「妖怪!大戦争」を読ませてもらって「やっぱりなあ」と感じました。コメントの中の「可哀想なお孫さん」ということばにひかれて「そうだよ、人間は生まれや育ちとは別だよ」といったんは思いました。しかし、日本のこれからをいくばくかでも考えると、自民党総裁最有力候補の言動は、彼のDNAを抜きにしては語れないのではないか。
こうした問いに応えるものとして格好の論文を見つけました。いま発売中の「月刊現代」(10月号)に掲載された立花隆「安倍晋三『改憲政権』への宣戦布告」がそれです。要点は結びの部分にあると思いました。そこで次のように抜粋して、紹介させていただきます。
おそらく、南原の精神的DNAを受け継いでいる人は、私以外にも、この日本に沢山いるだろう。
そして時代は間もなく岸信介のDNAを受け継ぐ者と南原繁のDNAを受け継ぐ者とが本格的に対決しなければならない時代を迎えつつあるような気がする。
南原のDNAを受け継ぐ者とは、一言で言えば、戦後日本国の基本的あり方に高い価値を認める者である。教育基本法前文にある、「個人の尊厳を重んじ」、「真理と平和を希求する」、「個性ゆたかな文化の創造をめざす」ことが大切だと思う者である。
そして、岸信介が歴史的に体現してきたような日本、すなわち満州国家や東条内閣、戦後の金権腐敗政治、対米追随路線、そして安保国会における民主主義の基本ルール踏みにじりの数々、警官隊を国会に導入してまで自分の意志を押し通そうとした独裁者的政治スタイルなどなど、政治家岸のあり方のすべてにノーの心情を持つ者である。
そのような人々は、岸信介のDNAを受け継ぎ、岸信介をあがめたてまつり、南原の作った戦後日本をすべてぶちこわそうとする政治家に対してもノーをいうべきである。
*[筆者注]
①南原繁:1945年12月、東大総長就任。在任中に全面講和論を掲げ、
単独講和を主張した吉田茂首相から「曲学阿世」呼ばわりの攻撃を受けた。
②抜粋の段落ごとの空白は筆者が加えた。
こうした問いに応えるものとして格好の論文を見つけました。いま発売中の「月刊現代」(10月号)に掲載された立花隆「安倍晋三『改憲政権』への宣戦布告」がそれです。要点は結びの部分にあると思いました。そこで次のように抜粋して、紹介させていただきます。
おそらく、南原の精神的DNAを受け継いでいる人は、私以外にも、この日本に沢山いるだろう。
そして時代は間もなく岸信介のDNAを受け継ぐ者と南原繁のDNAを受け継ぐ者とが本格的に対決しなければならない時代を迎えつつあるような気がする。
南原のDNAを受け継ぐ者とは、一言で言えば、戦後日本国の基本的あり方に高い価値を認める者である。教育基本法前文にある、「個人の尊厳を重んじ」、「真理と平和を希求する」、「個性ゆたかな文化の創造をめざす」ことが大切だと思う者である。
そして、岸信介が歴史的に体現してきたような日本、すなわち満州国家や東条内閣、戦後の金権腐敗政治、対米追随路線、そして安保国会における民主主義の基本ルール踏みにじりの数々、警官隊を国会に導入してまで自分の意志を押し通そうとした独裁者的政治スタイルなどなど、政治家岸のあり方のすべてにノーの心情を持つ者である。
そのような人々は、岸信介のDNAを受け継ぎ、岸信介をあがめたてまつり、南原の作った戦後日本をすべてぶちこわそうとする政治家に対してもノーをいうべきである。
*[筆者注]
①南原繁:1945年12月、東大総長就任。在任中に全面講和論を掲げ、
単独講和を主張した吉田茂首相から「曲学阿世」呼ばわりの攻撃を受けた。
②抜粋の段落ごとの空白は筆者が加えた。