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統一教会とも「ノープロブレム」の福田自民総務会長を批判する   文科系

2022年07月29日 23時38分28秒 | 国内政治・経済・社会問題

 自民党の福田達夫総務会長は29日の記者会見で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自民党の関係が指摘されていることに関して、「わが党が組織的に強い影響を受けて、政治を動かしているのであれば問題かもしれないが、僕の今の理解だと一切ない」と否定した。「誤解を招くようなこと(報道)はしてほしくない」という注文さえ付けたのである。

 さてそれでは福田氏はまず、この問題をどう見るか。数十年前に評判が悪い洗脳カルトと日本社会に認知された統一教会は以降、日本での名前を変えて復活を図ろうとしてきて、2015年秘かに下村博文文科相時代にこれを認めてしまった。すると、またまたここのカルト活動が社会にはびこって訴訟も数々起きている。与党有力者などが関わっている団体ならばという、一種の社会的信用をその活動に与えたということはなかったか。そしてその見返りとしてこそ、この団体は自民党議員らを支えることになっていったのではなかったか。自民選挙候補者などの党員獲得義務に対して会員らの名を貸したり、自民選挙候補者らを組織内宣伝するなどによって。

 さて、以上のことを与党政治家たちが「ノープロブレム」と言いうるのは、こういう理屈によってだけであろう。福田総務会長は、結局こう述べたことになるのである。

「彼らは宗教団体である。宗教団体の内部問題は我々の関知するところではない。そういう彼らが我々を支持してくれるというのだから、我々はそれを受けただけだ。我々の方は、彼らによって何かを変えるというように影響を受けたことは何もなかった」

 統一教会は、マインドコントロールによる洗脳宗教団体、カルトであると過去の日本社会に大きく認知されたその名前を変えて、復活を図りたかった。2015年に与党が、秘かにそれを認めてやった。これを単なる一宗教団体だとして。ところが、カルト問題の政治に関わって最も歴史のあるフランスでは、10のカルト定義を慣例としていて、その多くがこの団体の活動に当てはっまっていたのである。世界に認知、活用されているそれは以下のとおりである。以下の出典は、ウィキペディアである。

 フランスで採択された報告書『フランスにおけるセクト』がカルトの判定をする国際的な指針の一つとなっており、1.精神の不安定化(洗脳、マインドコントロール)、 2.法外な金銭的要求(多額の寄付金要求)、3.住み慣れた生活環境からの断絶(監禁、出家など) 、4.肉体的保全の損傷(精神的暴力も含む暴力) 、5.子供の囲い込み(子供の洗脳教育、宗教2世、カルト二世問題)、 6.反社会的な言説、7.公秩序の攪乱、 8.裁判沙汰の多さ、9.従来の経済回路からの逸脱 、10.公権力への浸透の試みの10個を「セクト構成要件の10項目」を列挙している。

 この多くが現に当てはまった統一教会を世界平和統一家庭連合として国家が改めて認めてやるのならば、普通の宗教団体になったという実績やその説明が必要なはずだ。国民に対してそれを全くしていないままなのだから、この団体は社会の公序良俗を乱すカルト団体と今でも呼び続けるしかないではないか。

 政府が秘かにやった「名称変更」は、犯罪人の前科を帳消しにしてやるかわりに、彼らを自分らの選挙の手足の一部に使い始めたようなものである。 

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自民,が、統一教会を再興、選挙にフル活用  文科系

2022年07月29日 07時21分21秒 | 国内政治・経済・社会問題

 標記のことが、今ほぼ解明されてきた。悪名高かった統一教会の名称変更を文科省に認めさせたうえで、この団体を自民党、その議員後援会などが大いに活用して来たという事実がどんどん解明されてきている。統一教会の実態はそのままで名称変更を認めたのが、2015年。時の宗教団体所管、文科相は現安倍派会長代理とかの下村博文であった。その彼は、当時の文相として自分が実行したはずのこの名称変更をば、今懸命に否定しつつ、逃げ回っている。これに対して、当時文科省官僚であった前川喜平が、逃げる下村を徹底的に指弾し始めた。前川がこの問題の担当官の位置にあった2015年以前にこの問題が文科省に挙げられて来た時には、この名称変更を事務段階で却下したという経過さえあったという事実を伝えつつ、その後の名称変更実現、カルト商売継続が不思議なことだと前川は述べている。

 下村は、どうやってこれを実現したのかを語る責任があるし、その後の選挙でこの団体を選挙などに活用することが特に多かった安倍派議員のしりに火がついている。自民党議員による党員獲得義務(党員の数合わせ)にまでこの団体会員らを使っていたという。「選挙に強い安倍」とは、その選挙のためにひそかにこんなことまでするダボハゼになり下がっていたのである。本日の朝日新聞には、こんな記述さえあった。

『青山繁晴参院議員は7月中旬、自身のブログにこう書き込んだ。「参院選に向けて、自民党の公認作業などが進んでいた時期」として、ある派閥の長から「各業界団体の票だけでは足りない議員については、(旧)統一教会が認めてくれれば、その票を割り振ることがある」と言われたと。党内の実力者が、選挙で教団関連の票を差配していた可能性を示唆したともとれる内容だ」

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八十路ランナーーの手記(441)やはり走れなくて・・・  文科系

