?」(麻生副首相)。

「昨日の紙面を見れば明らかに賛成です」(記者)。

「君、記者生活をあまりしていないのだな(笑)」(麻生副首相)。

日本の安倍晋三首相が集団的自衛権の許容方針を明らかにした翌日の16日、
安倍政権のナンバー2である麻生太郎副首相と読売新聞記者との一問一答だ。
安倍内閣の閣僚の言論観を象徴的に見せている。
麻生氏の傲慢な性格を考慮するとしても、これは正常な対話ではない。
そのまま過ぎ去る記者たちも情けない。ただ「書く(記)者」に忠実なだけだ。

                  

麻生さんと記者とのやりとり。面白いと思いますが・・・
この言語観。国を誤らせた過去の歴史の繰り返しでは?
国語審議会はどう考えているのか?
記者は聞いてみたら?

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改めて、「福島原発事故 県民健康管理調査の闇」  文科系

2014年05月20日 07時02分05秒 | 国内政治・経済・社会問題
 標題のことについて、さきほど別に書かせていただいたコメントをエントリーに格上げさせていただく。とても大事なことと思うので。多少の加筆修正をした。

【 ご応答 (文科系)2014-05-20 06:58:56
 菅直人首相が「原発離れ」を言いだしたとたんに内閣分裂が急に進んだことは、当時の記憶に鮮やかだ。以降もずっと、原発村がいかに気味悪いほどに深く広くこの日本に巣くっているかを感じさせられてきた。
 この日本国が原発と心中していくという、そんな「意気込み」をさえ感じてしまう。本当に、地震で崩れたらどうするのだろう。コントロールどころか、そんな地震は起こらないという確率に国の命運を細々と賭けた奴ら! フクシマの地震破壊証拠も追及・究明せず、「我が亡き後に洪水の来たれ!」というエゴイストそのものである。
 
 小児癌数字は、原発村の一角、福島県立医大が独占的に握ることになった数字を渋々発表し始めたモノ。風評でも何でもない。発表せざるを得なくなったのには、そもそもイキサツがあった。秘密会議を続けて隠し続けてきたのを毎日新聞記者に嗅ぎつけられたのだ。この記者の方、ほんのちょっとしたきっかけから、いろんなお役所に足を運んで情報請求をくり返すという長い努力の末に、とうとうこの「小児癌数字」に、「調査検討委員会」そのものに(従って「事前すりあわせ秘密会議」には関係者以外では初めて)たどり着けたのである。この素晴らしく有能かつ勤勉な記者の長い努力が、末尾の書評の対象本である。秘密保護法が通った今後は、こんな努力も通らなくなるのだろう。

 さて、この記者のスクープは、当時国会でも福島県議会でも大騒ぎになった。これは有名な話であって、以下の拙エントリーでも何回か報告してきたところだ。以下の本によれば例えば、現に甲状腺、小児癌以外は何も調べていないのにもこんな理由がある。白血病とか何かその他の数字なんか、何も出ていない。多分統計としては集めてもいないのであろう。これは、毎日新聞記者が秘密会議を暴露したときには、すでに秘密会議も重ねられて、「健康調査検討委員会」の「国方針」が既に確定してしまっていた上に、調査進行の年月も経っていたからである。「余分なことは何もしない」、というわけだ。

 なお、「県民調査」と銘打っていても、初めから国が関わった国の調査であることも明らかである。原発が国の大方針である以上「県民調査」っていかにも国責任を軽くした、世論のミスリード確信犯と言えるのである。こういう事の推移も、以下のエントリーに書いていたかと思う。

・『保安院の大罪(93) 福島県健康調査座長の不思議な謝罪  2012年11月20日』
・『書評の予告「福島原発事故 県民健康管理調査の闇」  2013年11月14日』
・『規制の虜復活(15) 書評「福島原発事故 県民健康管理調査の闇」 2013年11月16日』 】 
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「よたよたランナーの手記」(49)右アキレス腱が痛い  文科系

2014年05月19日 16時54分58秒 | 文芸作品
「よたよたランナーの手記」(49)右アキレス腱が痛い  文科系

 前回6日の冒頭記述はこうだった。
『 27日までのことを書いてからは、こんなふうだ。28日はサイクリング。5月1日に1時間8・9キロ、5日に9・6キロである。2月22日の9・8キロ、3月15日の9・9キロあたりをどうしても超えられない。ランニング日の合間の日などにも少しずつでも脚力の補強運動などをと励んでいて、こうなのである』

