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福島の甲状腺癌拙稿への反論に反論   文科系

2015年11月30日 14時36分59秒 | 国内政治・経済・社会問題
 昨日の拙稿にお三方の反論がありました。反論とも言えないような物で、ちょっと情けなかった。よって今後の実りある討論を期待して、お三方に僕がお応えしたコメント二つをエントリーに掲載しておきます。

【 一言で応えられる (文科系) 2015-11-30 13:47:54
 ご質問ご苦労様です。以下がお答え。
①甲状腺癌は進行が遅いもの。普通は手術など急がない。ところが、福島では発見138例のうち105例で手術をしている。結果は上記この通りだった。
『福島県立医科大学で手術した96例で言うと72名がリンパ節移転、38名が甲状腺外浸潤、肺への移転3名と発表されました』。
 すべて、県立医科大学関連の公表数字である。

②これは、チェルノブイリで多かった例にならって、死に至る「リンパ節転移」を恐れたからだ。現に事実96例中72例のリンパ節転移があったと公表したではないか。

③この例から例えば過剰診断説だと、105例の手術が不適切だったとか、72例のリンパ節転移も放置しておけば良かったとか言うことになる。

④よって例えば70さんが「大間違い」と断じたこれはまー「為にする議論」。
『過剰診断、偽陽性率というものを脇に置いて福島の甲状腺癌の話をするのは大間違い。』
 何が「大間違い」なのだろう。

 言葉だけの批判は、今後「為にする議論」と見なさざるをえない。自然科学議論は特に、数字などを上げた実証で行うものだ。

 追加の一言。当初から国と綿密に相談し合ってこの調査・対策を始めた福島県は、被害を過小視する側だということも既に証明済みである。その資料でさえ根拠も上げずに批判するという態度は余計に「為にする議論」と僕には見える。】


【 追加の証言 (文科系) 2015-11-30 13:54:35
 この福島県民健康管理調査検討委員会がいかに事故・後遺症過小視に務めてきたかの一つの証言が以下です。問題の書物から、山下初代委員会座長と毎日新聞日野記者との対決内容です。

 『 日野氏「『資料は(正式会議の)事前には配られていない。県は私にもストーリーを持ってこない』と(以前の私とのインタビューで)言っていましたね。なんであんなことを。」
 山下氏「県を擁護したつもりでした」
 日「問われる問題であることは分かっていたんですね」
 山「そこまでは分かりませんでしたよ」
 日「あれは嘘ですよね」
 山「まあ端的に言えば」
 日「秘密会を開く目的は、一定の結論を導くため、過小評価する目的ではないんですか」
 山「少なくとも結論ありきではない」
 日「本会議で何を話すか、逆に何を話さないようにするかまで秘密会で決めています。健康診査の線量基準などは典型例ですが、先生は再三わたって『今回は(本会合で)議論しないように』と釘を刺しています。これは議論の制限であり、情報操作ではないのですか」
 山「これは私の意見として言ったものです」
 日「なぜ本会合で県民の前でしてはいけないんですか」
 山「してもいいと思います。議論を尽くせない段階だったからだと思います」
 日「山下先生としては表に出せる議論と出せない議論を分けたつもりはないのですか」
 山「まったくない」
 日「県も同じ考えでしょうか。進行表の書き方は違いますよね。それに沿ってやる以上は分けたことになるのではないですか」
 山「座長としては進行表を使いますから、県への配慮がなかったかといえば嘘になる・・・・。」 』

 そもそも、悪性甲状腺癌確定とか、その疑いとか、或いはリンパ節転移72例、肺転移3例とか、これらの悲しい数字などはすべて県立医科大学・委員会から出たもの。これに批判があるなら、僕ではなく県とか、現方針を決める責任者であった上記山下氏らとかに語るべきことでしょう。「リンパ節転移がこれほど多くても、手術などすべきではなかった」とか「過剰診断である」とかも含めて。僕の文章を批判するなら、僕が作った部分だけに限って欲しいものです。
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ハリルジャパン(37) 「レスター2トップシフト」と、マンU監督  文科系

2015年11月30日 14時16分46秒 | Weblog
 マンチェスター・Uは、28日に行われたプレミアリーグ第14節で日本代表FW岡崎慎司の所属するレスターと対戦し、1-1の引き分けに終わった。マンチェスター・Uを率いるルイ・ファン・ハール監督が、同試合で3バックを採用した理由をこう説明している。

「DFに負傷者が多いので、そうせざるを得なかった部分はある。だが、戦術を変えた理由には、レスターのプレースタイルもあった」

「ヴァーディと岡崎に繋がる道を断つ必要があった。それが理由の1つでもあったんだ。それに、中盤に1人増やしたことで使えるスペースも増え、試合を圧倒できた。ただ、もっとチャンスを作れなければいけなかった。レスターよりはチャンスも多かったと思うが、十分ではなかった」

 マンUのこの大監督にこれだけ評価される岡崎もやはり凄い。が、それ以上にこのゲームでは、バーディーの11ゲーム連続得点というイングランド記録10数年ぶりの更新が驚ろく偉業である。なによりも、歴史を観てもこんなに弱かったチームの、昨年まではチーム・エースでもなかった28歳の男が、こんな記録を作った。

 世界のサッカー主要国史を見ても全く稀有なことではないか。繰り返すが、
①連続得点記録なんて、強いチームでこそできるもの。
②去年までは一度とてチームのエースでさえなかった28歳の男がこの偉業をなした。