2022年07月28日 10時55分51秒 | スポーツ

 20日に2か月ぶりに1時間走れたと書けて嬉しかったのだが、22日の抗がん注入後、何か様子が全く変わってきた。きつい抗がん剤の月一回点滴注入2回目だったのだが、その後様子がおかしくなって、一昨日あたりから「無理だな」と思った。とにかく、疲れるのだ。抗がん剤によって血液がダメージを受けるのは普通のことと伝えられていたが、今の僕ははっきりと赤血球が減っていて、これがこの疲れの原因だと思っている。とうとう、当面走ることはあきらめることにした。とても残念だが、命に関わることだから仕方ない。闘病に専念する。

 それにしても、安倍銃撃事件以降わかってきた統一教会と自民党とのズブズブの関係は、いったい何ということか。「選挙には5回も勝ったぞ!」と国会の野党ヤジに言い返してきた安倍晋三氏は、祖父の岸信介氏がこの団体に格別に肩入れして以来ずっと、ここを選挙に活用してきたのである。安倍氏の実弟、岸防衛相などは、「選挙などで色々お世話になってきた」と開き直っているが、このカルト教団を名前を変えて現在まで日本にのさばらせていたことについて、所管の文科省に対する自民党の圧力があったなどとも報道され始めている。こんな特殊な団体とも政権党が持ちつ持たれつというのでは、選挙のための「ダボハゼ」、そのためにはなんにでも食らいつくというような政治をやって来たとさえ言えるのであって、自民支持団体への利権政治にしかならないはずだ。桜も森友も「官僚による選挙のための利権忖度政治」と言われてきたのだけれど・・・。

 

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米中争覇と日本の運命   文科系

2022年07月26日 08時48分32秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 左右の老人政治論がネットなどで盛んだが、僕が今最も気になっていることを書いてみたい。日本人の明日の生活のため、孫子のために「日本の運命を左右する最大問題」としてということだ。表題の問題は、ネットで盛んな右の論者には全く欠落しているものである。

 正しい知識は構造を成すといわれるが、これは日本の政経、国民生活を見、考える場合も同じことだ。「社会・世界全体をより根本的・長期的に規定する要因」と、短期規定にすぎぬ要因、その中間などがあるからである。そして人には、目前の「今とここ」はわかりやすいが、時空的に遠いものは学習も必要で知りにくい上に、人々も目前の困難対処に迫られる激動の時代では、なおさらこれは見えにくくなるからだ。こういう時の世界諸国の政治がまたさらに、選挙勝利に繋がる利権政治、ポピュリズム政治になっていくから、世界各国がともに、一種の悪循環に陥っていくものだ。
「現実的」と称される目の前の保守、わが国だけのことに目が行っていれば、いわゆるグローバリゼーション経済の本質、金融利益最大化方針資本主義も、米中争覇も見えてこない。が、このふたつは今や、日本の生活・世界全体の生活を、長く深く規定していく最大の要因になっている。それも大変悪い方向へ。ネットなどで政治を論ずる老人は、時間だけはあるのだからこれを論じないでどうすると、僕はずっと言いたかった。

 さて、米中争覇は、日本の政経、国民生活をめぐる最大問題になっていくだろう。同時にこの問題は、現行の新自由主義経済グローバリゼーションの最大原理・株主利益最大化方針を市民生活に即して改善していくのに不可欠な「タックスヘブンを使った脱税を止めさせる」や「金融取引税の世界的設定・拡大」などをめぐっても、これらを死守したい英米日が中国と対立するところだ。なぜなら、中国は自分のモノづくりを英米日金融に支配させないだろうからである。アメリカにこれができなければ、米中争覇は中国の勝ちだ。世界のモノ作りは中国にどんどん集まっていくのだから、その金をGAFAMらが奪えなければ、米世界覇権は敗北する。金融資本それ自身は富を生まず、株や為替で他人が生み出した富を取るだけだから。

  こんな中でロシアのウクライナ侵攻がおこった。振り返れば二〇一四年、ウクライナ・マイダン暴力革命に端を発してすでに一万人が亡くなったと言われるウクライナ・ドンパス紛争によって、G8がロシアが追い出して、G7になった。以降のロシアはあからさまに中国よりになっていく。中ロが結びつけば、中国のアメリカに対する最大弱点・エネルギーも、エネルギー資源国ロシアの富も確保されるのである。将を射んと欲すれば先ず馬を射よ。マイダン革命後のウクライナ政権人事がウクライナ駐在米大使らによって決められていたと言うニュースは、ヨーロッパには知れ渡っている。その狙いは、NATOを通じて親中ロシアを滅ぼすこと。ところがウクライナ戦争の後には、ロシア・ルーブルは全然下がっていないどころか上がっている。戦争以前一ドル七五ルーブルだったが、戦後一時一五〇ルーブルに下がって、六月末には五三ルーブルに上がりなおした。中国やインドがロシア原油などを超大幅に買いましたからだ。ロ・ウ戦争はこうして、ロシア制裁をめぐる世界経済のブロック化とともに、軍事ブロック化も進めているのである。日本を規定してきた金融株主グローバリゼーション時代が、世界史上ろくなことがなかった「ブロック経済」、「軍事ブロック」世界時代へと、ロ・ウ戦争によって幕開けたのである。この経済・軍事ブロック化に関わって、ロ・ウ戦争で新たな事態がどんどん顕かになっている。

