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アメリカの保守主義と右翼 その3 千里眼

2006年09月15日 23時07分51秒 | Weblog
5.福音派とキリスト教原理主義
 
 前回の投稿で福音派についての記述を終えるつもりであったが、急ぐあまり、教義そのものについての記述も省略して、きわめて不十分であったと反省しこの稿を起こした。
 百科事典「ウィキペディア」によると、キリスト教原理主義は「キリスト教のプロテスタントの中の福音派右派の思想」とある。福音右派とあるが、福音派と考えてもさしつかえない。つまりこの記述では、キリスト教原理主義=福音派として扱っている。この「ウィキペディア」の記述は日本版だけの記述で、ヨーロッパ版では、決してこんな記述にはなっていないであろう、と私は思う。長くなるからここではそれに触れ得ない。キリスト教原理主義の概念の方が福音派より広い概念である。狭くアメリカの福音派に限定するのはどう考えてもおかしい。ただし、アメリカにおいてはイコールと考えることはできよう。
 福音派の教義の核心は、「聖書を文字通り一字一句が真実で、過ちは決してない」とし聖書至上主義の立場を取っていることにある。したがって創世記の物語もそのまま、世界の歴史そのものと捉えている。この教義の核心は次の5つに整理できよう。① 聖書の無誤謬性、② イエス・キリストは処女から生まれたこと、及びその神性、③ 購いの教義、④ イエス・キリストの復活、⑤ イエス・キリストの再臨、を信ずることにある。
  
6.布教活動と政治活動
 
 福音派は、アメリカにおける他のキリスト教諸派と異なり、政治活動に熱心である。さらに福音派は布教にきわめて意欲的に取り組む。
「アメリカを、キリスト教倫理を根本にすえる国家に作り変える」という理想を掲げ、政治の世界と社会の底辺に積極的にかかわっていくという姿勢を持っているからである。
 福音派は4万2千の協会が属している南部バプティスト連盟(1960年から2000年にかけて、信者数は1000万人から1700万人へ) ペンテコステ派(200万人から1200万人へ)などいくつかの教派に分かれている。さらに特徴的なのは無協会派のビリー・グラハム師、その子供で後継者のフランクリン・グラハム師の大衆伝道の活動である。きわめて意欲的に全国にわたって集会を組織遊説し、さらにはテレビを積極的に利用して、意欲的に大衆伝道に身を捧げている。アメリカで最も有名な牧師になっていて、NHKの特集番組にもこの活動が取り上げられたので記憶している方もいるであろう。
 さらに、連日テレビに登場し時事解説や分かり易い説教で人気のあるテレビ伝道師パット・ロバートソン師もいる。彼は、破産したテレビ局を買収し、それを基にキリスト教放送網を作り上げたのだ。このような活発な伝道活動のなかで、信者数は1960年以降急速に増大してきているのだ。
 2004年12月の「ニューズウイーク」の実施したアンケート(18歳以上の1009人対象)によると、「イエス・キリストは、処女マリアから、人間を父親とせず生まれた、と信じますか」という問いに、79パーセントが「はい」と答えている。「聖書にあるすべての記述は、文字通り正しく実際にあったことであると思いますか」の問いに、55パーセントが「はい」と答えている。この数値をすべて福音派の成果であるとは私は思わない。が、次の図式は成り立つと思っている。「はい」と答える人々の増加(保守的意識の広まりとあいまって)→それを基盤に福音派の広がり→「はい」と答える人々のさらなる増加。

 政治活動の面でもきわめて積極的である。政党は組織していないが、さきほどのロバートソン師が福音派の政治組織「キリスト教連合」を創設した。その会員は1994年段階で200万人を組織し、各種選挙で共和党を支持して積極的に活動していた。2000年代にはいるとこの「連盟」の活動は表面では目立たなくなるが、それに代わって、共和党の下部組織のなかに浸透し共和党を下から支える活動を展開している。この力がブッシュ再選の原動力となったのだ。ロバートソン師は「35万の信者が熟達した活動家になった。そして、現在は共和党の中枢を担っている」と豪語している。
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自虐史観の反対は、他虐史観  落石

2006年09月15日 08時43分24秒 | Weblog
遊就館の展示を支えている歴史観を支持する人達は、
これまでの歴史観を「自虐史観」として批判しています。
アジアへの侵略を反省することは自虐だという考えです。
自虐の反対は他虐。他虐史観、これこそ自虐史観を批判する
人々の史観でしょうか?