 事実は小説よりも奇なり、この一つに入る事件だろう。
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再見「マンザナわが町」   らくせき・愛知自民を落とそう

2015年11月30日 09時27分23秒 | Weblog
「マンザナわが町」を見てきました。
地元名古屋の演劇人の熱演。演出も冴えた舞台でした。
井上ひさしのこの作品。随分前に見ました。
しかし、まったく覚えていませんでした。
隣の奥さんに「こんな話だったけ?」と聞くと
同じように記憶にないとの返事。

日本人が強制収容所に入れられたこと。
アメリカではレーガン大統領の謝罪がありました。
先日も不当性を訴え続けていた日系日本人に
民間人としては最高の栄誉賞が贈られました。
(いろいろ問題は多いですが、
アメリカという国のよいところです。)

自由は智恵と勇気で闘いとるもの。
井上ひさしのこのメッセージ。
私の中には根付かなかったようです。

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<ものみやぐら>より   大西五郎

2015年11月30日 09時08分20秒 | Weblog
TBS非難の意見広告に毎日新聞が疑問を呈する 2015.11.28 代表委員 大西 五郎

 TBSの「ニュース23」でアンカーを務める毎日新聞特別編集委員の岸井成格(きしい・しげただ)氏が安保法案に反対したことを非難する意見広告が読売新聞と産経新聞に掲載されました。根拠とされたのは、放送事業者の政治的公平性などを定めた放送法第四条です。「政治的公平性」は政治が放送内容を非難するたびに持ち出されますが、毎日新聞は11月28日の朝刊で、放送法第四条の本当の意味は何なのかを問い質しています。(以下毎日新聞の記事から)
「放送法遵守を求める視聴者の会」の意見広告
 毎日新聞によりますと、意見広告を打ったのは、今月発足したばかりの「放送法遵守を求める視聴者の会」です。呼び掛け人は、上智大学名誉教授の渡部昇一氏や作曲家のすぎやまこういち氏ら右派の論客が名を連ねています。
 広告によりますと、TBSの「NEWS23」の9月16日の放送で、アンカーを務める毎日新聞特別編集委員の岸井成格氏が「メディアとしても(安保法案の)廃案に向けてずっと声を上げ続けるべきだ」と発言したと指摘した上で、放送法四条が「放送事業者は政治的に公平であること」などを求めている点に触れ、「一方的な意見を断定的に視聴者に押し付けることは放送法に明らかに抵触する」と批判しました。
放送法にいう「政治的公平性」とは
 毎日新聞は、放送法の「政治的公平性」は、安倍政権下で議論の的になってきたと指摘しています。「ニュース23」には、前回衆院選直前の昨年十一月に安倍首相が出演しましたが、アベノミクスに批判的な「街の声」が紹介されると、首相は「実態が反映されていない」と不満を漏らしました。自民党は衆院選報道で「公平中立、公正の確保」を求める文書を在京各局に出しました。
 政治介入の口実に使われかねないのが放送法四条ですが、青山学院大学の大石泰彦教授(メディア法)は「本来は放送事業者が自主的に守る倫理規範という位置づけ。第一条が放送の自律、表現の自由をうたい、第三条が「何人からも干渉され、規律されない」と定めている流れからも明らかだ」と説きます。
 放送業界が第三者機関として設ける「放送倫理・番組向上機構(BPO)」の放送倫理検証委員会も今月六日、やらせが指摘されたNHKの番組(クローズ・アップ現代)をめぐり、自民党の情報通信戦略調査会がNHK幹部から事情聴取したことなどに触れ、大石氏と同様の見解を示しました。
放送業界が権力と距離をとるのは戦前の反省から
 放送法は1950年施行ですが、放送業界が権力と距離をとる背景には戦前の反省があります。ジャーナリストの鳥越俊太郎氏は「放送も他メディアと同様、軍が出す情報を垂れ流して戦争にブレーキがかからず、多くの命を失わせた。そうした歴史を踏まえた使命感がある」と訴えます。同じくジャーナリストの青木理氏も「そもそもメディアの役割は国民に代わり権力のチェックを行うことだ」と強調しています。
 毎日新聞の記事は、自主的に守るべき「公平性」が何なのかと問いかけます。大石氏は「政権が足場を固めるため、世論操作しようとするのは当たり前、だからこそ、放送事業者が、外側にいて観察する「公平性」が求められる。自らの主張に政治から反応があれば、あらためて取り上げればいい。そうすることで幅の広い報道になる」と強調しました。
安倍政権の主張と一体の広告の主張
 「放送法遵守を求める視聴者の会」というのが急遽作られた背景は何なんでしょう。BPOがクローズアップ現代のやらせ問題を検証した報告の中で政府(総務相)がNHKに「政治的中立を守れ」と厳重注意したり、政権党である自民党がNHKの幹部を呼びつけて事情聴取という名の圧力を加えたことを「放送の自由に対する政権党による圧力」と指摘したことに対して、急遽、政権だけが問題にしているのではないということを示そうとしたように思えます。しかし裏では政権と繋がっていることは見え見えです。
政府のやることに賛否表明はマスコミの役割
 全面広告はTBSのニュース番組の中でアンカーマンの岸井氏は安保法案に反対の意思表示をし、「メディアとしても廃案に向けて声を上げ続けるべきだ」と述べたことを放送の公平性を損なっていると非難していますが、マスコミ・ジャーナリズムには政府のやることを監視し、批判する役割があります。ですから番組の中で法案に対して反対の意見を述べることは禁止されていることではありません。それを怪しからんというなら、放送は政府の方針を批判してはならないと云っていることになります。それではマスコミ・ジャーナリズムの役割を果せないことになります。
 インターネット上で、TBSが圧力に屈して岸井氏の降板を考えているという情報も流れています。真偽の程はわかりませんが、TBSは圧力に屈しないでほしいと思います。私たちも政府や全面広告を出した団体の主張に反対し、BPOの見解にも賛同の意を明らかにしていきましょう。 
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福島、子ども甲状腺癌、発生推移   文科系