さて、そしてその後は、こんなふうにやってきた。7日にサイクリング。韓国旅行で、11日に4.2キロ、13日に4.5キロと、いずれもホテルのジムで走った。帰国したその日15日にもいつもの市営ジムで同じく30分走を4.2キロ、そして18日には1時間8.8キロ。この18日は、5日以来13日後という久しぶりの1時間走だったせいか、疲れた。しかも、走行途中の後半は右アキレス腱の痛みを押して走っていた。そう言えば足首の補強鍛錬を怠っていたなと、今も痛みが残って思い知らされているという体たらくである。自分の活動維持に欠かせないと計画してきたことも、忘れている。こんなことでも老いは悲しいけれど、13日ぶりの1時間をそんなに乱れずに終わりまで走れたんだから良しとすると、そんな慰め方もありえよう。でも、特別な筋力補強運動を怠るとすぐに走り辛くなる部分が生まれることはよーく覚えておかなければいけない。これを忘れると間もなく走れなくなるということだから。そして、この「間もなく」がどんどん短くなっているということこそ、肝に銘じておこう。こういう戒めなどをより鮮明に自覚できるというのが、手記の効用の一つだろう。

 帰国後まだサイクルツーリングには行っていないから、明日あたりに出かけようと目論んでいる。韓国で高い煎茶を買ってきたからこれを煎れてペットボトルに携行し、それを口にするのを楽しみに出かけるとか。そんなことも考える。愛車ツーリングにおけるペットボトルは、とにかく美味いのだ。長い間深く息を出し入れしているせいか、喉が渇くのだろう。
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「福島県民健康調査の闇」(13年11月16日エントリー)、その後   文科系

2014年05月19日 02時57分01秒 | 国内政治・経済・社会問題
 18日の中日新聞2面に「甲状腺がん50人に 福島の子 検査一巡目終了」という見出しの記事が載った。以前からこのブログで追いかけてきた問題だから、過去の記述を振り返って推移を確認してみる。「小児癌と確定」と、「その疑い」の数字推移だ。なお、他の全国紙ではこの数字はニュースになっていないようである。
13年8月ー確定18人、25人、合計43人
同年11月ー確定26人、33人、合計59人
14年2月ー確定33人、42人、合計75人
 そして今回、3月までの30万人一巡目検査結果が出されて、確定50人、疑い39人、合計89人ということであった。
 さて、その上で改めて以前のエントリーの問題提起を再掲しておく。上記の14年2月段階での提起である。

『 規制の虜の復活(18) 悲しい小児癌の広がり  2014年02月08日
(前略)
さて、これでもフクシマの影響を頑強に拒むって、一体どういうことなのだろう。検討委員会のその言い分は「症状がない人も調査対象としているから、未知の領域で、比べる数字がない」ということのようだが、普通に考えれば逆ではないか。症状がない人も対象とした無差別調査からこれだけの患者がいて、なお同一分母数からの発生率が急激に増えているということなのである。国立癌センターの10代の甲状腺癌「発現率」(発生率なのかどうか。二つは厳密に区別されて、発生の方が多いと言ってきたはずだ)は百万人に1~9人となっているそうだが、フクシマの多さは一目瞭然である。百万人に換算したら、300人発病というもの凄い割合になる。  
 前回書いた日刊ゲンダイの記事を改めて、ここに続けておきたい。
【 「隠された被曝」の著者で、内部被曝の危険性を研究する琉球大の矢ケ崎克馬名誉教授はこう言う。
「チェルノブイリでは、原発事故が起きた1986年4月の翌年から甲状腺がんと一般のがんの症例数が増加しました。当時もIAEAや国際放射線防護委員会(ICRP)は、放射線の影響を否定しています。急激に増えるのは5年目で、2~3年では影響は出ないとしたのです。しかし、それは全く科学的ではない。事故前のがんの推移と事故後の推移の統計を見ると、明らかに87年以降の上昇率が高く、増え方が違うのです」
 5年というのは“ピークが来る時期”に過ぎないのだ。
「被曝量が多いほど、がんになるまでの期間は短いのです。福島の汚染地帯の人口密度は、チェルノブイリより14倍ほど高い。がんの患者数もチェルノブイリの10~20倍に膨らむ危険性もあります」(矢ケ崎氏)
 チェルノブイリ周辺では、事故から20年で4000人以上の甲状腺がんが発症したとされる。その10倍なら4万人、20倍なら8万人だ。少なくとも健康被害の“完全ブロック”はできていない。】 』
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