 ウクライナ戦争の対ロ制裁に賛成していない国がアジア、アフリカ、中南米などにも意外に多い。「アジア諸国の中国寄り情報」もどんどん入ってくるようになった。ちなみにここで、中国にインド、そしてG20国の一つインドネシアを加えると、将来世界の一般消費のどれだけ分になるかを考えてみればよい。世界最大のマーケットは中国圏の中と言えるのだ。アメリカは中印関係を裂こうと腐心し続けてきたが、インドはBRICS加盟を止めず、アメリカでなくロシアから大型ミサイル兵器をつい最近輸入した。さらには、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカで形成するこのBRICSに、G20国の一つアルゼンチン、イランなどが加盟を申し出ている。同じくG20国の一つ、トルコも米ロ関係においては微妙な立場を取り、最近ロシアから高価なミサイルセットを買った。
 次に、そのインドネシアなども含めた東南アジア諸国はそういう中国に近づき、むしろアメリカには警戒している。そもそも東南アジアでウクライナ戦争に対する対ロ制裁に加わったのはシンガポールだけだったし、その多くが「日米以上に中国がパートナー」とふるまっているという情報も広がっている。むしろ「アセアンが団結して米中圧力を排し、中立の立場で」と繰り返してきたと、最近の新聞に報道されている。

 大国争覇の攻防史は常に血みどろだったとは、歴史学史上「トゥキディデスの罠」として知られたものだ。が、民主主義が発展した二〇世紀にはふたつの平和的な大国後退が生まれたと言われている。第二次世界大戦後に当時の大英帝国がその膨大な植民地をほぼ平和裏に手放したこと。次いで、米ソ冷戦時代は、ゴルバチョフが「負けた」と手を挙げたことによって、ソ連邦解体までほぼ平和裏に進んだ。今アメリカが仕掛け始めた「中国相手の経済・軍事ブロック化」というチキンレースは、一体どういう進行、結末をもたらすのか。日本が今のまま金融利益最大化方針資本主義でアメリカについていけば、その対中覇権闘争の前衛手段にされることは必至である。日本には積年の対アメリカ重大弱点もあって、それがいつでも脅迫手段になりうるからだ。傾きかけていく世界通貨ドル体制死守の目的で、日銀が行ってきた禁じ手「財政ファイナンス」や政府が先導してきた官製の「株バブル」がアメリカ金融によって衝かれることである。それは、経済全盛期日本をどん底に突き落とした「一九九〇年代の日本住宅バブルの破裂」や東芝の今などを見てもわかることである。日本はトリプル安という形でいつでも捨て去られる国になっている。

 日本でノーベル経済学賞にもっとも近かった人物の一人、森嶋通夫は晩年の二十世紀末から、こう提言してきた。「日本はアジアにこそその将来を求めるべきだ」。日本の政治の貧困から「精神、金融、産業、教育の荒廃」が起こっていると。それを止める唯一つの救済策が東北アジア共同体であると。

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書評 関野吉晴「グレートジャーニー」  文科系

2022年07月24日 01時34分03秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など

 まず最初にちくま新書のこの題名、「グレートジャーニー(長い旅行という訳になる)」が、現生人類すべての祖先誕生からその世界拡散・人類分化の歴史に関わる概念だということをご存じだろうか。
 最初の現生人類がアフリカ・タンザニアに生まれ、10数万年前に中東に出た人々が西欧人とアジア人に別れていき、アジア系からまずオーストラリア原住民、次いで縄文人などが生まれて、そのアジア北方系人種がベーリング海経由でアメリカ大陸に渡った末に、南米南端のパタゴニアまでたどり着いたという人類分化史を「グレートジャーニー」とイギリスのある考古学者が呼んだのである。著者関野吉晴は、この旅を南米南端パタゴニアからタンザニアへと逆に辿ったのだった。それも、自転車とカヤック・カヌーだけの人力で、1993年12月5日から2002年2月10日までかけてのことであった。

 なお、関野のこの旅にはその前史があって、1970年代半ばに、彼は南米はペルー・アマゾンのマチゲンガという少数民族の部落で何か月も過ごしている。それから日本に戻った彼は、人生をこんな風にやり直したと述べている。改めて医者になれば、滞在先の人々になにがしかのお返しができるだろう、と。
『一度日本に帰った私は彼らとの付き合いを続けたいと思った。もっともっと彼らのことを知りたくなった。そのためにはどうしたらいいのか? 世話になりっぱなしのただの居候であるより、医者として入っていったらどうだろうか。文科系の大学に8年間いた(文科系注 一橋大学に探検部を作った)私は医学部(文科系注 横浜国立大学。 後の文科系注 横国出身の娘にこの本を見せたら、言われた。「横国には医学部はない。横浜市大ではないか」とのこと。誤植?)に入り直すことにした。そしてその後も彼らの村に通い続けた』

 さて、上記の年月日をかけたこの旅の途中、当然のことながらアマゾン・マチゲンガ部落と旧交を温めることにもなるのだが、それも含んだ全行程はこうなっている。1993年12月のパタゴニアに端を発して、1995年アマゾン源流、中央アンデス。1995年10月中米に入る。1996年9月アラスカに入る。1997年8月ベーリング海峡を渡り、シベリアのヤクーツク、バイカル湖からモンゴル、中央アジア、中東、アフリカと辿って行った、と。この全体行程の中でただ一つだけ長い寄り道、別コースがあって、1999年にモンゴルからヒマラヤ横断をやっている。この寄り道コースの方では、行った先、例えばネパール・カトマンズから飛行機で帰ってきたのだろうと推察される。