2015年11月29日 12時52分07秒 | 国内政治・経済・社会問題
 標記のことについて、まずこのこと。僕がこの関連の記事をここに過去8つは書いたのに、どんな言葉を入れて「このブログ内検索」をしても、僕の記事は一つも出て来ません。出てきた唯一の方法は、拙稿エントリー名そのものズバリに近いものを入れるしかありませんでした。すると出てくるのは、同類エントリーが最低でも10ほどはあるはずなのに、その題名のエントリー1つだけ。

 さて、この6月末までの数字で、14年4月から始まった38万人対象の第二巡目調査結果の中間報告が8月末にで発表されています。だから、以前の拙稿への追加を書こうと昨日思い立っていたのでした。調査の最新結果発表を色々調べていて、いろんなことが分かりました。
 なお、僕がこれを追跡して来た理由はこうです。この調査が、最初から胡散臭かった。調査(検討)会議に向けて長い間、その度毎に事前秘密会議を開いていて、1人の毎日新聞記者がこの存在を嗅ぎ付けて苦労してこれをすっぱ抜いてから、しぶしぶ秘密会議の内容までを認めた。この会議そのものを事態の過小評価に導こうとしていたという、そんな責任者回答までも嫌々ながら引き出しています。これを先導したのは県の事務局ですが、その背後に国がいることは当然です。なんせ、国からも委託されて県だけでやっている唯一の調査なのですから。
「これだけ隠すなら、僕があくまでも追跡見届けを敢行してやろう!」。
 僕はこう決意したわけでした。その後も隠蔽に次ぐ隠蔽です。県外受診者は除いている、以前調査に引っかかった子どもで関係部局とは別に手術済みの人を密かに公表対象から省いているようです。過去調査の数値を上げて重大疑義が書いている方がいました。
 流石、『安倍「秘密保護法」内閣!』などと、思わず声が上がってしまいました。

 さて、8月31日発表の6月末調査結果です。第1巡目調査で113名が甲状腺癌またはその疑いと確定し、また、第二巡目調査で25名が確定。合わせて、138名。その内105名が手術(後述しますが、この手術数が重大なことのようです)をして、104名が悪性癌と判明。なお、ここまではこういう推移をたどってきました。2014年08月27日の拙稿「福島、子ども甲状腺癌で新発表」で、「悪性甲状腺癌」と「その疑い」という数字で毎回同委員会から発表されてきたもの。
13年 8月 18、24、合計42人
13年11月 26、33、合計59人
14年 2月 33、41、合計74人
14年 5月 50、39、合計89人
14年 8月 57、46、合計103人
 
 さて、子どもの甲状腺癌は本来進行の遅いものということです。それが、今年3月31日までに手術した104例のうち福島県立医科大学で手術した96例で言うと(1名の良性結節は除く)、72名がリンパ節移転、38名が甲状腺外浸潤、肺への移転3名と発表されました。そして、105名が手術というのも、非常に重大な数字になるはずです。つまり、急いで手術をするしかなかった子どもたちということでしょう。
 これでも、フクシマ原発の影響はないと言い張っている当局。チェルノブイリの経験だと、事故後5年目から患者急増ということでした。来年16年度がその5年目に当たります。

 なお、過去にこの問題、推移などを扱ったエントリーをいくつか上げておきます。
・「福島、子ども甲状腺癌で新発表 2014年08月27日」
・「 フクシマ健康調査、一事が万事  2014年05月28日」 ここには、調査検討委員会の山下座長と毎日新聞記者との面談報告なども書かれています。
・「フクシマ甲状腺癌、最近の論争  2014年05月27日」
・「規制の虜の復活(18) 悲しい小児癌の広がり 2014年02月08日」
・「規制の虜の復活(16) フクシマ甲状腺がんの広がり 2013年11月27日」
・『規制の虜復活(15) 書評「福島原発事故 県民健康管理調査の闇」 2013年11月16日』 これは、岩波新書の本で、著者は日野行介・毎日新聞東京社会部記者です。日本という国のこの事故に対する姿勢が絵を見るように分かる素晴らしい本で、国民必読の書と言いたいです。
・『書評の予告「福島原発事故 県民健康管理調査の闇」2013年11月14日』
・「保安院の大罪(93) 福島県健康調査座長の不思議な謝罪 2012年11月20日」

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原因と結果    らくせき・愛知自民を落とそう

2015年11月29日 09時08分52秒 | Weblog
中日新聞に佐藤優さんがISについて
評論家は原因と結果を取り違えていると指摘。
ISは結果であり、原因となった
英仏などの歴史を無視した領土分割に
言及しないのでは、解決の道筋は見えないと。

ISはテロが効果がなくなったら別の手段で
同じことを繰り返すとも。

たとえば、日本の西半分と朝鮮半島の南半分、
それに遼東半島で一つの国とされても
国としてまとまらないでしょうね。

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連載随筆紹介  万葉からだ歌   文科系

2015年11月28日 11時13分37秒 | 文芸作品
 万葉からだ歌(一)目     N・Rさんの作品


 万葉集には、目、眉、髪、手足と、からだで語る言の葉が多い。これがもともと日本語の基礎語だから、時代が千年、二千年と変わっても、あまり変化しない。古人が手と詠めば現代も手であり、胸、肌とてもおなじだ。たしかに、からだはどの部分も雄弁で、人間は、からだじゅうで語りかけて秀歌を育んできた。

