六十代になって誕生日は嬉しくない。まだ、この一年生き延びたという感慨がある歳ではない。
勤めていた頃は共働きということもあって、たがいの健闘を祝福したこともあったものだが、退職してからは「あなた、お誕生日ですよね。」言われても曖昧に返事をして済ますことが多くなった。
ところが、昨夜、三十半ばを超えた息子が帰るなり、九条のブログの書き込みをしていた私の部屋にのっそり入ってきて、花束らしき物をくれた。
「一日早いスけど、誕生日ですよね。」言われた私は、一瞬戸惑って「あっどうも。」と言った。
見てみると白を基調にした花をうまく配置したた地味だが品のある花束であった。
しばらく眺めてから妻に花瓶に入れてもらおうとキッチンに行った。
妻は驚いて「へーあなたにねえ・・・」と言う。
妻は誕生日毎に花束をもらっていて楽しみにもしている。
花瓶に移しているとところに息子が顔を出して、「その花束・・平和という花束だそうス。」と言って出て行った。
私は部屋に花瓶を置いて、改めて眺めた。
しばらく考えてから、パソコンに保存していたパレスチナ空爆の写真を背景に花束の写真を数枚撮った。
そして、六十六歳でもらった花束と一緒に写したパレスチナの子供は終生忘れないだろうと思った。
勤めていた頃は共働きということもあって、たがいの健闘を祝福したこともあったものだが、退職してからは「あなた、お誕生日ですよね。」言われても曖昧に返事をして済ますことが多くなった。
ところが、昨夜、三十半ばを超えた息子が帰るなり、九条のブログの書き込みをしていた私の部屋にのっそり入ってきて、花束らしき物をくれた。
「一日早いスけど、誕生日ですよね。」言われた私は、一瞬戸惑って「あっどうも。」と言った。
見てみると白を基調にした花をうまく配置したた地味だが品のある花束であった。
しばらく眺めてから妻に花瓶に入れてもらおうとキッチンに行った。
妻は驚いて「へーあなたにねえ・・・」と言う。
妻は誕生日毎に花束をもらっていて楽しみにもしている。
花瓶に移しているとところに息子が顔を出して、「その花束・・平和という花束だそうス。」と言って出て行った。
私は部屋に花瓶を置いて、改めて眺めた。
しばらく考えてから、パソコンに保存していたパレスチナ空爆の写真を背景に花束の写真を数枚撮った。
そして、六十六歳でもらった花束と一緒に写したパレスチナの子供は終生忘れないだろうと思った。