 この本の長所は、まず半分は写真集と言ってよいような、その写真の美しさ。土地土地の「庶民の」生活、特徴を表す風景、祭り、祈りなどの写真もさりながら、諸民族の子どもの大写し容姿、表情などがすべて何とも言えず良いのである。皆が皆、それぞれエスニックに可愛すぎて・・・。そして、この旅人への心遣いなどにも現れた諸民族の良俗、美風などが文章で紹介されていて、それがまた「人類みな兄弟は残っている」という気にさせてくれたものだ。この旅の着想、誕生自身にかかわっているやのアマゾン・マチゲンガ部落から著者が学んだ人間の美しさを、世界に見続けていった旅と言ってもよいのではないか。僕はとにかく、そこが気に入ったのである。

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ある安倍信者とのコメント応酬  文科系

2022年07月23日 00時51分47秒 | 国内政治・経済・社会問題
 以下は、この15日エントリー「安倍晋三を国葬?」において、neoという人が起こして僕が応えることになったちょっと長いコメントやり取りのご報告。 こういう討論スタイルがあるんだと、僕には驚きの連続になりました。まず、彼の最初の文面、それはこう始まっています。
『文科系さん。これは絶対に載せないですよね。都合が悪いから。結局ここは議論をする場ではないということですね』
 という彼の文章は僕のエントリーとは全く無関係に、安倍が首相として仕上げた法律、施策を歴史的に羅列してこられた。仕方ないから僕はこう「応えた」。
『NEOさんのコメントは、僕のエントリーへの応えになっていません。これは誰でもわかることだ。よって、こちらも答えませんよ。それでも、ご期待に反して削除はしないけどね。・・・・僕の批判に何も答えていないで、自分の主張だけを書いている。』
 それで彼は初めて、僕の安倍批判論点「桜」と「国家累積赤字」について応えてきた。ところが、桜は、その歴史だけ、僕の安倍批判論点にはやはりなにも触れず、国家累積赤字は「日銀の国債買取500兆円も含めて、国家に大きい資産があるから問題なし」という安倍答弁のオウム返しである。しかも、それへの僕の回答が6時間なかったら、こんなコメントをつけて来たから、またまた驚いた。
『文科系さん、ちゃんと答えているのに今度は無視するのですか?』


 僕は上記の通りに、「僕の安倍批判論点にはなにも触れず」、他方借金1000兆円超えには「日銀の国債買取500兆円(も資産があるの?)」と応えたもの。こんな文面も付けてのことである。
『これこそ「財政ファイナンス」と批判されてきた当のもの。これあればこそ今日のテレビ番組を見ても、こういう事実がとうとう起こっているわけだが、この借金が正常のこと、と? 「日本“破綻”シナリオ 円売り投機筋勝負あり 日銀はなぜ動かない?」(BS・TBS 報道1930)』
 これへの彼の応答は、こうなった。一つは当ブログでもずっとおなじみのMMT理論と、今一つは「安倍が雇用を増やした」! この後者はマー、MMT理論実践の国債収入で(そういうアベノミクスが)雇用を増やしたと言いたかったのだろうと解釈して、僕は20日付けコメントをこう書いた。

『 差し当たってこれだけ  (文科系)
(前略)
アベノミクスについてMMT理論そのものをここで何度も批判して来たけど、それは読んでない? だからなのだろうけど、今の円安をどう見るの? MMT理論の危険性についてこそ、円暴落との関係で上に質問したんだけど、もっともっと円は暴落させられていくよ。政府はドルを2兆も持ってないはずだしね。
 バブルと同じで、「信用」がある間は「バブル破裂」も、「財政ファイナンスの爆発」も起こらない。が、バブルも国庫大赤字も、かならずいつか爆発する。
 安倍の「雇用自慢」の問題も、ここで何度もこう批判してきた。不安定雇用ばかり増えて、国民一人当たり購買力平価GDPや平均給与も韓国に抜かれた。50歳まで一度も結婚できぬ、あるいはしなかった男性が4人に1人に近づいているのも、「給料が安すぎて結婚相手に選んでもらえない男性」が増えているから。これはすでに証明されていることだ。就職氷河期の団塊2世がやっと50歳になるところだから、この問題はもっともっと酷くなる。結果として、そもそもこの国の少子化一直線を君はどう見ているの?
(後略)』

 それで返事がないから、翌日1日にはこう。
『官製株価は? (文科系) 2022-07-21 11:50:11
 アベノミクスと官製株価・日本株バブルは不可分のものだけど、この後遺症は心配しないの? 日銀、GPIFの金をとことんつぎ込んでバブルを作っている。東証全体の最大株主が日本国家って、だからこそ国債、円、日本株のトリプル安が懸念されてきたわけだが。
 日本国家、どこもかしこも大赤字の「粉飾決算」。ついでにこの日本も含めて新自由主義経済圏を見ればこんな借金マルケって、知ってる?
「今や世界の負債が180兆ドルで(後で今付ける注ーー19年8月19日、国際決済銀行発表。当時のレートで、1京9千兆円。金融機関を除く世界の会社、家計、政府部門の2018年度債務残高)と報道された。それも、リーマンショック前から1・6倍に増えたとも。わずか10年ちょっとで世界の借金がこれだけ増えたって、一体これは誰が作ったのか?」
 安倍の政治だけ見てる人は日本だけ見てるから、アベノミクスのもっとグローバルな本質が分からないのだ。これ等の借金を各国に作らせたのは、英米日の株主利益最大化資本主義。モノ貿易の赤字分を金融サービス貿易で取り返してきた国々ね。』