「目・見る、見る、視る、看る」

 振り放ちて三日月見れば一目見し
 人の眉引き思ほゆるかも(六ー九九四)

 若き日の大伴家持の一首だが、〈私は三日月を見てびっくり。あなたの美しい眉引きとそっくりです。今一度、早くお目にかかりたいものです〉

 見る、目線、視線、まなざし「思う、考える」のはじまりだったのだろう。互いに正面から目を交わし合っている状態は、つまり心の合意だったにちがいない。目をそらしてでは言葉も心も通じていないことか。
 目はよく物を言う。〈母のその目は、子どもをすでに許していた〉など、小説の中の名セリフは多い。「人生観」「生と死を見つめている」も目が主役。
 病院などで「診てもらう」看護師や付き添いの人に手当てしてもらうことも「診てもらう」だ。「診る」の字は、手をそえて見守ってもらうの意。これが看護の基本で、死んでゆく人も「見送る」と、目でのお別れ。
 これ以外に目は生活語の中に多い。「目玉商品」「大目玉をくう」「見はなされる」「目をかけてもらう」など。ある歌人が詩の中で面白い表現をしていた。白内障の手術をしたとき医師が「眼球」「がんきゅう」と言うことに「これはボクの目玉だ。自分のめんたまだ」と医師をにらみつけて”私の物”を主張している。

 日本人の目の文化は、まだいろいろある。江戸時代の浮世絵を見ると、昔から大きな目の女の人はいたはずなのに、絵の中では、みんな目が細い。流し目が情緒、情念の美だったようだ。今は目をむく人が多いけど。
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ハリルジャパン(36) 本田、ウエストハムへ行け  文科系

2015年11月28日 09時11分12秒 | スポーツ
 僕はこのブログで「本田のミラン移籍、大反対」「選手生命を無駄にするだけ」と、何度も書いてきた。その彼がかなり前から、プレミア・ウエストハムのビリッチ監督から熱烈な誘いを受けている。この移籍には大賛成だ。先回35に付けたウエストハム関連プレミア動向を見つめたコメント二つを、ここに転載したい。

『本田の行方で (文科系)2015-11-25 21:52:35
 ミランはもう、本田を出すつもりだし、本田自身もうそう決心しただろう。

 ところで、本田にはプレミア・ウエストハムのビリッチ監督がご執心のようだ。ビリッチ監督って、上のエントリー末尾で「ウエストハムのクロアチア人監督、ビリッチも要チェックと言いたい」と書いたお人である。
 もともとミランは移籍金〇ユーロになるまで待ってから本田を獲ったはず。ウエストハムは9億円を用意しているというからミランは出すだろうし、今の本田にこの値段はプレミアしか付けられないはずだ。ウエストハムよりももっと熱心に誘うチームが出れば話は別だが、先ずそれはないだろう。そして僕は、前のミランの時には本田の今を予測してここでも移籍に反対し続けてきたが、プレミア・ウエストハムなら諸手を挙げて賛成する。オシムの流れをくむ名監督ビリッチ。本田の正当な戦術眼と凄まじい執念とをちゃんと正当に評価してくれるはずで、最後の場所として打って付けではないか』

『本田はウエストハムに行け (文科系)2015-11-26 22:27:03
 ビリッチのウエストハムって、レスターと同様に今期評判のチーム。強豪をこのように負かして現在6位。以下のようにレスターにも似ている。
 アーセナルを2対0、リバプールを3対0、マンCに2対1、チェルシーには2対1で、それぞれ勝っている。
 ただ、レスターとは2ゲームやって、いずれも1対2で敗北しているところが面白い。

 なお、エントリーで得失点差がレスターに似ていると書いたが、その相似ぶりは、こうだ。得失点で、レスターが28の20、ウエストハムが24の20。レスターの得点はリーグ1位だし、ウエストハムは3位だ。多すぎる失点20は、ともに13位である。二つとも、攻撃型チームと言うことだろう。

 このウエストハム、ポゼションもロングボールも出来るチーム。つまり、レスターと同様臨機応変な能力があるということだろう。この2チーム、もっともっと研究してみたいと決意している。
 そして、このチームの監督が去年から本田を熱望してきたというのが、僕には面白い。これも、本田が万能型選手としてイングランドで活躍できると観ているからだろうし、岡崎がチーム戦術を変えたというように衝撃的にイングランドにマッチしたように本田もそうなるとこの監督が観ているからだと思う。つまり、世界有数の個人技集団でチームを形成しようとしてきた今までのイングランドと違って、最先端の戦術で這い上がってきたかのチームが本田を必要な選手と観た。』
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随筆紹介 「『髪』黒くすがすがしく」   文科系

2015年11月27日 00時49分55秒 | 文芸作品
古典はリアルーー万葉からだ歌ーー (十二) 「髪」黒くすがすがしく(注)
   N・Rさんの作品


 朝寝髪我れは梳らし美しき
 君が手枕触れてしものを
──朝の乱れ髪、私は櫛を通さず共寝の一夜を大切に思い出しております。なんと甘美な女心の一首──
 万葉集の髪は、胸の想いをきちんと語り伝えてくれる確かなものになっている。「髪の乱れは心の乱れ」、「髪をさかたてる」、「髪の先まで怖い思いをした」等々。面白いのは、頭を詠んだ歌より髪の方が五十余首多いこと。

