標記は、毎日新聞本日分五面のある記事の見出し。正確にはこう書いてあった。「米中心の世界 終わり早めた」。書き手は政策研究大学院大教授・岩間陽子氏。書き出しが1929年の世界大恐慌であるなど、当ブログで書いてきたトランプ米の見方と同じだったから、大きな驚きと共感を持って紹介したい。
まず書き出しは、トランプ関税とその「上乗せ分90日間停止」のこと。「1929年の世界大恐慌が頭に浮かんでめまいがした」と書き始められ、90日間停止にふれてこう語られた。
「あのまま関税を発動していたら(株価)暴落につながっていたはずだ。少なくともトランプの周辺は歴史を知っていたのだろう」。
その上で、標記のことを確認していくのである。
まず、欧州はすでに米国を離れたとし、東南アジアの国々ももう中国寄りが加速するだろうと語られて、はて日本はと展開されていく。
最後の記述こそ重要なのだ。製造業空洞化こそアメリカだけではなく先進国共通の大問題と語る。そのアメリカにおける帰結がトランプ現象なのだが、先進国共通のこのポピュリズム政治をこそ真剣に議論せよと結ばれている。
ちなみに、トランプが抱えている、最大最大難問題二つを拙ブログでは常にあげてきたが、それについて触れておきたい。
一つは「パーパス文書」と呼ばれているものに現れた危機意識だ。19年に米経営者団体ビジネス・ラウンド・テーブルが内外に表明したもので、こんな内容である。
「米製造業空洞化が、こんなに早く中国によってもたらされるとは驚きであった。これからは、株主だけのことではなく、労働者や地域などステイクホルダー全体の利益をも考慮していくと約束する」
なお、このパーパス文書については、このブログ右上の検索欄「このブログ内検索」で、「パーパス文書」と入れていただけば、いくつもお読み願える。
そして今ひとつは、アメリカ国家の大赤字。通常は18兆ドルと言われているが、15年に元会計検査院長のデイブ・ウオーカー氏が公式発表を3倍以上上回る65兆ドルと発表されている。なお同氏は、クリントン、ブッシュ時代の同院院長だった人である。
アメリカの難問はこうして、解けるはずのない壁に阻まれているのである。ぼろが出た末に、中国に敗れるのが、関の山。