 以下は、今日僕が付け加えること。世界の会社、家計、国家の上記負債180兆ドル内訳に関わって、国際決済銀行報道にはこうあった。新興国の債務が54兆ドル、特に中国は33兆ドル、日本が18兆ドル、と。そこに世界最大の債務国アメリカのことが書いてないので僕がつけ足しておくが、2015年に米国元会計検査委員長デイブ・ウオーカーが精査した米債務の発表で、65兆ドルとあった。当時の米政府公式発表は18兆ドルだったから、この負債差額47兆はどうなるのだろう。世界の180兆にプラスすることになろう。もう一歩アメリカ関係で付け加えておくと、家計赤字もすさまじいのである。一例をあげれば、08年のサブプライムバブル・ショックで、家から放り出された低所得者たちの借金は、いま一体どうなっているのか? 
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ウクライナ政権で仲間割れ深刻  文科系

2022年07月21日 00時01分49秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
 ウクライナ政権で重大な仲間割れが起こったと、19日火曜日の新聞にあった。検事総長と国家情報局長をゼレンスキーが解任したというのである。検事総長は大統領選挙のゼレンスキー選対顧問格の法律学者、ゼレンスキーの幼馴染でもある情報局長は、テレビプロダクションの同僚であった人物とあっては、いったい何が起こったのかということになる。

 2014年のウクライナ暴力革命に端を発したロ・ウ長年のドンパス戦争や、ゼレンスキー政権人事やなどにはアメリカの工作が働いていたとの明確な証拠も挙がっているが、今回の解任にあたって僕が真っ先に思いつくのは、このこと。2月のロシア侵攻・開戦をゼレンスキーはあくまでも「侵攻はない。あるという人はその証拠を示してほしい」とまで言い続けてきたこと。これについてはウクライナの情報局長が絡んでいないはずがないのである。ここでゼレンスキーは騙されていたことになるが、だましたのは誰か? アメリカが糸を引いたウクライナ情報局なのだと僕は考えるのである。開戦前のアメリカは表立っては「ロシア侵攻必至」と叫び、ゼレンスキーには情報局長を通じて裏から「開戦なし」と抑えていた・・・・?
 検事総長の解任は、ロシア兵捕虜の裁判を急ぎすぎたことで大統領の不興を買ったと言われているようだが、この裁判急ぎすぎについても何か「対ロ急進派の画策」と感じられてならないのである。ロシア兵捕虜問題は、ロシアのウクライナ兵捕虜の無事に結びつく「捕虜交換問題」でもあるという、極めて微妙な問題なのである。

 いずれにしても、今こんなことをやっているようでは、この戦争がまだまだアメリカのいいようにされて長引いていく気がしてならない。つまり「アメリカの代理戦争」という泥沼・・・。ちなみに、ドル・石油世界体制死守という真の原因を隠して「大量破壊兵器」という嘘の理由で国民を熱狂させて起こされたイラク戦争とまさに同じような様相にもなってきていることだし。
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八十路ランナーの手記(440)2か月ぶりの1時間走  文科系

2022年07月20日 23時02分04秒 | スポーツ
 9日に、抗癌剤点滴の入院が終わった後、振出しに戻って走り始め、13日は45分強、16日には50分弱で、今日20日2か月ぶりに1時間走れた。距離は7・2キロ。これが今やっとの力であると知ることができたが、この3日で距離がこう延びてきたのが嬉しかった。5・3、6・0、そして7・2キロと。この三日間疲れ方が次第に減っていることだし、ここまで来たら走り込みによってどんどん時間も距離も伸ばしていけるはずなのだ。そういう地点には立てたということで、その経過を見ても新たに身に着けたフォアフット走法に乱れもないと分かった。どこか格別な筋力の衰えのようなものもないから、こういう時によく起こる故障もなかったのだろう。

 これで明後日22日、第2回目の2種抗癌剤点滴を5時間かけてやる通院に出かけることになる。この2種点滴の後にはきつい吐き気とか血液変化、便秘などが予想され、いつ走れるかわからないのだ。それで今日頑張ったわけだが、元気に?点滴に行ってこれるというもの。

 人間いつか死ぬべき存在。そして死が怖いというのはどうも、死を意識しつつ死にいたるまでの心理的なものと考えるに至った。現にさほど怖がっていない人も、自殺する人さえもいるのである。そういう人々をば、怖いという人に限ってどうも同じ人間の心境としてまともには見ていないようだとも気づいた。死んでしまえばそこにあるのは「永遠の無」だけ、それ自身は怖いもなにもないのである。死の問題はこうしてすべて死ぬまでの心境なのだが、死後の世界とか、魂の世界とかがあると考える人はこれにいろいろ勿体をつけて来た。

 僕は死ぬ直前まで自分の活動を普通に精一杯やって、そうして死んでいきたい。癌による死は、もっともぱったりと死んでいけるものなのだそうだから。
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八十路ランナーの手記(439)LSDが好調  文科系