 そのほとんどが官能的な相聞歌の素材で、植物の山スゲ(ユリ科ジャノヒゲ)がしなやかな髪になぞらえられている。細い青葉のしなやかさが女性の美しい髪だという。”スゲ、スガ”の音から、すがすがしさ、きれいな女性の黒髪を連想させたからだろうか。
 あしひきのヤマすげの根のねもころに
 われにぞ恋うる君の姿に
──草の根がしっかりと絡むように、私はあなたを恋い慕っております──

 嘆きつつますらおのこの恋うれこそ
 我が結ふ髪の清くぬれけれ
──強い男のはずのあなたが、恋しがって泣かれるので、私の髪までが濡れてほどけてしまいましたわ──

 黒髪のやさしさ、恋しさについては『古事記』の仁徳天皇が若い娘子によびかける愛の詩にも「一本スゲは子を持たずや、あたらうるわしき山スゲのごとき美女なのに──」と、女性をたたえている。さらに『上代風土記』にも「スガ山のごとき、しなやかなる娘子よ」という名説話までも。

 これらが、やがて現代短歌集『みだれ髪』にたどりつく。
 罪多き男こらせと肌清く
 黒髪ながくつくられしわれ
 
 みどり髪を京の島田にかえし朝
 ふしていませの君ゆりおこす


 注  僕等の同人誌月例冊子に連載された「万葉からだ歌」を、順不同でぱらぱらとしばらく転載していきます。万葉集から、身体の各部位を題材にした作品群。言わば、万葉人の身体感を観ていくという面白い趣向です。


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世界史の『今』って?  文科系

2015年11月26日 12時59分43秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 昨日のエントリーには補足が必要だと判断して、三つのコメントを付けた。いずれも重要なコメントだし、こういう題名の発想自身が今この上なく大切な時だと考えるので、そのままエントリーにする。

 パリ・テロに続いて、トルコ・ロシアとか、英仏の軍事大拡大傾向とかなどなどの事件が、「これが世界というものだ」と叫んでいるような世界史の今である。

 全く別のこんな見方も出来るのだが、そんなことはどこ吹く風とばかりだ。
 これは、以下のような近年世界長年、最大の困難、悩みをニュースからかき消すための悪あがき、画策ではないか。12~14日にニューヨークダウは563ドル急落した。これも中国経済不振も含んで、日米欧こぞって作った官製バブルが破裂する可能性もおおいに出て来たと言える。これでは、9年越し念願の米利上げなど、できるわけもない。なんせ、アメリカ国家の累積債務は65兆ドルであって、6100億ドルという年間軍事費が持続不可能なことは誰の目にも見えてきた。
 いつものように、以下のコメントにもいくらかの加筆、補足を加えた。

【 「今という時代は?」 (文科系)2015-11-25 10:51:43
 上の中日新聞社説はこう締めている。
『世界史の中で今私たちは試されているのです』
 そして、この文章に僕は思う。この「今」とは、どういう今か。文中の「世界史の中で今」とは、どんなものだろう。人間は過去を知り、それを思い出すことによって、未来を考えることができる。

「新自由主義経済の今」は、古典派経済学の自由競争が「さらに拡大した世界」ということだろう。それが世界大の激しい競争になるにつれて、そうなってきた。これに伴い、この陣頭指揮までをやり始める国家も、こう替わってきた。
 古典派経済学の昔は夜警国家といわれたが、国家の安全だけに専心して、それ以外の金はなるべく使わないという国家があった。今の国家はこの夜警国家を更に越えて、自由競争にさらに制限を加えない(規制緩和)どころか、これをオンブにだっこでどんどん助長する為に金を使うだけの、福祉国家の正反対物になったということだろう。この福祉国家というのは、夜警国家の後に生まれたケインズ流需要重視国家や、イギリスの「ゆりかごから墓場まで」などのことを指している。ところが、今みたいに夜警国家に回帰し始めると、アメリカや最近のイギリスのように、軍事を新たに急増させる国も出てくるというわけだ。

 この行き着く先がどこか、それが怖い。が、世界史の教える所に依れば、やがてまた正反対の国家が生まれる。その反対物は、過去の福祉国家を踏まえつつ、今の「世界大」をも包摂した新たな「福祉世界」であろうとは、容易に推察は付く。

 ただ、そのときまで今の悲劇がどの程度続き、深刻になるか。「世界史は人間愚行の陳列台」と述べたのはニーチェだったが、これも一面の真理。ただ、そういう時代だけに、過去の福祉国家、「民主主義」、「自由、平等、友愛」の歴史などはよーく覚えていたい。トルコ・ロシアや、シリアだけに目、心を奪われることがないように。】

 
【 連れあいとの話 (文科系)2015-11-25 15:22:33
 すぐ上のコメントを連れあいに話してみた。彼女がここのところ一か月ほど、こういう本を読んでいるから、僕もちょっと覗いてみたこの本の「世界史の今」を知りたかったからである。
『ポスト資本主義ーー科学・人間・社会の未来』(岩波新書 広井良典千葉大学法経学部教授著)。
 上のコメントの内容をこの本がどう書いているかという討論になった。この本の近未来キーワードは、「緑の福祉国家」、「持続可能な福祉国家」、「地球倫理の可能性」ということのようだ。一応我が意を得たりという印象は持ったが、問題はどこから、どう変えていくのかだろう。今は既にこんな世界なのだからと、そんな話も彼女から当然のように出てきた。
 徴兵制はなくとも、命の値段も金次第というわけで、貧乏人が「自ら」兵士になる時代である。彼らが金持ちと金持ちが所有する「国家を守る」のである。それも、65兆ドルの累積債務がある国家が、年6100億ドルを費やして。なんと不条理な世の中であるか。