遊就館の展示にはありませんが、日本の戦争は、じつに
多くの人々、「他」を「虐」めてきました。
今も、韓国、中国、台湾、フィリッピンなどアジアの人々が
遊就館の展示をみれば、虐められてきたことを思い出すでしょう。
東條英機さんは「わが子孫は、100年は何もいうな」と、
遺言したそうです。
この話を聞いた時、それなりの見識を持っていると思いました。
そういう意味で、遊就館の展示は、被害を受けたアジアから見れば、
「これしか道はありませんでした」という言い訳と、
「あなたのためにしたことです」という独りよがり、
と批判されても仕方の無いものを持っています。

靖国神社から千鳥が淵墓苑にまわってみました。
こちらは数人の人が訪れているだけで静かな佇まい。
緑も豊かです。
死者が静かに眠れるのは、どちらでしょうか。

   


日本人の多くは先の戦争で加害者であったという事実を
直視することを避けてきました。
東京裁判が行われるなかで、軍部にだまされた被害者だった
という意識が強くあります。
中国・韓国などとの国交が正常化した頃から、
加害者としての国民のありかたが、再び問われるようになったようです。

国民は、経済大国となって誇りを取り戻していましたが、
成長がストップして共有可能な夢を失っています。
小泉さんは、国民をばらばらにする政策をすすめ、
ひとつの纏めるためにナシュナリズムに飛びつきました。

この複雑な状況のなかで、戦争体験から切り離された若い世代が
遊就館を訪れて、何を感じ、何を得て帰るのか?
21世紀の日本の針路に大きく関わってくることだけは
間違いないでしょう。


    靖国神社見聞記  終り



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私の原点は怒り 中日新聞の記事に触れて  千里眼

2006年09月15日 05時04分44秒 | Weblog
 
 最初に中日新聞の記事を引用しよう。「5回目の9・11を前にした8日、米国の上院情報特別委員会が、イラク攻撃の根拠の一つだった旧フセイン政権とアルカイダの連携をあらためて否定した。『大量破壊兵器』説に続き、戦争理由の虚構があらわになった。開戦を支持した日本政府の責任も厳しく問われるはずなのだが」という書き出しで始まる。
 「『特別委』の報告書では、大量破壊兵器の存在を再び否定したうえ、フセイン元大統領が国際テロ組織アルカイダと結ぶどころか、脅威と感じ、‥‥ザルカウィ容疑者(今年6月死亡)を捉えようとしていたことなどを指摘。ブッシュ政権が唱えたイラク戦争の大義を全面的に否定した。元来、アルカイダと旧フセイン政権の連携は専門家の間では“噴飯モノ”だった」‥‥途中カット
 「大量破壊兵器をめぐっては、小泉純一郎首相が2003年6月『大量破壊兵器はいずれ見つかるとおもう。フセイン大統領が見つかっていないから、イラクにフセイン大統領は存在しなかったと言えるか』という、“迷答弁”を披露した。」
 「だが、米国が“虚構”を認めてしまった後は『武力行使を支持したのはイラクが12年間、国連安保理決議に違反を続けたからだ』(04年10月の衆院本会議)と説明。あれほど強調していた『大量破壊兵器の脅威』はいつの間にか消えていた」‥‥途中カット
 「安部晋三官房長官が11日‥‥『今の段階でも、あの時の判断は合理性があった』と、旧フセイン政権とアルカイダの関係には触れずに正当性を強調」‥‥途中カット
 「政治評論家の森田実氏は『そもそも米英は国連安保理決議が取れず、勝手な理屈で攻撃した。日本もイラク戦争支持の根拠として、1991年の湾岸戦争を認めた当時の安保理決議を持ち出したことからして“空理空論“。こんなでっち上げを国会論戦で打ち破れなかったことは、日本政治の深刻な退廃だ』‥‥以下略

 私は、この中日新聞の解説内容に一字一句残さずすべてに同感する。当時の怒りの対象になった内容については、今でも鮮烈な印象となって記憶のなかに残っている。外国のことは別として国内に限ってその一・二を列挙すると、
* 小泉首相が国会答弁でも記者会見でも、「国連決議」に基づいてアメリカが出  兵したと繰り返えしていた。これは全く逆で、出兵に必要な国連決議を取れな  いので、国連決議を無視して勝手に出兵したという歴史事実をすり替えていた  のだ。
* 共産党をはじめとした野党の国会での追及の弱さのために、この小泉首相のこ  の態度を許してしまったこと。
* 公明党冬柴幹事長の「自衛隊の派遣を認めないことは、テロに味方するという  ことだ」という発言。そのときの彼の顔を今でも思い浮かべることができる。

 イラク戦争の大義がすべて否定された今となっても、おのれの間違いを絶対に認めず、強弁・詭弁を繰り返す彼らを見ていて思う、これほど厚顔無恥な人々に日本の政治を任せなければならないとは。
 アメリカに追随して、派兵した諸国の指導者のなかで、今なおイラク戦争は正義の戦いで派兵したことは正しいとしているのは、わずかにイギリスのブレア首相と日本の小泉首相の二人のみとなった。ブレア首相は労働党からも総すかんを食い、その退陣も間近になっている。ただ一人小泉首相のみ終わりを全とうしようとしていることについて、世界はどう見ているのだろうか。
コメント (2)
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