2022年07月16日 22時40分19秒 | スポーツ
 先週土曜日に退院して、一週間たった。そして、13日は45分強で5・3キロ、今日16日には50分弱で6キロまで来た。ジムマシンをはじめ30分で3・6キロ、プラス2・4キロ走ったから。13日に思った通りで、このままLSDを続けていけば、距離も走行時間もちゃんと伸びていくとより明確に確かめられた思いだった。抗がん剤を打っている最中の身体だから疲労度はやや高いようだが、無理して走っているわけではない。

 こんなに長く走らないで久しぶりに走ると、こんなことを特に多く痛感した。走ると心身ともに活性化するというか、若返るものだと。そもそも日常生活の動き、体が如実に軽くなると分かるし、例えばギター教室の練習などいろんな物事へのやる気というようなものがはっきりと増えるのである。走って体中に酸素が回ると、脳が真っ先に若返るのだろう。そもそも人間の体の中で脳細胞が一番酸素を多く喰らうものだから、運動しないと次第に酸素を回せなくなる老人にあっては、脳が真っ先に衰えていくのだろう。逆に言えば、運動こそが老人の脳を活性化させるということだ。

 来週から金曜日ごとに通院点滴があるが、来週に限っては1か月に一度の抗癌剤2種類を昼食時間も含めて5時間かけてやることになる。それ以降はしばらく走れないから、それまであと2回は走っておきたい。

 明日は、過去最多の実なりを示している庭の今年のブドウ・巨峰の袋被せをし、併せて庭の剪定をちょっとやろうと目論んでいる。3平方メートルほどの葉の広がり、30房近くはぶら下がっているだろう。まだ数少ない紫が多い実を試食してみたが、糖度も酸味も十分で、大きい房は店頭の実と同じほどの見栄えになっている。楽しみだから、通行人に横取りされぬようにという意図も込めた袋被せになる。
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安倍晋三を国葬?  文科系

2022年07月15日 09時15分35秒 | 国内政治・経済・社会問題
 どうしてこんなことができるのか。ただ政権が長かったというだけの人物であって、それは選挙に強かっただけのこと。その選挙にしても、桜を見る会という国政行事をいつの間にか個人選挙後援会行事に変えてしまい、自分の後援会幹部らを毎年どの議員よりも多く参加させていたという人物である。そのことがばれたからこそ、すぐにこの恥ずかしい行事は取りやめとなったのではなかったか。
 加えるに、この前夜祭では安倍後援会員に饗応をし続けていたという事実も重なってくる。さらには、選挙のための利権へと公務員を忖度に走らせたことも、森友問題などで有名になったものだ。

 また、その長期政権においてGDPの2倍を超えるまでに国家累積赤字を積み上げ、そのための日銀による国債買い上げは「財政ファイナンス」と呼ばれて、近い将来必ず日本売りが起こると後に禍根を残した人物でもある。現在の40年ぶりと言われる円安もその結末の一つなのであって、これがいつまでどう続くかは、当面の日本の運命を決めるような大問題になっているのではないのか。

 こういう人物を国葬にしようなどは、国権の最高機関・国会に嘘をつきとおした安倍と同じで、黒を白と言いくるめて多数党の罪を軽減しこれを美化するがごとき横暴、理屈の通らない多数党暴力である。
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八十路ランナーの手記(438)一か月ぶりに走った  文科系

2022年07月14日 11時08分45秒 | スポーツ
 抗癌剤が血液に悪影響し「激しい運動はいけない」と止められて、病院の地下から最上18階までのゆったりした往復をほぼ毎日やっていたが、昨日約一か月ぶりにジムで走った。やはり、走力はほぼ振出しに戻っていると、スタート時には感じたものだった。無理もないのである。普通に10キロ走った最後が5月23日で、その直後の内視鏡手術以来走れず、文字通り最後に走ったのが6月7日の3・4キロなのだから。「ここで走ろう」と予定していたのに走れなくなったということが重なってきたのである。

 6キロ時で歩き始め、2分ほどしてそのまま走り始めて、やがて7キロ時にするなど計30分で3・5キロ。次の30分は15分強の1・8キロでやめておいた。走り初めはどうなることかと感じた息切れがあったが、アップが済んだ20分を超えてからは普通に走れるようになっていて、これは嬉しい驚きであった。最高時速も8キロまではできる感じだったが、7・5ほどに留めておいた。このままLSDで走る日を重ねていけば走力はちゃんと上げられるから、今日無理する必要はないと実感したからである。
 感想は一言、嬉しかった。この81歳の身体がランナーの痕跡をしっかりと保っていると、アップ後の感じから分かった時が、どれだけ嬉しかったか!