【 補足 (文科系)2015-11-25 20:45:32
 上のコメント群をいくつか補足します。
『(定常型社会について)余分なものは作らないという「自給自足」程度の意味』というのは、こういう説明も要ると思います。国家としての自給自足ではなく、地球としてのそれね。

『社会思想は反民主主義としての「機会の平等」の否定と大格差の肯定』
 ここは『貧富の世襲』と『中産階級の没落』と書くべきところかも知れません。

 最後に、初めのコメントのこの部分。
『自由競争に制限をしないどころか、これをオンブにだっこで助長するのみの、福祉国家の正反対物』
 これは例えばこういうこと、世界として金融資本の租税回避国、策動を認めているということ。さらに、資本を呼び込みたくって法人税値下げ競争の世界になっているということ。それで税収は少なくなり、個人への税がどんどん増えているということ、などなど。】
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「よたよたランナーの手記」(144) 砂地面が気持ちよい!  文科系

2015年11月26日 12時22分49秒 | スポーツ
 先の11月7日、143回目は、その日にとうとう1時間で10・2キロまで届いたことを書いた。これは、心房細動へのカテーテル手術前後3年のブランクから12年9月にランニング再開以来において、1時間走行の最長距離になる。つまり、この7年間で1時間の最長距離が74歳になった僕に出せたということになる。この嬉しい心境から以降約20日は色々忙しくてばらつきが出たが、その時決めた計画通りにやってきた。

 時速12キロをいつも入れている。効果絶大と分かった外走り1時間とか、昨日25日は90分で13キロを走った。
 外走りは、鶴舞公園まで走って行って、そのグランド外周すぐ内側を10周弱走って帰ってくる。砂地なのだがこれが心地よく、蹴り脚、特に足首、膝が強くなると感じられる。走りを大きくして行くためにその日一周の歩数を600歩ほどから440歩ほどまでとだんだん歩幅を広げていくやり方をとっているが、これが僕には合っているようだ。そのかわり、このトレーニングで疲れがたまっているせいか、帰りのアスファルトが膝に応え、まさにヨタヨタと帰ってくる。

 でも、こんなトレーニングの結果か、昨25日など90分13キロを走ったが本日ほとんど疲れは残っていない。昨日走行後は膝に来たなーという感じだったのに、それだけ体の回復力が増したということだろうか。この分なら、ハーフマラソンにはいつでも出られて、2時間20分ぐらいならすぐにでも走れるななどと計算しながら帰ってきたものだ。

 なお、外走りをやると走行フォームも良くなる。マシンで走ることによって蹴り脚が弱くなるが、それによってフォームが乱れるということなのだろうか。多分、前へ出す脚の歩幅がばらつきやすくなることによってそうなるのだろう。やはり、外、特に砂地は気持ちがよいと再発見した思いだった。とにかく脚に優しいから、いろんなトレーニングが出来るのである。

 僕にとって、60歳代半ばの走力が戻って来たことだし、この秋から冬にかけてのランは何かかなり前進できそうな予感がする。ただ、年は年、「好事、魔多し」にならぬように気をつけよう。
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随筆 「9・11からパリ・テロへ」    文科系

2015年11月25日 10時18分55秒 | 文芸作品
 改めて、同名のものを随筆仕立てにしてみた。ご笑覧を、よろしく。

【 十一月十六日の中日新聞朝刊は、社説「9・11からパリ・テロへ」を掲げた。
 パリ・テロを論じても他の全国紙とはまったく違った内容になっていると読んだので、ここに抜粋を書いてみる。以下が、この記事の書き出しと、末尾の締めの言葉だ。これに対して、現在のアメリカの財政数字を上げていくらかの補足と感想などを書いてみる。

『 9・11テロのあった日、アラブ・イスラム世界の一大中心都市エジプトのカイロはどうだったか。電話で中産階級の知人に聞くとこうでした。
〈街路は喜びにわいている。アメリカに一撃をくれてやったということだ。アメリカはイスラエルを助けパレスチナ人を苦しめている。鬱憤が晴れたということさ〉
 アメリカの悲嘆と怒り、欧米社会のテロ非難とは裏腹にアラブ・イスラム世界の網の目のような無数の街路は暗い歓喜に満たされていたようなのです。
 欧米で憎まれるテロは、世界を異にすれば聖戦という美名で呼ばれることは、それが間違っていようがいまいが、動かせぬ事実でもあるのです。
 アメリカはテロに対しいくつもの行動をとりました。
 一つはアフガン、イラクの戦争です。ビンラディンを追うアフガン戦争は空爆であっけなく勝利したかのような印象を与えたが、今も終わらず無人機空爆は無辜の住民の巻き添え死を招いている。
(中略 そして、以下は社説末尾)
 それはきれい事にほかならないともいわれそうですが、米欧また日本の社会がどれほどイスラム世界を理解しているのかというとどうでしょう。二つの戦争による膨大な死者と、パリのテロの無辜の犠牲者とをならべて考えることもまた必要ではないでしょうか。おおげさにいえば、世界史の中で今私たちは試されているのです。』


 さて、アメリカの累積債務は既に六五兆ドルにのぼるという報告が出ている。米国会計監査院の元院長・デイブ・ウォーカーが試算した数字として公表されたものだ。この数字こそ、近年のアメリカが示した数々の異常な世界政策の源なのだろうと僕は推察しているが、最新のものでは、こんな数字もある。ニューヨークダウは十三日二五四ドル、十四日は二〇三ドル下落して、十二日の五六ドルを併せれば三日間で五六三ドル余りの急落を演じたと。これでは、九年越しの念願であり続けた利上げなどできるわけもなかろう。
 そしてさらに、こんな経済状況が続きながら、六千百億ドルを年間軍事費に当てている(ストックホルム平和研究所発表、十四年度分)。この金額はなぜか、冷戦時代のおよそ倍へといつの間にか膨らんでいる。対GDP比率も三・五%とあって、サウジアラビア、ロシアに次いで高い。

 中日新聞の社説内容は、これら世界政策のさんざんな歴史的結末とも、僕には読めた。それだけに、文末のこの結びには、「おおげさ」どころか本当にその通りだと共感した。
『世界史の中で今私たちは試されているのです』】
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新聞の片隅に載ったニュースから(番外編ⅩⅩ)   大西五郎

2015年11月23日 19時12分29秒 | Weblog
放送の自由への理解 ジャーナリズム批評 山田 健太(毎日新聞 2015.11.23)

 NHKの報道番組のやらせ疑惑を審査した放送倫理・番組向上機構(BPO)の意見書で、この問題を巡る政府・与党の放送への介入を批判したことが議論を呼んでいる。インターネットのヤフーニュースがBPOの対応について意識調査したところ、賛否が拮抗した。だが、寄せられたコメントを見ると「問題番組に監督官庁が乗り出すのは当たり前」といった声が目立つ。放送法が理解されていないと痛感する。
 かつて民放幹部の発言が偏向しているとの新聞報道をきっかけに、放送法の政府解釈が変更されたことがある。それ以降、政府や政権党が「政治的に偏向している」と判断した番組に対し、法に反するとして改善を求めたり抗議したりするようになった。政府は1990年代以降、メディア規制を一段と強めたが、世間の厳しいメディア批判の風に乗ったものでもあった。
 そしていま、政府の規制の動きを一部市民が後押しし、政府によるさらなる強力な監視を求める動きも出ている。それらは、さらに法解釈を変えて放送の自由を狭め、公権力の介入をより容易に、かつ拡大しようとするものだ。これまでの研究や判例の蓄積を無視し、いまの時代状況への対応を錦の御旗として過去の清算を図るものである。
 安保保障法制おける憲法、沖縄県名護市の辺野古沖埋立てにおける行政法――と、政府による解釈の一方的変更が続いている。本来は放送の自由を守るためにある放送法を、放送を規制するための制度に転換することも、その延長線上にあるといえる。
 しかし、そうした「誤解」が世の中に受け入れられる環境を作ってきたのは、既存メディアと呼ばれる新聞や放送にも責任がある。自主規制の役割、政府との距離の取り方を丁寧に説明してきただろうか。いわゆる「公共」放送を維持する仕組みとして、NHKの国会による予算承認権や経営委員会制度、放送各局の番組審議会、BPOが存在しているという大枠をどれだけ伝えてきただろうか。
 それらを抜きに、時々の行政の対応や政治家の発言を無自覚に伝えることは、結果として受け手に誤った認識を広めることになる。抽象的な「表現の自由」に関する話題は説明が難しいが、その壁を越えなければ自由は守れない。
□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□
毎日新聞に毎週1回掲載される専修大学の山田健太教授の「ジャーナリズム批評」です。
BPOが政府や自民党の番組介入を批判したことに対して官房長官や総務相が「法に基いて放送内容に意見をいうのは当然」といいましたが、放送法にはそういう規定はありません。
放送法第三条には「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」となっています。そして同条の二では、(放送は)一、公安及び善良な風俗を害しないこと。二、政治的に公平であること。三、報道は事実をまげないですること。四、意見が対立しているも問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。と規定されています。これは放送に携わる者の倫理的規定です。それを政府権力が法的拘束力を行使できるかのように言って、放送の内容に容喙するのは誤りだということを、山田教授がおっしゃるように、に世間一般に伝えることが放送の自由にとって必要です。
                                    大西 五郎    
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ハリルジャパン(35) プレミアに何が起こった? 文科系

2015年11月23日 01時16分36秒 | スポーツ
 プレミア・リーグでサッカー戦術における何か革新的なことが起こっているのではないかと推論している。岡崎レスター首位という歴史的珍事の他にも、これほど負け続ける当代随一の名監督、モウリーニョはかって観たことがないからである。過去のモウリーニョは、ポルトガルでも、イタリア、スペインでも、いつでもどこでも優勝に絡んでいたはずだ。言われているように、選手との関係悪化だけが原因でこんな下位に沈んでいるとは、到底思えないのである。

 おそらく、組織的守備とショートカウンターのやり方に、組織技術的革新がイングランドで起こっているのだ。ドルトムントがこの点で示した世界的衝撃がブラジルWCにおいて世界に広がって、更にその先へとプレミアが進んだのではないか。

 以上の推察理由とその中身の推論は、以下の通りである。

①モウリーニョは守備とカウンター戦術の天才的監督である。この守備とカウンターという面で近年革新的組織技術を加えたのがドルトムントだった。

②前マンU監督・ファーガソンにはこの新潮流が分かったから、香川をドルトムントから獲った。バイエルン、レアルもドルトムントから選手を獲った。が、現在までドルトの選手を使いこなせているのは、バイエルンだけである。何故なのか。