 体が若いと癌は早く進むとは、よく聞く言葉だ。が、体の若さをつぶして生き長らえたくはないし、癌が早く進めば、ちゃんと動ける自由な体のままでぽっくり死ねるという長所もある。そこらは科学的にもむつかしい点なのだろうし、僕はまー自由に動ける、気分の良い体のままでぽっくり行きたいということだ。医者である兄はかねてからこう言っていた。
「癌でぽっくり逝くのが、一番楽な死に方である」
 こう言う死に方を目指して、今回は膀胱全摘手術を受けるということである。ストーマをつけてテニスをしている人、走っているランナーもいるのだから。明日は、久しぶりにギター教室に行く。練習不足ははっきりしているが、これも僕の生き方の一つなのだ。
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政治家・安倍晋三を語るべし  文科系

2022年07月12日 12時52分57秒 | 国内政治・経済・社会問題
「死者には丁重にという伝統」を踏まえてなのかどうか、安倍晋三を振り返るマスコミ論調が、政治家としての彼が国民、国に示した不見識、野蛮な「多数派暴力」政治とも言えるものを何も語らないという意味で、不見識が過ぎると思う。まるで、以下のような安倍の政治言動をこれからも続けて良いのだと示しているようで、日本の政治のこの先が危ぶまれるような。

 例えば安倍晋三は、自分に反対する国民を「反日」と呼んで、憚らなかった。近代民主主義国家では言うまでもなく、どの国民も国の主人である。対するに安倍晋三は、その国民の税金で国民のために働けと命じられてきたところの、一人の公僕に過ぎない。その公僕が国民を反日と呼ぶなど、どこにそんな権利があると考えていたのか。一人の公僕が「日本とはこういうものだから、貴方は日本人ではない」と語り続けてきたのだが、これがどれだけおかしなことなのか、分からないのである。

 同じようなことだが、こんな発言もあった。国家基幹統計の改竄をめぐって「国家を危機に陥れることもあり得るという認識はお持ちか?」という国会野党質問に対して、「私が国家ですよ」と応えて、答弁になっていると考えている御仁なのである。質問の意味も分かっていないからこんな答えになったのだろうが、彼は国家ではない。彼よりも上の国家的存在はいくらでもある。先ず第一に、憲法や主権者国民。そして、国家機関には三権があるうえに三権の中の最高機関は国会であるうえに、首相といえども罪を犯せば裁判所に引っ張り出されるのである。そんな自明の理を前にして「私が国家ですよ」などと言えたのは、自分が総裁である与党が国会の過半を握っているし、近く憲法も変えるのだからなどという驕りをさえ現しているのだろう。現に、この安倍氏が、国会無視をしょっちゅうやってきたのが、その証拠。どうせ国会にかけても通るのだからかける必要なしとばかりに、内閣令の連発をやっていたはずだ。そして、選挙前に自分の罪が指弾されるのを避けようとして、定められた国会開催をボイコットするという憲法無視までをやってのけた御仁である。

 というその国会に対する彼の態度も、およそ常軌を逸していた。その答弁は質問には答えず、ダラダラと持論の演説を続けて、質問時間を潰してしまう。答弁に無数の嘘が混じっていたのも彼の特徴であって、これが反対者を人として無視するに等しいと気づきもしない知性なのである。「私は貴方の意見に反対であるが、あなたの発言権は命をかけても守りたい」という政治格言の正反対に位置した政治家というべきだろう。

 さて、反対者に対してこれだけ無視、罵詈雑言を続けて来た総理とは、なによりも全体主義的政治思想の持ち主ということになる。つまり、彼の政治力が広がるほどに、反対者は社会の表面から無視され、退けられていくような政治なのだ。日本学術会議会員の任命拒否が正にこのことを示していた。

 「こんな政治家」の側面をマスコミはどうして全く振り返らないのか。このままであれば、以上の安倍の行動をそのまま見習うような政治家がどんどん出てきて良いのだということにしかならないのではないか。そんな道は、日本の民主政治が死んでいく道に他ならない。
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円急落時に、空売りの説明  文科系

2022年07月11日 13時25分21秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 1ドルが137円10銭台なのだそうだ。この24年ぶりとかの安値現象は、普通こう説明されている。米金利が上がり、日本金利は緩和策継続との動向からと。しかしながら、株とか通貨や国債、債券には空売りという大儲け手段が絡んでいる場合も多いのであって、円暴落がずっと警告されてきた「アホノミクス」「財政ファイナンス」日本には、バブルに対する空売りと同様にこの危険も常に警告されてきた。現にこの6月には、月に5兆円ほどの日銀による日本国債買いが16兆円とかになったと聞く。売ったほうはイギリスのあるヘッジファンドだが、空売り策動の狙いはないのかどうか?
 こんな機会だから、その空売りの仕組について、今一度説明してみよう。前世紀の末、アジア通貨危機の発端タイ・バーツの空売りはこのように行われた。

『1ドル25バーツから30バーツへの下落というバーツ安のシナリオを予想し、3ヶ月や半年後の決済時点に1ドル25バーツ近傍でバーツを売り、ドルを買う先物予約をする。バーツ売りを開始すると市場は投機家の思惑に左右され、その思惑が新たな市場トレンドを形成していく。決算時点で30バーツに下落したバーツを現物市場で調達し、安いバーツとドルを交換すれば、莫大な為替収益が得られる。96年末から始まったバーツ売りに防戦するため、タイ中央銀行は1997年2月には外貨準備250億ドルしかないのに230億ドルのドル売りバーツ買いの先物為替契約をしていたという。短期資本が流出し、タイ中央銀行は5月14日の1日だけで100億ドルのドル売り介入で防戦したが、外貨準備が払底すると固定相場は維持できなくなり、投機筋が想定したとおりの、自己実現的な為替下落となる。通貨、債券、株式価値の下落にさいして投機で儲けるグループの対極には、損失を被った多数の投資家や通貨当局が存在する。』(毛利良一著「グローバリゼーションとIMF・世界銀行」、大月書店2002年刊)

①「1ドル25バーツ近傍でバーツを売り、ドルを買う先物予約」を例えば100億ドル分やっておく。
②他人のバーツまでを借り尽くしてバーツ空売りを重ねた末に、「決算時点で30バーツに下落したバーツを現物市場で調達」を84億ドル分やれば、2500億バーツが手に入る。
③この2500億バーツで①の先物予約を実行すれば、100億ドルが手に入り、このうち16億ドルが丸々儲けになる。

 債券などというものはこうして、高値になったから売って利を出すというだけでなく、「暴落させて儲ける」という道もあるわけだ。そのかわり、「売られた方」の関係者にとってはまさに「生き馬の目を抜かれる」ごとしで、命にも関わるような一大事なのである。こういうことが一国の通貨に対しても常に行われてきた「通貨危機」というのが、まさに株主利益最大化方針資本主義の所業として世界中で無数に繰り返されてきたのである。
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ジョンソンと安倍晋三  文科系

2022年07月08日 15時42分24秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 このエントリー原稿は、昨夜書いたものだ。当然、このひとつ前のエントリーの続きとして。が、今朝になって大変なことが起こった。それでも、やはり大事なこととして、これを掲載する。昨夜書いた文章そのままで。


 昨日のエントリーと同じ標記の内容を、英首相ジョンソンが辞任に至った今、改めて論じ直してみたい。両者は政権党党首、首相としての政治手法、罪状が瓜二つなのである。という以上に、罪状に関しては安倍晋三の方がはるかに重いと言える。以下のように。

 ジョンソンの罪状をめぐって論じられたマスコミ論調には、こんな言葉が必ず入っていた。一つは、「首相の最も重い罪は国会を欺くことだ」というもの。これが大罪というのは、日英いずれも国会が国権・国政の最高機関だからこそなのであるが、二人ともこの意味が分かっていなかったかして、これをやり続けてきたのであった。今一つは、数々の失言や嘘、不誠実な応対があっても許されてきたのは、「選挙に勝てる党首として党内支持が堅かったからである」という、「選挙だけ政治に励むかのごとき党首」という顔である。ついては、安倍晋三ご自身の国会ヤジにこんなものがあったのを思い出す。「(野党諸君がこんな風に私を批判しても)この私は選挙に5回も勝ったぞ!」。

 この二つの点に関して、ジョンソン・安倍両氏の罪状比較をやってみよう。
 まず、国会への嘘だが、モリカケサクラを合わせれば数百回になることがはっきりしていて、安倍晋三が断然多いことになる。
 また「選挙のために政治をやっている」については、なによりもサクラを振り返ってみるがよいのである。毎年春の桜の下に国政功労者に集まっていただいてこれを讃えるという国家行事が、いつの間にか個人選挙功労者・後援会幹部などの場所にすり替わってしまい、「山口県人がばかに多い会」にどんどんなって来たということ。さすがにジョンソンでも、国家行事のこんな私物化は「コロナ下数回の私的パーティー」であって、安倍よりもずっと規模が小さかった? 

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入院報告,と、「民主主義度で日英大差」のこと  文科系

2022年07月07日 17時19分52秒 | Weblog
 入院目的であった2種の抗がん剤投与のうち、週一投与の方2回目が2回も延期されてしまった。一回目は白血球値が下がりすぎ、2回目は血小板数が足りなかったから。そして、今朝の血液検査でいずれの数値も基準を満たしていたからということで、「明日この2回目をやって、明後日土曜日、いったん退院」と申し渡された。以降は2か月ほど通院投与になる。それから膀胱全摘のダヴィンチ手術という予定なのだ。以降はストーマという体外膀胱をつけることになるが、腸の一部を尿導管につないでストーマへの出口を作る「回腸導管」というやり方になるようだ。まー逍遥と、言われるままに従っていくしかない。
 体力が落ちないようにという階段往復やスクワットは普通にやってきたから、2回目の薬はきついものではないそうだし、退院したらちょっと走ってみようかなどと、目論んでいる。

 ところで、イギリスの首相が閣僚の信頼を失う不祥事をしでかして、辞職になる雲行きらしい。コロナ下で何回かパーティーを開いたり、一閣僚不祥事を不問に付したりして、それらの告発に対して首相が嘘の応対を連発してきたことも分かってしまい、「首相不信任・閣僚辞任」が相次ぐことになった。
これで思い出すのが日本の安倍晋三元首相。モリ・カケ・サクラと重なった国政私物化とそれを誤魔化した何百という国会嘘答弁の決着はいまだについていないはずだ。イギリスと違って、この日本では、これを告発する閣僚など一人も出ていない。それどころか、過ぎた選挙を前にしてこの国会質疑応答を逃れるために国会を開かず、延ばし延ばしにしたうえに、開いたと思ったら即座に解散という、前首相不祥事隠しのための暴挙に政権党がこぞって邁進していったのであった。それで現在のこの安倍晋三氏は、相変わらず与党最大派閥の長に収まっていて「軍事費をGDP2%に」などと豪語しているのである。日本とイギリスの行政権・内閣の民主主義度のなんと大きな違いであることか! このことが、この度の選挙の争点になっていないというのは、日本の政権党、政治はちょっと狂っているということだろう。国権の最高機関・国会で嘘八百答弁がわかっても、何のお咎めもない日本なのである。
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