③こういう組織革新があるとしたら、成績から観てその先端にいると思われるラニエリ・レスターの特徴は何だろう。これを考えてみるのが、新潮流の鍵になるのではないか。今の僕には、その輪郭を推論して仮説を立てることしかできないのであるが。
A ラニエリ・レスターは失点が下から数えた方が早いほどに悪い。が、それを上回る得点力で現在首位にいる。必要な時に失点を抑えつつ、必要な1得点ができるから、あるいは、先行得点を守りきることも出来るから、こうなのだろうと推察できる。
 対極にいるのがモウリーニョの師匠、ファン・ハールの2位マンUである。失点が最も少なく、得点も多くない。これはむしろ、古い潮流なのではないか。
B Aから推論できることはこういうことだ。多少の失点は覚悟して、それを上回る得点戦術の向上。つまり、ドルトムント以降のカウンター技術の向上が鍵なのではないか。ちなみに、守備の天才モウリーニョがかってなく失点を喰らって沈んでいることもこの推論に合致している。
C 同じ意味で、ラニエリ・レスターに守備にも走り回るプレミアで短距離最高速のバーディーがいて、これが得点ランクのぶっちぎり首位だということにすぐに目が行くはずだ。また、このバーディーに良いボール奪取からカウンターパスを出せる岡崎らが居ることが次いで大きい、とも。
D ここまでの結びはこういうことだろう。「全員攻撃全員守備で、超スピード・トップが存在するカウンター」と。加えるに、そのトップ自身も前線守備に長けている、と。さらに、岡崎のようにもっと前線守備が上手いFWがいるというのも、逃げ切りゲームにはもの凄い武器になると言えないか。バーディーがいるので、最近の岡崎が正に「逃げ切り用FW」として使われているのである。

 いずれにしても、プレミアリーグのここ1~2年は、要注意である。ウエストハムのクロアチア人監督、ビリッチも要チェックと言いたい。レスターと同じような得失点パターンだからである。得失点差状況などでラニエリと似た傾向を持っている。また、今節首位マンCの本拠地において、1対4でこれをたたき落としたクロップ・リバプールも要チェックは当然のこと。そのゲーゲンプレス(新たなボール奪取戦術とショートカウンター得点術との融合)で、近年の世界サッカー戦術を引っ張ってきた本家本元だからである。
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新聞の片隅に載ったニュースから(219)   大西五郎

2015年11月22日 09時12分05秒 | Weblog
秘密保護法訴訟原告敗訴の判決「取材制約されず」(15.11.19中日新聞)

 特定秘密保護法は表現や報道の自由を侵害し憲法違反だとして、フリージャーナリストや編集者ら四十二人が、国を相手に法律の無効確認と損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は十八日、「取材活動が制約されたとは認められない」として原告敗訴の判決を言い渡した。
 原告は、秘密指定で行政機関への取材難しくなり、取材や報道自体が萎縮すると主張したが、谷口豊裁判長は「原告の利益を侵害していない」と退けた。
 無効確認を求める訴えについて「具体的な被害がなく抽象的だ」と指摘して、裁判の対象にならないとして審理せずに却下した。
 判決後の報告集会で、原告代理人の弁護士は「違憲確認を求めること自体が認められないのは問題だ。高裁に判断させる必要がある」と述べ、控訴する方針を示した。
 特定秘密保護法をめぐっては、横浜、静岡両地裁でも違憲判断を求める訴訟が係争中。

□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□

 谷口豊裁判長(中日新聞の記事では「裁判官」になっていましたが、別の報道では「裁判長」となっていましたので、合議制の法廷だったと思います)は判決で「(取材行為には)具体的な被害がなく抽象的だ」と述べましたが、特定秘密保護法が取材・報道の自由を著しく制約し、国民の知る権利を奪う法律であることは明らかです。
 同法第3条では「行政機関の長は、別表に掲げる事項に関する情報で、漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿が必要であるものを特定秘密に指定する。」となっています。そして特定秘密保護法運用基準で秘密指定対象55項目を挙げていますが、例えば「防衛」では、自衛隊の運用、これに関する見積もり、計画、研究。自衛隊の訓練、演習。
今問題になっている「テロリズムの防止」では、テロリズムの防止に関し収集した国民の生命、身体の保護に関する重要な情報など」となっています。
 そして第24条では「外国の利益もしくは自己の不正の利益を図り、又は我が国の安全若しくは身体を害すべき用途に供する目的で、人を欺き、人に暴行を加え、若しくは人を脅迫する行為により、又は財物の窃取若しくは損壊、施設への侵入、有線電気通信の傍受、不正アクセス行為の禁止等に関する法律その他特定秘密を保有する者の管理を害する行為により、特定秘密を取得した者は10年以下の懲役に処す。」となっています。法律上は「(秘密を取り扱う業務の)管理を害する行為がなければ罪に問われないことになっていますが、特定秘密を管理している公務員に対し取材する場合には、何とか秘密管理者から情報を得ようとしますが、このような軽微な管理侵害行為を「取得罪」とされたり、公務員が漏洩罪の共謀、教唆、扇動罪に問われるおそれがあります。
 判決では「具体的な被害がなく抽象的だ」と云いましたが、裁判官には、取材活動に対する萎縮効果についての想像力が欠如しているということではないでしょうか。
                                   大西 五郎
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